はじめて献血を受けた日
このnoteでは、私がはじめて献血を受けた日の出来事を書いていきます。痛々しい描写は一切ないので、ご安心ください。
これは私が高校1年生のときの話です。
ある日、中学時代の男友達2人に呼び出されました。待ち合わせ場所に着くやいなや、こう言われました。
「献血しにいこうや!」
ラーメン食いに行こうぜ!みたいなテンションで言われてもなあと思いましたが、友人の次の一言で乗り気になりました。
「マクドの無料券(数百円分)が貰えるらしい。」
献血の社会的意義に興味はありませんでしたが、マクドの無料券が貰えるとなると話は別です。私は喜んで行くことにしました。
献血は地元にある大きな駅ビルで行われていました。誰でもできるわけではないらしく、刺青が身体に入っている人や妊婦さんはダメみたいですね。幸いなことに、私達3人は刺青を入れていませんでしたし、新たな生命を宿してもいませんでした。
ただ、献血をする前に体調や身体の状況を検査する必要がありました。
検査の結果、友達2人は受けられないと判断され、マクドに釣られた私だけが血を捧げることになりました。献血の量は自分で選択することができるらしく、私はナースさんにカッコつけたかったので、上限まで抜いてもらいました。
献血自体は特に何の問題もなく終わり、その後は暇だったのでカラオケに行くことにしました。献血後にも関わらず、テンション上げ上げでCHEHONの曲を熱唱していました。
2〜3時間盛り上がったところで帰ることにしたのですが、私はフラフラでした。
当たり前の話ですが、献血後に激しい動きなどしてはいけません。上限まで献血していたことが響いているのかもしれません。お母さんくらいの年齢のナースさんにカッコつけていた、数時間前の自分をぶん殴りたくなりましたが、過去は変えられません。
大人しく自転車で帰ることにしました。
帰り道、自転車を漕ぎながら徐々に目も虚ろになってきました。そして、片側3車線の大通りに差し掛かったとき、衝撃の光景を目にします。
おっさんが中央分離帯の上で、下半身を丸出しにして立ち小便をしているではありませんか。
とっさのことに、私はこう思いました。
「フラフラになりすぎて、幻覚まで見えてしまった。」そう思ったと同時に、友人が声を上げました。
「おっさんが立ちションしてる!!」
幻覚ではありませんでした。おっさんは確かに存在し、豪快に立ち小便をしていました。360度どの角度から見ても、おっさんが立ち小便している姿がはっきりと見えたことでしょう。まさしく、おっさんの独り舞台でした。
それがリアルだと分かった瞬間、フラフラしていたのが嘘のように、身体のだるさが吹き飛びました。そのおかげで家までまっすぐ帰ることができました。
あのおっさんは、おそらく誰かに通報されたことでしょう。ただ、唯一私だけはあのおっさんに救われました。
露出狂に救われた、ワイティー16歳の秋の思い出でした。
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