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vol.37 冬来りなば春遠からじ【手紙の助け舟】

みなさん、ごきげんよう。喫茶手紙寺分室の田丸有子です。
寒さがひとしお身に沁みるこの頃ですが、いかがお過ごしですか。

24番目の節気

二十四節気は「大寒」(1月20日〜2月3日)に入りました。「大寒」は立春から始まる二十四節気の最後の節気となります。大寒の最終日は節分です。真冬の一番寒い頃ですが、暦の上では翌日から春。冬の締めくくりに鬼を払い福と一緒に春を呼び込むというわけですね。

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大寒の思い出

ところで、みなさんは「びわエキス」をご存知でしょうか。びわの葉をアルコール度数が35度の焼酎につけたもので、鎮痛、殺菌、血液浄化、一説によると抗がんにも効果があると言われています。まさに万能薬。私の友人がそれを手作りしているのですが、虫刺され、擦り傷、切り傷、湿疹の類はびわエキスを塗っておけば治りが早いのだとか。薄めてうがいをすれば風邪も治るし、マスクに染み込まれせば喉の痛みにも効くそうです。とりあえず何か具合が悪い時には薬を飲む前にまずびわエキス。その話を聞いて作ってみたくなった私は、自宅のお庭に立派なびわの木がある友人にお願いしてびわの葉を採取させてもらったことがありました。調べてみると、びわの葉に一年のうちで最も栄養と力が宿るのが大寒なのだそうです。ですから採取も大寒の節入りの日に決行しました。作ったびわエキスは我が家でも大活躍。でも湿布すると傷口がとんでもなく染みて痛いのが難点です。

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雪の表現

この冬は雪の降る日が多い気がしています。ふだん雪の降らない地域でも幻想的な雪景色を見ることができたところも多いのではないでしょうか。

雪を表す日本語もたくさんあります。いくつか挙げてみましょう。

・雪時雨(ゆきしぐれ)…雪まじりの雨が降ったり止んだりしている様子
・細雪(ささめゆき)…細かい雪が降ったり止んだり広範囲に見られる様子
・牡丹雪(ぼたんゆき)…牡丹のように粒の大きな雪
・六花(ろっか)…結晶が六角になることが多いことから雪の別名
・暮雪(ぼせつ)…夕暮れに降る雪
・淡雪(あわゆき)…うっすらと積もる溶けやすい雪
・白魔(はくま)…被害をもたらす大雪
・雪化粧(ゆきげしょう)…積雪した様子
・雪明り(ゆきあかり)…積雪してうっすら明るく感じられる様子
・綿帽子(わたぼうし)…樹木に積もった様子
・垂り雪(しずりゆき)…枝や屋根から落ちる雪
・友待つ雪(ともまつゆき)…次の雪が降るまで溶けずに残っている雪
・忘れ雪(わすれゆき)…その冬の最後にふる雪

いかがでしょうか。情緒ある美しい言葉が多いですね。手紙をしたためる時にもぜひ使ってみてください。

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田丸有子(たまる・ゆうこ)|喫茶手紙寺分室 note ライター
手紙文化振興協会認定 手紙の書き方コンサルタント
子供の頃から「手紙魔」と呼ばれるほどの文通好き。
切手に描かれている美術品や絵画の実物を鑑賞するための美術館巡りが趣味。目下ステイホームで始めたベランダガーデニングに夢中。
blog: CORDIALLY YOURS 手紙魔の手紙物語


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