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我が国ならではの「組織対応」によるプロジェクトマネジメントは、メリットが無く弊害ばかりです。

私は、我が国でのプロジェクトマネジメントのあり方、特に、プロジェクトマネージャの役割に極めて疑問を感じております。我が国では、「組織対応」と称するボトムアップにより部分最適化を図るプロジェクトマネジメントが殆どであり、この場合のプロジェクトマネージャの役割は、関係する各組織の「まとめ役」、つまり、コーディネーターに過ぎません。他方、海外では、プロジェクトマネージャのトップダウンにより全体最適化を図るプロジェクトマネジメントが当たり前であり、「組織対応」といった概念や用語は存在しないところです。

ところが、「組織対応」によるプロジェクトマネジメントには何のメリットも無く、弊害ばかりなのです。例えば、大阪・関西万博は、来年4月からの開催に向けた「雲行き」が、凄く怪しくなってきています。ここでの最大の問題は、かくも多岐に渡る巨大プロジェクトを、我が国ならではの「組織対応」で運営していることに尽きます。つまり、責任を持ってプロジェクト運営を司り、トップダウンにより全体最適化を図る権限を有する「真のプロジェクトマネージャ」が何処にも居ないため、関係する組織ごとのボトムアップによる部分最適化に任せた野放図なプロジェクト運営しかできていないのです。

しかし、我が国でも、プロジェクトマネージャのトップダウンによりプロジェクトの全体最適化を実現した成功事例が、数は非常に少ないのですが存在します。そこで私は、9年前に技術士事務所を開業して以来、プロジェクトの全体最適化の成功事例や失敗事例について具に研究して参りました。下記のリストは、noteに掲載した事例研究の一部ですが、ご笑覧賜れば幸甚に存じます。

🟢 大規模なプロジェクトを確実に成功させるには、グローバルスタンダードな性能発注方式の取り組み方が必要です。

🔴 三菱スペースジェット開発失敗の根源的要因は、経済産業省と国土交通省と三菱重工業のいずれも、性能発注方式の取り組み方ができなかったことです。

🔵 零戦の大成功と後継機「烈風」の大失敗 ー プロジェクトの全体最適化 成功と失敗の事例研究(1)ー

🟡 仕様発注方式で失敗・破綻し、性能発注方式で復活・成功した新国立競技場整備事業 ー プロジェクトの全体最適化 成功と失敗の事例研究(2)ー

🟣 X線天文衛星「ひとみ」の大失敗と小惑星探査機「初代はやぶさ」の大成功 ー プロジェクトの全体最適化 成功と失敗の事例研究(3)ー


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