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NZライフ③

ここでの日々も、終わりに近づきつつある。

ニュージーランドでのWWOOFing(ファームステイ)の日々を綴った本シリーズ、3か所目はホースクラブである。

競技馬のトレーニングやブリーディング、個人馬の預かり・お世話などをビジネスとしていて、広い敷地に25頭ほどの馬、競技場と大きな家がある。

家には、60代の夫婦、Mary-Beth と Robert、馬の世話をする長期滞在のスタッフが一人住んでいて、そこに短期で私たちWWOOFerが滞在する形だ。夫婦は、どちらも週5日フルタイムで働いていて(奥さんは裁判官らしい)、馬のビジネスは息子、Will が担当している。彼も他にも仕事を抱えていて、毎日は来れないので、日々の馬の世話はスタッフとWWOOFerが担っている形である。

夫婦は、一言でお金持ちだ。
家は広いし犬は3匹いるし、食べ物はあふれているし庭にはいろんなフルーツの木があってたくさんの実がなるし、テレビは5台あるし車も4台ある(うち1台は私たちが自由に使っていい)し、ハウスキーパーが週2回掃除に来てくれるし、なんだかもうよく分からないくらい、ラグジュアリーな生活。

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左のコンロ/オーブンのスイッチの数、伝わるだろうか?笑

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私の部屋。ゲスト用のベッドルームが4部屋。

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使われることのないリビング。弾かれることのないピアノ。

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同じく使われることのないダイニングルーム。どっかの博物館みたい...

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庭。

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庭からの眺め。

本当に映画みたいなおうちなのに、使われない、活用されていないものが多すぎて悲しい・・・

WWOOFerの1日は、馬のエサやり、パドックの掃除、夕方に再びエサやり、ウォーカーの掃除、終わり。とても単調だ。

たまたま私が来たのがクリスマス直前で、夫婦は妹夫婦と外食に行ったり、バケーションで1週間不在だったりしたので、その間長期スタッフの子と出かけて楽しい時間を過ごせたが、それがなければたぶん息が詰まっていたと思う。夫婦はクセありで、生活は豊かだけど心が貧しく、何かを一緒にしたりどこかへ連れて行ったりしてくれるような時間もないので、贅沢な、でも刑務所のような缶詰状態になるところだった。

タスクも、決してラクではなく、滞在中丸2週間はWWOOFerが私1人だったため、仕事量は2倍、休みもとれなかった。

「パドックの掃除」、文字にすると簡単だが、広い広いパドックを歩いて回って、糞を一つひとつ拾って手押し車に入れ、決められた場所まで運んで捨てて、というのは思っているよりしんどい。エサやりだけして休むこともできたが、そうすれば当然、翌日には糞が2倍。馬は生きているからね。笑

そんなこんなで、ハードな2週間を終え、夫婦への嫌悪感は増しつつも昨日から新しいWWOOFerを迎え、かなりの負担軽減と目前に控える出発に泣いて喜んでいる。笑

人間はモノでは満たされないんだなってことがよく分かる・・・

もちろん、いいこともあった!

長期スタッフの子と仲良くなれたし、私が来た時に滞在していたWWOOFer、Will の下で働くドイツ人の姉弟たちとクラブで年越したり、滝を見に行ったり、映画を観たり。ハウスキーパーの子とも仲良くなって、いろんな話をした。

楽しみにしていた”馬”についても、新しい発見があった。

これまでも、牧場で馬にさわったり、中学生のときにはサマーキャンプで1週間乗馬体験したり、競馬を見たり(笑)、馬と触れ合ったことのある気でいたけど、そんなのは全然、ただのおさわりだったんだなと。乗馬にしても、インストラクターに従ってちょっとお世話して乗せてもらうだけで、全然ちゃんと馬とコミュニケーションとれていなかった。

1回だけここで馬に乗せてもらったとき、競技用の鞍だったこともあって、その難しさと、思うように指示が出せないもどかしさに面食らった。

エサやりやパドックの掃除中も、当たり前だけど、それぞれ性格があって、日によって機嫌も違って、いろんなことを表現して伝えてくる。おもしろい。

足を踏まれたり、鼻づらで顔をノックされたり後ろ足で蹴られたり、思わしくない触れあいもあったけど、それもふくめてコミュニケーション。(足を踏まれたのはまじで骨折れたと思った笑)

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おかげで「馬と仲良くなる」って新しいBucket List の項目もできた笑
自分の馬を飼うとまでいかなくても、ささっとブラシかけて鞍のっけて一人で乗って出かけれるっていうのがかっこよすぎて...あこがれるう!^^

”農”ある生活の次は、”馬”ある生活、かな。笑
ちょっと考えるところもあるけどね…詳しくは次回。

あと2日!
馬たちとの時間を楽しむぞ~

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