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名前の由来は紫蘇ジュース

ゆかり

「ゆかりふりかけ」が名前の由来です。

幼馴染のAちゃん家に行った。
Aちゃんのおばあちゃんが「飲みなぁ」と出してくれたのが紫蘇ジュース。当時小学生だったわたしは、紫蘇に対してお年寄りの食べ物、という謎イメージを持っていて、加えて紫蘇を食べたことが一度も無く、だから「ジュースだ」と聞かされてもやったあと喜べなかった。ジュースの赤紫色も、丸底ビーカーに入っている液体の色にしか見えない。ほら、悪役が地下の実験室でつくっているあれ。

Aちゃんは、氷が入った紫蘇ジュースをごくごくと飲み干す。「美味いら?」と、おばあちゃんはにこにこ。その様子を見て意を決したわたしは、恐る恐る紫蘇ジュースを口にした。

おいしい。

これは丸底ビーカーに入っている謎の液体じゃない。ジュースだ。紛れもなくジュース。この匂い、初めて嗅いだけどわたしは好きだ。味も今まで口にしたことがない味だけど、なんか好き。おいしいなあ。
「ゆかりちゃん、もう一杯飲む?」
うん、飲む。飲みたい。

それ以来、「今日も紫蘇ジュースもらえるかな」と図々しいことを考えながら、Aちゃんの家に遊びに行ったことを覚えている。

…なんてことを、ゆかりふりかけをスーパーで見かけて思い出しました。
旅行や運動会のようなイベントの記憶に比べると、日常のささやかなやり取りの記憶って少ないんですよね。だからこそこの紫蘇ジュースの記憶、大切にしたいなぁと。
わたしが今紫蘇が好きなのも、このジュースのおかげなんですよね。紫蘇おいしい!と感じたその日から、紫蘇を食べるようになりました。食の好みはAちゃんの家で作られた、といっても過言ではありません。

ゆかりふりかけのおかげで思い出せたので、それにあやかって「ゆかり」という名前にしました。
せっかく名前をつけるなら、大切にできる名前がいいなと思って。

ゆかり

うん、字面も響きも良いね!

(ちなみに、本名は字画で決めたから由来は無いそうです。)

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