見出し画像

沈黙法廷 佐々木譲


沈黙法廷 佐々木譲

解説
独り暮らしの初老男性が絞殺死体で発見された。捜査線上に浮上したのは家事代行業の地味な女性。女の周辺では、複数の六十代男性の不審死が報じられ、疑惑は濃厚になっていく。女は、男たちから次々に金を引き出していたのか。見え隠れする「中川綾子」という名前の謎とは。逮捕後も一貫して無実を訴える彼女だが、なぜか突如、黙秘に転じた……。判決の先まで目が離せない法廷小説の傑作。

読者レビューより引用・編集
この小説は、いろんな登場人物の視点から事象にアプローチし社会に課題を残した形となっている。
事件を捜査する刑事の視点、被告人の視点、敏腕弁護士の視点、検察の視点など。
557ページに及ぶ長編ミステリー。
前半は事件を追い続ける部分であり、後半は刑事裁判へと展開していきます。
警察組織の内部事情たるメンツを露呈し、警察の現場とキャリアのギャップに上意下達。
状況証拠だけで仕立て上げられるという恐ろしさ。
三現主義に則り、行為者主義ではなく、行為主義が原則ではないか。
「それは右手か左手か」との質問に、その時の行為が正確に答えられるものか疑問に思うところ。
また、プライバシーを越えた愉快さを煽り偏ったマスコミ報道といった現代社会に一石を投じている。
加えて、平穏な社会構造の中に潜む、仕事、生活といった様々な要素をピックアップしている。
最後の最後まで、有罪か無罪かは判然とさせないところにミステリーの醍醐味。
少し惜しいところは、結末をショートカットしたような、あとは類推で読者にお任せと言う描き方にある。
ピュアにハートをつかんでくれる人間性をクローズアップしてほしいところ。

$商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

独り暮らしの初老男性が絞殺死体で発見された。捜査線上に浮上したのは家事代行業の地味な女性。女の周辺では、複数の六十代男性の不審死が報じられ、疑惑は濃厚になっていく。女は、男たちから次々に金を引き出していたのか。見え隠れする「中川綾子」という名前の謎とは。逮捕後も一貫して無実を訴える彼女だが、なぜか突如、黙秘に転じた…。判決の先まで目が離せない法廷小説の傑作。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

佐々木/譲
1950(昭和25)年、北海道生れ。’79年「鉄騎兵、跳んだ」でオール讀物新人賞を受賞。’90(平成2)年『エトロフ発緊急電』で山本周五郎賞、日本推理作家協会賞、日本冒険小説協会大賞を受賞。2002年『武揚伝』で新田次郎文学賞を受賞。’10年、『廃墟に乞う』で直木賞を受賞する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?