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元の生き方には、戻らない。『がんが消えていく生き方:外科医ががん発症から13年たって初めてかける克服法』(船戸崇史著)を読んで決めた。

がんの原因は悪ではなく無理

 がんになると、あれが悪かったのだろうか、それとも・・・と答えの出ない問をぐるぐると繰り返すことが多いだろう。何も知らぬ他人から、したり顔で「あなたが十分●●しなかったせい」などと言われて悔しい思いもするだろう。だが、著者は断言する。無理な生活が原因だったと。そして、そうなるのは「お人好し」だからでしょ、と。これは慰めでも励ましでもなく、警告だ。元通りの生活、元通りのマインドに戻ったら、再発するよ、と。がんを含む病気は、本来の生き方から外れているよという呼びかけだと言うのだ。

がんになりやすいのは、3Gの人

  我慢して(Gaman)
  頑張る(Ganbaru)
  頑固者(Gankomono
 お人好しが、我慢して「もっと頑張らなくちゃ」を継続し、頑固が加わったら習慣化となり、身体的に一番弱いところにがんが生じる。だから、窮屈な生き方を捨てて、やりたいことをやって本来の自分らしく生きよと著者は言う。

再発する人の特徴

・初発のがんになる前の生き方が全く変わっていない人。生き方を変えなければ、当然再発する
・必要以上にがんを恐れる人。再発に怯え続けている。
 著者は、本当にしたいことを見つけ、そのワクワクを生きるエネルギーにせよ、そのエネルギーががんを抑えてくれる、としている。

「がんに克つ五か条」

①がんに克つ寝技 ねわざ”睡眠” ・・・10-6時の睡眠
②がんに克つ食技 たべわざ”食事” ・・・がんの好きな糖質を減らし、脂身と赤身を避け、がんの苦手な緑黄色野菜、根菜、海藻類、きのこ類、豆類、発酵食品を多く。調理法は煮る、蒸す、茹でる。
③がんに克つ動技 うごきわざ”運動” ・・・朝、最低30分、できれば1時間歩く。できる人は100メートルダッシュを1,2本入れる。
④がんに克つ温技 あたためわざ”加温” ・・・HSP入浴法
⑤がんに克つ笑技 わらいわざ”笑い” ・・・ニッの顔だけでも免疫活性化。
 自分のためのメモとさせていただいた。詳しくはぜひ本書を手に取っていただきたい。

 当然だが、「がんに克つ五か条」から遠い生き方をしてきた人も、がんになりやすい。多くのがんは、突然あらわれるものではなく、今までの生き方ゆえに登場する。

本当に生きたいように、生きる

 生きるか死ぬかなんて、おかしな選択。人間は100%死ぬのだから、「どう生きるか」という選択しかないはず。死なないために生きてるわけじゃない、楽しむために生きている。やりたいことがあるから生きている。そう言い切る著者の言葉はまっすぐ入ってくる。「がんを経験したことで、自分の人生における優先順位が整理できた気がします」とも書いておられる。がんんがあろうがなかろうが、やりたいことに没頭する生き方を。くよくよしている時間などない。
 著者ががんになってがんに教えられたのは、今まで未来ばかりを見て今を疎かにしていた、ということ。明日ではなく今日を、未来ではなく今を生きよ、とのメッセージが刺さる。

本当の自分を生きるための場所「リボーン洞戸」

 著者は岐阜県の洞戸に「自らの生き方を変えたい」と願う人のための、がん予防滞在型リゾート、「リボーン洞戸」をつくった。一度行ってみたい気がする。

この本を読んで、決めたこと

 使いやすいのか、いいように会社に使ってもらってきた。それによって私もいろいろな経験をしたし、不思議とつらかった時期の方が、鮮やかな記憶にもなっている。たくさんの優秀な頭脳とともに働くことは喜びでもあった。・・・しかし。私は多くのものを、自分の人生から会社へと持ち出してしまったと思う。睡眠時間を始め、勉強時間もほとんど会社のために差し出してきた。これが良くなかったと、今はわかる。
 ありがたいことに、今もいろいろな役割がやってくる。会社や上司からだけでなく、周囲からも。けれど、もう自分の人生を会社に差し出すことは決してない。未来も相変わらず気になるけれど、私はパートナーと暮らす毎日を何よりだいじに、生きている間中、楽しく生きようと決めている。

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