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【良すぎ】2022年上半期に読んで特に良かった5冊をまとめておく

2022年上半期も面白い本をたくさん読んだ。
そのなかで、特に良く感じた本5冊を紹介する。

ネヴ・マーチ著、高山真由美訳『ボンベイのシャーロック』

SNSで告知を見てから、発売をずっと楽しみにしていた。2段組みで547ページとそこそこボリュームがあるが、主人公のジムが善良すぎて応援したくなる(おまけに結構強い。『ゴールデンカムイ』に出られそう)し、ストーリーと謎も破格に面白いのでペロッと読めちゃった。近ごろ激アツなインド・ミステリのなかでも、特に私にはまった話だった(アビール・カムジー著、田村義進訳『阿片窟の死』も良かった!)。たぶん気のせいだけど、ページから香辛料っぽい良い匂いがする。


クワイ・クァーティ著、渡辺義久訳『ガーナに消えた男』

ガーナが舞台という物珍しさに惹かれて買った。主題は、インターネット詐欺と魔術、警察幹部の汚職、大統領候補暗殺など、ガーナの抱える社会問題。ヒリつく場面もあるものの、主人公のエマ(なんとなく「エマさん」と呼びたくなる)の実直さ、エマさんの義弟の問題児ブルーノの可愛げが清涼剤になっている。ガーナといえばカカオと「黄金海岸」のイメージしかなかった私にとっては、いろいろと新しい発見がある本だった。続編があるらしい。嬉しい〜。


莫理斯(トレヴァー・モリス) 著、舩山むつみ訳『辮髪のシャーロック・ホームズ 神探福邇の事件簿』

「ホームズ感」を楽しむために気軽に読んでみたら度肝を抜かれた。香港という舞台が活きまくりなのに加え、純粋な推理ものとしてとっっっっても高品質!! もちろん、ホームズものを読んだことがある人なら思わずにっこりしてしまうようなネタも満載。巻末の原注も面白く、最後まで楽しさが詰まった本だった。全4巻のシリーズとのことで、続きが出るのが楽しみ!


R・V・ラーム著、法村里絵訳『英国屋敷の二通の遺書』

こちらも激アツなインド・ミステリ。「インド発、英国ミステリの香気漂う長編推理」という文句の通り、インドのスパイシーかつミルキーな(?)風土と英国のロジカルさが組み合わさった、なんか良い匂いがするお話だった。エピローグがしみじみとしていて本当に好き。こちらも続編があるとのこと。楽しみがいくつも用意されているのは幸福なことである。


サマンサ・ダウニング著、唐木田みゆき訳『とむらい家族旅行』

『殺人記念日』(映像化するらしい)の著者の新刊とのことで、勇んで買いにいった。不穏がさも当然のような顔をしてそこに在るので、徐々に感覚が麻痺してサクサクと読めちゃう危険な本。前作に引き続き、「正体不明の厭~な感じ」や「牙を剥く異常」をイヤというほど楽しめた。お化け抜きでゾッとしたい人にぜひとも推したいストーリーだ。

まとめ

2022年上半期は、アジアやアフリカなど、ちょっと変わった土地が舞台のミステリをたくさん読んだ(SFもちょっと読んだ。面白かった)。下半期は『優等生は探偵に向かない』や『殺しへのライン』、『The Twist of a Knife』など、一日千秋の思いで待っていたシリーズものの続編がたくさん発売されるとのことで、いまから興奮しきりである。とっても楽しみ!!!

◎文=山﨑



















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