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福島駅から電車で1本!飯坂温泉の魅力とは?【福島の温泉後編】

結論:アルカリ単純泉のお湯だけではなく、鉄道、グルメ、お土産も楽しめる。


前編では、いわき市にあるいわき湯本温泉について話しました。いわき湯本温泉は、1000年以上もの歴史がありました。しかし、常磐炭田の開発により、一時期、温泉が出なくなりました。常磐炭田の衰退が始まった頃から、次の一手を打ち、湯本温泉中心の観光事業が実り、街の衰退を防ぎました。

ハワイの雰囲気が味わえる理由は、当時、海外に対する人々の一番のあこがれの場所だったハワイをマネしたからです。

1965年、フラダンスショー、広大な屋内プールを目玉としたスパリゾートハワイアンズを開業し、ハワイの雰囲気を街にも積極的に取り入れていきました。湯本温泉は、現在では、ハワイを中心とした福島県有数の観光地となりました。詳しくは、こちらをお読みください。

後編は、福島市にある飯坂温泉に行った話をします。

飯坂温泉

特徴

福島市の西側に、吾妻山、安達太良山など火山がそびえており、それらの火山活動によって温泉が湧きます。

源泉が複数あり、9つの共同浴場によると、45~70℃。無色透明で弱アルカリ性単純泉です。硫黄のかおりが一切しません。

神経痛、筋肉痛、関節痛、疲労回復などの効果が期待されます。

歴史

飯坂温泉は、東北地方有数の歴史のある温泉。2世紀頃には日本武尊が東征のとき、1689年には松尾芭蕉が宮城県の松島へ寄る途中に立ち寄ったとされています。宮城県の鳴子温泉、秋保温泉と並び、奥州三名湯とされています。与謝野晶子、ヘレンケラーなど偉人も訪れています。

飯坂温泉へ行ってきた

福島駅から福島交通飯坂線へ乗る

福島駅で降りて、東口にある駅ビル「S-PAL福島」の1階をマツモトキヨシの方向へ進むと、福島交通飯坂線、阿武隈急行線福島駅があります。福島駅〜飯坂温泉間を1時間に2〜3本、福島交通飯坂線の終着駅です。どちらも、キーホルダーなどオリジナルのグッズが販売されていました。

福島交通飯坂線と阿武隈急行線はホームが隣同士の関係にあります。券売機も隣同士にあります。しかし、福島駅を出ると、福島交通飯坂線は北西方向(時計で言う11時の方向)、阿武隈急行は北東方向へS字のように曲がりながら宮城県へ入ります。お互い離れ離れになります。

福島交通飯坂線、阿武隈急行線の詳しい話は、また別の機会で話します。

飯坂温泉に行くなら利用したい!3種類のオトクなキップ

福島交通飯坂線では、3種類のオトクなキップがあります。

1.一日フリーきっぷ

中学生以上800円。1枚買うだけで、小学生1人、小学生未満2人まで一緒に利用できてしまいます。家族連れ、兄弟姉妹だけでも800円で利用できてしまいます。さらに、沿線のお店で利用できるオトクなサービス、飯坂温泉にある9つの共同浴場に1回入浴できます。

2.花ももフリーきっぷ

飯坂ホテル聚楽の日帰り温浴施設「いいざか花ももの湯」入館券+飯坂電車1日乗り放題。課金すれば、ランチバイキング、ディナーバイキングも楽しめます。1枚買うと、小学生も一人、乗り放題は利用できます。しかし、温泉は追加で入館券を買わなければいけません。

3.飯坂温泉湯ったり切符

飯坂電車1日乗り放題+飯坂温泉20軒の温泉旅館・ホテルの入浴券+福島片岡鶴太郎美術庭園の入場割引券。温泉街をゆったり満喫したいときにピッタリです。

今回は、共同浴場で入浴したかったため、1.一日フリーきっぷを利用してオトクに楽しみました。

福島駅~飯坂温泉駅間は、通常、片道370円かかります。飯坂温泉の銭湯は入浴料が300円ですので、370x2+300=1040円。一日フリーきっぷを買うだけで、240円おトクに楽しめます。

飯坂温泉駅に降りた

福島駅から出発して23分で、飯坂温泉に到着します。飯坂温泉駅は、温泉街の雰囲気に溶け込んでいました。

飯坂温泉街を流れる摺上川スリアゲガワと支流の赤川の両岸に、さまざまな旅館が軒を並べていました。

波来湯で入浴

飯坂温泉には、歴史ある鯖湖湯、飯坂温泉駅の最寄りの波来湯など、共同浴場が9軒あります。今回は、波来湯へ行きました。波来湯は2011年元日にオープンし、歴史は浅いです。バリアフリーを取り入れつつ、昔からあるような建物の雰囲気でした。

訪れたのが、三連休中日の日曜日だったためか、入場制限がかかるほど栄えていました。15分ほど待ってから入浴できました。

いわき湯本温泉と似ている点

源泉かけ流しの45℃の熱湯、入浴しやすいように水を加えて調整した42℃の湯舟がありました。(共同浴場には、熱々のお風呂しかないこともあります。)熱々のお湯は、地元の方は慣れており、すんなり入っていました。

浴室内、脱衣所は、こじんまりとしていて、シャンプー、ボディーソープはありません。300円課金するとタオルのレンタル、シャンプー、ボディーソープが付いてきます。

飯坂温泉で名物土産を買った

ラジウム玉子

新鮮な卵を飯坂温泉に浸けて作る温泉玉子です。飯坂温泉の4店舗で販売されています。飯坂温泉駅から最も近い販売店は、阿部留商店です。ラジウム玉子は、阿部留商店が発祥といわれています。阿部留商店は、元々、八百屋さんでした。

2代目店主が大正時代、飯坂温泉の名産品を作りたく、飯坂温泉に当時、高級品だった卵をつけて30~60分ほど放置すると誕生しました。源泉が低いため、長時間、温泉につけても、ゆで玉子のように完全に固まっておらず、温泉玉子のように半熟になっていることを発見しました。

ちなみに、玉子は、黄身と白身でタンパク質が異なります。白身は、オボアルブミンを主体とするタンパク質が10%、水分85%~90%で構成されており、58℃で固まり始めます。70℃までは、まだ流動性があり、殻を割ると、ぼとっと落ちます。70~80℃で流動性を失い、完全に固体に変化します。

一方、黄身はリボタンパク質を主体とするタンパク質が33.5%、水分50%、脂質16.5%で構成されており、65~70℃で固まります。

温泉玉子は、白身、黄身の固まる温度の差を利用して作られます。

飯坂温泉の源泉の温度は、源泉によって異なり、45~70℃です。65~70℃の源泉を利用することによって、白身は流動性を保ちつつ固まり、黄身は固まり始める温度帯をキープできます。飯坂温泉の源泉に1時間程度つけるだけで、黄身は濃い黄色を保ちつつ、カスタードのような滑らかさ、濃厚さを感じ、白身は固まっていますが、流動性が保たれていました。理想の温泉玉子だと言えます。

飯坂温泉から、1910年、日本で初めてラジウムが見つかりました。当時の店主は、地元の医師からラジウムの話を聴いて、「元祖ラジウム玉子」として販売されました。。

ラジウム玉子は一個90円で1個から販売されていました。写真の赤のほかに、黄色、青の3色並べると信号機のような包装紙のデザインがシンプルなのに惹かれます。トートバック、Tシャツもあります。パックに入れられて販売されており、お土産にもピッタリです。

玉子ボーロやイカにんじんなど、ラジウム玉子だけではない、飯坂温泉土産を買うことができます。支払い時は、現金だけではなく、Paypayも利用できます。

しっかり冷やされた状態で販売していました。玉子を割り、容器に落として出汁醤油をかけて食べます。だし醤油を持ってない方は、5円課金してください。お土産にもピッタリです。

たまごかけご飯にしても、美味しいと思います。欲を言えば、できたての温かい状態で食べたいです。

飯坂温泉の有名店、餃子の照井へ行った

円盤餃子

1953年創業の餃子の照井で食べました。開店前から行列ができていました。餃子の照井は飯坂温泉の中で老舗。創業者が満州で過ごしたときに食べた餃子の味を再現できないか?と試行錯誤して、誕生しました。

円盤餃子は2人前のため、半円状の円盤餃子をいただきました。注文を受けてから包み、円盤に並べられ、たっぷりの油で揚げ焼きします。焼かれた餃子は、浜松餃子を彷彿とさせます。しかし、浜松餃子に見られる茹でモヤシはなく、餃子のみです。フライパンの上できれいに円盤状に並べられ、焼き上がりとともにひっくり返します。

皮は、2つの食感があり、焼いた面はサクサクでパイみたいです。蒸された部分は、もっちり。

中のあんは野菜が多く、さっぱりしていました。ニンニクが入ってないため、ニオイが気になりません。1人前をぺろりとたい上げられます。

イカ人参

福島市のある県北部では、お正月に欠かせません。細く切ったスルメを酒に浸して戻し、醤油、みりんなどで味付けして人参と和えた料理です。醤油の濃いめの味つけでご飯に合います。かき揚げ、炊き込みご飯にも入れられることもあります。

元々、冬の保存食として作られていました。見た目は北海道南部発祥の松前漬けに似ています。しかし、昆布を入れないため、粘りはありません。松前漬けの元となった説、松前漬けを元に作った説があります。

ラーメン、ご飯もあり、町の定食屋さんの雰囲気でした。

2回にわたって福島県の温泉について記事にしました。駅を降りると目の前に広がる温泉街もちがえば、温泉につかってみて、温泉のちがいを感じました。身体が温まり、翌日に残る疲労感もちがいます。

寒い今の時期に温泉を巡ってはいかがですか? 

参考文献


https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/1809/pdf/1809_all.pdf


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