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未来のカラス 14

まるで腐った香水のプワゾンのような
臭いのホームから 2人は離れた。

国立公園までは歩いて2時間ほどかかる。

公園というよりは、自然保護区。

かといって豊かな緑や豊富な動物が
いるようなところではなく、

どちらかというと砂漠に近かった。


喉が乾くと2人は

最後のソーダ水を分け合って飲んだ。


炭酸が体に染み渡った。

2人はもう何日も食事をしていない。


足をひきずるように歩き

破れたTシャツの首元から
Fuck the Peopleのタトゥーが
チラチラ見えていた。


歩いてる間、2人は無言だった。


これは真剣なゲームだった。


ウェッジの銃は最早使い物にならないくらい
くたびれていた。

銃弾を込めても
玉が出ないことが殆どだった。

銃をメンテナンス出来るほど
余裕のある生活ではなかった。


かつてのロシア製の
安物の銃弾と弾を数十発ビニール袋で
10ドルほどで買ったのだ。


弾は2発。

それはどちらかが先に撃つ
打ったあと自分を撃つのだ。

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