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日本縦断歩き旅《春の能登島編》1日目  『能登さくら駅と能登和倉温泉街』

桜がみたい。
能登鹿島駅の桜が。

春のうちに行きたい。


本当は春の前に新潟から富山を通り。
春に能登半島攻略。
その過程で能登鹿島駅を通る予定だった。

しかし、冬に主だった仕事が一つなくなり。
時間できたが、収入が心配で旅費が組めなかった。

春前に新しく仕事を始めた。
すると今度は、時間が用意できなかった。


冬は辛い事が重なった。
考えても仕方ない事だった。
こんな時こそ旅をしたかったが、できなかった。
辛いとき、苦しいとき、日本地図を見ては旅の事を想った。


そして、春。
まだ、新しい仕事が落ち着いてないが、
3日間の休みができ、たまらず、バタバタと予約を入れて旅の準備をした。


新しい仕事で筋肉痛のまま、深夜バスに揺られて金沢に着いた。
予定では金沢から電車で能登半島へ向かう予定だ。

バスから降りると、春だと思っていたが、まだ肌寒い。

金沢駅。骨組みがすごい。

SuicaをチャージしようとSuicaチャージ機を探す。
見当たらず、駅員に聞く。
見当たらなかったのは、SuicaではなくICOCAに変わっていた為だった。
そう、ついに東北が終わり、西日本に来たことを感じた。


腹が減り、朝からやってるカフェに入る。

モーニング。
収入が減った冬では自炊ばかりで、まともな外食は久しぶりだった。
珈琲も久しぶり香りの強いコーヒーを飲む。
後味に雑味がない柔らかい苦み。
しみた。

自炊では米が多かったので、久しぶりにトーストを食べた気がする。
味は薄味だったが、うまいはうまい。
黄身がこぼれて手が汚れる。

七尾線に乗る

空いていて気持ちがいい。
車窓の景色を眺める。
歩いて能登半島を渡るときいずれ来るかもしれない景色だが、
まだ実感がわかなかった。

七尾で乗り換える。
桜が散ってきているが、桜はギリギリみれた、とホッとする。
能登鹿島の桜が残っているといい。

のと鉄道はSuica使えず、切符買う。


のと鉄道は車窓を楽しみやすいようになっていた。
通過電車にはキャラクターがプリントされた電車が通ったりしていた。

明日歩く、能登島が見える。


10:15能登鹿島駅着く。

人がとても多かった。
電車が出発の際は、みんなカメラを向けたり、乗客に手を振ったりしていた。車両の先頭に立った少年がピースサインをして楽しそうだった。

だれもがカメラを構えているので、通行する時、頭をペコペコさせて前を通った。


高台にのぼる。
ちいさな川には散ったさくらの花びらが流れ、
せせらぎのなか日の光がキラキラしていた。

小鳥の鳴き声がどこからか、よく聞こえていた。
新緑の大地は春だが、空は冬っぽく遠くまで澄んでいる。


一番の目的であった能登鹿島駅を去り。
ここから、歩き旅を再開。
能登島周辺を歩く。


能登島とツインブリッチが見える。

ツインブリッチの奥に雪解けの立山連峰がうっすらと見える。
雪をかぶった山は東京近郊では見れない。
異世界感がある。


正午近くなり、気温は暑め。日差しは強い。
だけど、ふく風は冷たく、涼しい。

歩き始めは、仕事の事ばかり思い出していた。
まだ新しい環境になじめず、やっていける自信が無かった。
すぐにでも辞めたい気持ちがあったが、
旅を続けるには稼がなばならない。

辛抱が必要な時だが、弱り切っていて安穏ばかり求めていた。
この休みの3日間は心の安全地帯だ。
3日間で苦役に耐える辛抱強さを取り戻そう。
そんな雑な目論見でいた。
しかし、歩き始めは気持ちをあげる事より、
ネガティブでいてもいい猶予期間を満喫した。

ただ、安穏が欲しい。

クヨクヨと、とぼとぼと、歩いて、
クシャクシャな心をゆっくりと伸ばしていった。

ゴミを荒らされない為なのか、可視化された分別ゴミ入れ。

鷺?鵜?


満開の桜だ。

桜も相まって強い意志を感じる。

観光の裏で、ゴミの問題が。

ドライバーからはゴミの看板は一瞬だが、
歩き旅だとくどいくらい何度も見ることになる。

旅とゴミ。
観光とゴミ。
道路とゴミ。
人気が無い道と不法投棄。

枝垂桜。
冷たい冬でなれた目に、ピンクがあたたかい。


沿岸沿いへの道。
車も少なく歩きやすい。

釣りをしてる人を多く見かける。

腹ペコで牡蠣のお店に駆け込む。

システムやら焼き方がわからないが、
忙しそうな店員にザックリと聞く。

カキフライ定食と牡蠣を2個注文。

1個150円の牡蠣。安い。



カキフライ定食。

フライの衣が薄いのがいい。

ぱかっと開くまで待つと聞いていたが、
開かず。
焦がしてしまう。

もったいない。

焼き過ぎるとうまみは落ちるが、
牡蠣をあまり食べた事がないのでいい経験になった。


桜!

桜!

桜!!

桜!!!

ひたすらと歩く。
交通量が激しくなく道が穏やかで足も軽かった。


温泉街がみえてきた。

にゃんこ。

近づくとデカい。
廃墟も混ざって異様な世界に入った感じがする。

デカい!

崖の上にも大きな建物。

湖畔にデカい旅館が映る。
屋上の三角屋根がロマンがある。

古風な旅館も。

駅前。温泉の噴水があった。
たしか、飲める温泉があった記憶ある。
飲まなかったけど。

デカい。

どこのホテルもホテルマンがキリっと立ってお出迎えしている。

この日泊まるホテル。
ホテル海望。
値段はそんなに高くない部屋をとったが、
慣れなくてドキドキする。

内装は恐ろしく豪華。

安い部屋をとってるから、
ホテルマンから「お前の来るところじゃねぇよ」と
思われてそうで落ち着かない。

フロントで予約を確認してもらい、奥の席でコロナのアンケートなどを記入する。

今回、予約のコツを聞いて、予備欄に”どんな旅にしたいか”書いておくとホテルマンは空き部屋を紹介しやすいと聞いていた。
予備欄に”日本縦断の旅をしている事”と”能登島を歩いて回る事”を書いておいていた。
するとホテルマンが、能登島の地図を持ってきてくれて、しかも、安い値段にもかかわらず、能登島がよくみれる部屋を用意してくれた。

その心遣いに、さっきまで高級感でビクビクしていた心が和んだ。
こ、これが一流か!?

ありがたい。

冬に社会の厳しさを味わってきたが、
ここにきて人の温かい春を感じた。

手入れされた中庭。放置しているとこうはならない。

部屋に着いた。すごい。
予約でとっていた部屋よりグレードが上がっていると思う。

ありがたい。
日が沈む前に着いてよかった。

青くそして緑がかった海。
そして、能登島が良く見える最高の景色!

トイレや洗面台も綺麗だった。
家ではソファで窮屈に寝ているので、ふかふかの布団を見ると足がムズムズする。

お風呂へ向かう。内装がいい。
足が疲れていなければ、もっと歩き回りたかった。

お風呂の入り口、高級感が半端じゃない。

中も空いていて良かった。
露天風呂の景色は抜群だった。

ただ、一点の欠点はサウナがコロナで休止していては入れなかった事。

サウナが入れたら・・・。


角部屋で隣の旅館が見れる。

もったいなくて、日が沈むまでは、明日の調べものとかほっておいて。
ずっと眺めていた。

夜食はコンビニのパスタを食べた。
すこし固く、あまり美味しくはないが腹を膨らませる。
いつか、夜食も旅館で食べてみたい。

疲れていたのか7時には寝た。

明日はいよいよ能登島攻略。
一日で完走する予定だから、きつくなりそうだ。



この日歩いた距離 25km

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