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火曜日の美術館

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さんかく展 【小説】火曜日の美術館

さんかく展 【小説】火曜日の美術館

 本当に久しぶりのギャラリー訪問だ。この「物語」も長い間、更新することができなかった。もちろん、緊急事態宣言下であったことは大きな理由なのだけれど、冬から初夏にかけて寝込んでいたことも、それに拍車をかけた。

 都心へは先月、病院のついでの用事があり出かけたので、電車が久しぶりというわけではなかった。それでも、とても緊張した。ギャラリー訪問の前に薬をちゃんと飲めばよかったな。

 少し上滑りしてい

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「もしかしたらの物語」/「かげおくり」/「THE PARK」を聴く 【小説】火曜日の美術館

「もしかしたらの物語」/「かげおくり」/「THE PARK」を聴く 【小説】火曜日の美術館

今、わたしは比較的調子がよい。理由はいくつかあると思う。ただ、そのうちのひとつは、本来ならば、絶不調に陥らせるような出来事だ。ただ、あまりに素敵なものに出会うと、悔しい気持ちを越えて、伝えなくてはならない気持ちになる。正しさは、分からない。やっぱり涙は流れてくる。それでも、それでも。

「もしかしたらの物語」
夏、7/30-8/10まで、西荻窪にある「URESICA」さんで樋口佳絵さんの個展が行わ

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詩を描く 【小説】火曜日の美術館

詩を描く 【小説】火曜日の美術館

 しばらくの沈黙。わたしは働きに出ることもできなくなって、家に篭っていた。今も絶賛休業中だ。COVID-19のせいではない。持病がずいぶんと悪化している。

 そんな状態になる前にふたつの展覧会に足を運んだ。ひとつ目はnoteで知ることができた、冬野小音さんの『詩のない詩 絵のない絵 展』。とても風の冷たい夜だったけれど、夜の吉祥寺は、今でもやっぱりわくわくする。

 ghostのうごめく様をつぶ

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