浪人を決意した人へ

こんにちは。布施川天馬です。

ちょうど昨日、東京大学の合格発表が行われました。
これで国公立大学の前期試験の合格発表はほとんど終了したことになります。

合格した人はおめでとうございます。
惜しくも敗れてしまった人は、一年間お疲れ様でした。

さて、僕の個人的な話をさせて頂くと、僕の現役受験の結果は散々で、東京大学文科二類(当時は足切り回避のために文二に出していました)はもちろん、早稲田大学文学部、文化構想学部、慶應義塾大学文学部や、滑り止めの明治大学文学部まで落ちてしまいました。
俗に言う全落ちというやつです。

なので、僕の場合は否応もなく浪人の道を選ばざるを得なかったわけです。
ですが、これは結果として良い方向へ転がるための材料となったと思います。
後が無い状況だからこそ、どうにかしなければならないという思いが強く生じたためです。

浪人をした人の多くはこれを分かってくださると思いますが、浪人している人の多くは「自分が未だ何者でもない」という感覚を強く持っていると思います。
それはまさしくそうで、浪人しているのに勉強をやめてしまえば、それは無職の20前後の大人が誕生してしまうわけです。

浪人時の受験勉強は、現役時のそれとは全く異なり、「何者ではない者」から「何者か」になるための戦いと言えます。
ですから、これを戦い抜くことは、きっと人生においても大きな意義を持ちます。

今日は浪人を決めた人へ、浪人経験者の先輩としてアドバイスです。

考えるべきこと

まず考えるべきことは、浪人する上で、どのような目標を持つかです。
つまり、現役受験時と同じ目標を持つのか、それより上げ下げするのかですね。

結論から述べると、僕は目標を動かすのは得策ではないと考えています。
僕のオススメは前年度と同じ目標を持つということです。
これは以下のような理由によります。

・浪人したからと言って確実に実力が大きく伸びるわけではない。
・1年間あると気が大きくなりがちである。

特に2つ目の理由は大切で、この時期はリスタートの季節でもあるので、どうしても気が大きくなってしまいます。
早い話が、その選択にはリスクがあることを忘れて、リスクのある選択をしがちであるということです。
僕は挑戦を強く推奨しますが、勝算のある挑戦と無謀な戦いとは全く異なります。

浪人とは恐らく多くの人にとってこれまで以上に「負けられない戦い」になるでしょう。
そのような時に求められる力は、敵の力と己の戦力を予想、比較して、勝算を見つけ出す力です。
冷静に戦局を鑑みて、どの様に采配すべきかを決める決断力です。

自分なら行けると思うのであれば、挑戦するのが良いでしょう。
それは立派なことであるので、とても素晴らしいことだと思います。
ただ、浪人した後になって、全く何も考えずに志望校のレベルを大きく引き上げるのは、再度浪人するリスクを考えてのことでなければオススメはしません。

結局、受験は全てが自己責任です。
外野がどうこう言っても、全ては勉強をした自分の実力と、敵たる志望校の問題と、時の運で全てが決まります。
リスクがある選択だからこそ、リターンも大きいのです。
リスクなしに全てを掴めると思ってはなりません。

ですから、どこまで言っても全て自分の責任であると思えない人には浪人はオススメしません。
浪人した結果、むしろ成績が下がってしまい、前年受かったはずの学校に落ちてしまったということも良く聞きます。

浪人するのであれば、もう誰とも話さず、一切遊ばずに鋼の意思を持って己の目的を完遂すると言った様な覚悟が必要でしょう。
ですから、目標設定は非常に重要な意味を持つわけです。

浪人の選択肢

次に、浪人する際の選択肢を並べます。
大きく分けて次の2つがあります。

・予備校に通う。
・自宅で勉強する。(宅浪)

特に予備校と一口に言っても多いので、大手予備校(いわゆるSKY)にするのか、個人塾の様なところにするのかでまた違ってくると考えたほうがいいでしょう。
僕はこの二択なら大手予備校に行くべきであると考えます。
単純にサポートが手厚く、カリキュラムも練られているからです。

前者の良い点は、授業を中心に進めてくれるため、意思が弱い人でも、とりあえず授業についていけば、ある程度の学習プランを立てられるということです。
また、講師の先生による添削を受けられたり、大手予備校の場合は、その予備校主催の模試を無料で受けられたり、カウンセリングを受けられたりと言った特典がつく場合もあります。

しかし、一般に予備校はお金がかかります。
また、授業カリキュラムなども予備校によって異なり、授業内で授業が完結する学校や、夏期講習などを取らないと全てを網羅できない学校など様々あります。
己にあった学校を選ばなければなりません。

後者の宅浪の良い点は、自分で自由にスケジュールを立てられることと、お金がかからないということです。
既に十分な学力があるから、自分で自由に勉強をしていきたいという人にはオススメします。

しかし、宅浪は自分でスケジュール管理をしなければならないので、強い意思を持った人でなければ難しいでしょう。
また、添削の必要や質問事項ができても受けられる環境にないため、それを受けようと思うと、例えばZ会などの外部サービスに委託する必要があります。
それらに頼ると、結局お金がかかってしまい、予備校に行ったほうがコストパフォーマンス的には良かったということになりかねません。

どちらを選ぶかはご自身で決めることですが、やはり予備校に通うことをオススメします。
後者の場合、勉強場所なども自分で確保しなければいけませんし、学習に使う参考書も市販のものしかありません。
何かと不便が目立ちます。

僕が浪人した際には、河合塾で浪人を決めました。
以下の記事でも書かれている様に、僕の家の世帯年収は300万円程度だったのですが、なぜ河合塾で浪人できたのかというと、これは色々と無理をして、借金をしてくれたからだそうです。
あと、自分で週3回アルバイトをして学費や交通費の足しにしていました。

もともと無理を通した話だったので、僕は絶対に負けられませんでした(落ちたら就職が確定していました)。
なので、確実に受かる様に予備校選びも慎重に検討しました。

僕が予備校を選ぶ上で考えたことは、校風です。
雰囲気があっているかどうかを中心として考えました。

駿台と代ゼミも見たのですが、前者はあまり雰囲気が気に入らず、後者は特待の試験で全額免除が取れず、立地もあまりよくなかったので、それなら河合塾の方がいいだろうということになりました。

河合塾はカリキュラムも校風も立地も気に入ったので、行った瞬間にそこにしようと即決できました。
僕は本郷ではなくて、池袋の河合塾で浪人することにしていました。
これは、池袋だと少人数のクラスで指導が受けられるためです。

一年通った感想ですが、河合塾は少人数クラスならいい環境だと思います。
というのも、人数が少ないため、何度も通っているうちに先生と顔見知りになれたり、無駄な友達付き合いをせずにすんだりしたためです。

僕は遊んでしまうことを防止するために、クラスの人とは最小限の接触、応対をして過ごすことを決めていました。
ずっと一人で勉強していましたが、これがよかったのだと思います。

様々な選択肢がこれからあります。
どの選択を取るのもあなたの自由です。
僕の選択を押し付けるわけではありません。
しかし、先達の一人であるとして参考になればと考えています。

浪人すると決めた際には、これらを参考にして、ぜひ来年の合格を勝ち取ってほしいと思います!


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