時間の概念

3年前って「いつ」のことだろう

初めて読んだ村上春樹作品の中で登場した表現。
明確な日時を与えられても、記憶の中で「どれくらい前のことなのか」をはっきりとイメージすることができないとき。
そういう時に、時間をかけて生きていたことを実感する。はっとした、生きていた実感。生きている、というより、他者的な感想として、生きていたという過去のことのような感覚で。
長い時間のなかでの一部分になっていること。立体的な時間ではなく、点のような感覚。時間の感覚の経年変化を鋭く疲れた一文表現。たぶん村上春樹の読み方は、こういう感じだと思うな。知らんけど。

『一人称単数』/ 村上春樹

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