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何とかなるではなく「何とかする」

「あの頃の俺たちから見たら、一体何色の未来なんだろうね」

これはMORAHAさんの「宿命」で最初に語りの歌詞にある言葉。僕は大学時代にバイト先の有線で流れてきた「革命」という、音楽を聞きMOROHAさんにハマった。

他のアーティストとは違った歌い方をするし歌詞が良い。僕はとっても好きだ。

気になる方は聞いてみてくださいね。

それはさておき、最初に書いてる歌詞を特に気に入ってる。少し僕に当てはめて話を進ませて行く。

「あの頃」とは辛かった高校時代や大学時代、いや、過去にサッカーに携わっていた全ての時間から見る僕。

過去の僕はどんな未来を思い描いていたのか。明るい色なのか暗い色なのか。その時の気持ちや状態によって色は変化していたと思う。

ただ、現在の僕から過去の僕へ対する色は変わらない。

鮮やかで、言葉では表現する事のない僕だけの色である。過去の僕がいるおかげで、未来を僕らしい輝いた色にする事ができるであろう。

ただ、現実は残酷である。突如、困難な状況に出会うし自分自身ではどうしようもない事が起こる。

誰が、今年コロナで世界が混乱すると思っただろう。

コロナが原因で予想もしなかった事が起こってしまっている人達は多い。

僕もそのうちの一人だ。

ー2020年8月30日ー

この日付は僕がチームとの契約が終わる日だ。

そう、数日前に僕はチームとの契約が終わった。僕のプロ生活の1ページ目、いや1段落目が終わった。

僕はこのチームで結果を出して、契約終了後に韓国のチームに移るというプランを立てていた。

タイで契約する決めた理由もこの日に契約が終わるため、後期の韓国のリーグに間に合うのではないかと考えたからだ。

本来であれば、ここのnoteに移籍の話や自分の結果の話を綴っていたのかもしれない。

ただ、現実は違う。プレー出来た試合は2試合。それ以降はコロナが原因で終了。

リーグは10月から開催となった。どうしようもないが、僕は悔しく苦しみながら、ロックダウン期間を耐え今日まで過ごしてきた。

本格的に練習が再開されリーグに向けて僕も気持ちを入れ直し、リーグまで残り約1ヶ月というところで、VISAの更新が出来ない事を8/27日にイミグレに行って知る。

チームマネジャーも監督も僕も通訳もショックを隠しきれなかった。

通訳とマネージャーが書類を6月から用意してくれた事は僕は知っている。別に適当にされてたわけではない。むしろ、凄く動いてくれていて僕は感謝している。

ただ、イミグレから新たな就労VISAの発行をしろで一蹴された。

なぜ、更新出来ないのか皆んな分からない。

8/30日に僕、通訳、マネージャー、監督を含めた会議が行われた。皆んな分かっている。どうしようもない事を。

ただ、どうやってか残れないかという方法を皆で考えていた。僕はこの時間が本当にありがたかった。

特に監督は実績もない僕を取ってくれて、言葉も上手く通じないのに寄り添ってくれていた。加えて、僕が残れる方法を積極的に考えてくれていた。

ここまで、幸せな事があるのだろうか。

だからこそ、僕は結果で恩返ししたかった。

何とか、10月のリーグから試合に出たかった。でも、現実はそんなに甘くない。ドラマのような展開は起こらない。

結果的に方法はあるのだが、コロナが原因でそれは難しい。

仕方ないが僕は日本に戻る

ただ、監督は僕に通訳を通して「ここに戻ってくる気はあるのか」と聞いてきたので「of course 」と僕は直接返した。

監督はタイ語で僕に向かって言葉を発する。「お前が帰ってくるなら、外国人選手は取らないし番号も残しておく」だった。

僕は正直ここまで、評価してくれる人の元でプレー出来ないのは凄く悔しい。

この言葉が例え実現されず、嘘でも良い。この状況だ。僕がすぐタイに戻ってくる事は難しいのは僕も監督も分かっている。

ただ、この人にはいつか恩を返したいとこの瞬間に思った。

タイに来た時の思い描いてた8/30とは違うが、この日はこうして終わった。

色々な景色を見て

気づけば、僕は半年以上タイにいる。ロックダウン期間は物凄く長く感じたが今はあっという間だ。

僕はタイの文化に触れ、タイ人と触れ合う事で僕の人生はより良いものになったと実感している。

タイ人の人柄が好きだ。陽気で親切で、子供や女性に優しく全く怒らないところ。

あと、、、ちょっぴり時間にルーズなのも。

タイにくる時は、タイなんて・・・って思っていたが僕に足りない部分を沢山教えてくれた国である。

「マイペンライ」タイ人が多く使う言葉。僕はこの言葉が好きだ。

個人的に救われた言葉でもある。

意味は「大丈夫、問題ないよ」みたいな感じ。

タイに来た当初わからない事が多く、ミスして謝ると「マイペンライ」と笑顔で言ってくれた。

バイクで2ケツして練習場向かってる時に、バイクが故障して動かなくなり大丈夫かと聞いたら「マイペンライ」と笑いながら素手でバイクを10分くらいで直していた。

驚かされた。

ある程度の悪い状況でも、タイ人は「マイペンライ」と言い「何とかなるだろう〜」みたいな感じでいるし、その状況を「何とかしている」

僕は心配性で何かをする前から、あれこれ考え行動に移さない癖がある。最悪の事態まで考えて行動を抑制してしまう。

ただ、タイ人から「何とかなる精神、なんなら何とかしてしまおう精神」を学んだ。僕に一番足りなかった部分だと思ってる。

これから帰国してその後の事はどうなるかなんて正直一切わからない。

前までの僕なら悩んで考え込んでいただろう。しかし、考えても悩んでも状況は変えれない。

だったら、変えるために何とかする。自分を信じて何とかしよう。

この状況だからこそ、自分次第だと僕は思う。

この国に来て良かったと心からそう思える。

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