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小説

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たまに短編小説を書いています。 読んでいただけると、嬉しいです。
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短編小説

「今日はパーっと遊ぼうよ。」
そう誘ってくれた友達とオールでカラオケって約束して、ふと気付いたら1人だった。
あれー?っておもったけど、どういう経緯で1人になったかは思い出せない。相当飲んだのかもしれない。
ま、いっか、と、家路に着く。
幸いにも終電まで時間があったし、ちゃんとSuicaも持ってた。無事帰れるだろう。友達には今度会った時に謝ろう。別に今謝る必要もないだろう。
Suicaをタッチして

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彼女は言う「カップ焼きそば、好き?」
僕は一人暮らしだから、簡単だしよく食べるよ。と、返事をした。
彼女は言う「カップ焼きそばって焼いてないよね?」
そう。彼女は気づいてしまったのだ。
カップ焼きそばは、カップ茹で焼きそばなのだ、と。
僕はさえぎる、一回焼いたものをフリーズドライか何かにしてるんじゃないの?と。
なら、カップ茹で焼きそばフリーズドライ麺って言わないとBPOにひっかかるんじゃないかな

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あなたが好きです。

あなたが好きです。

まだ寒さが厳しい2月。免許を持ってない僕は電車での通勤だ。駅の自販機でホットコーヒーを買う。混雑している上り電車を見ながら僕は下り電車に乗った。毎日決まった時間に決まった車両に乗ると、同じような顔を見ることが多い。僕より前に乗ってる人で髪の長い女性が少しだけ、ほんの少しだけ気になる。好きと言う気持ちがわからなくなってきていて、どうやって恋をはじめるんだったかわからなくなってき

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