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第7回 「お金」はどうやって生まれてるの?

私たちがいつも目にしているお金はどのように発行されどのように私たちの手元に届いているのでしょうか。

日本銀行で紙幣を刷っているだけではありません。ただの紙切れが紙幣に変わる流れをみていきましょう。

1.日本銀行券は「借用証明書」


日本銀行が発行している紙幣は「日本銀行券」と呼ばれます。実はこれは日銀内部の帳簿では借金にあたり、「借用証明書」と呼ばれるものなのです。

一般の銀行は日本銀行から借金することができます。このとき、銀行は借金の担保を日銀に渡します。担保となるのは、銀行がもっていた国債や社債、手形などです。日銀はこうしたものを担保にして一般の銀行にお金を貸します。このとき、日銀が紙幣を発行したことになります。

これは逆に見れば、日本銀行が一般の銀行から国債や社債、手形を借りたと考えることもできます。

日本銀行が世の中に出回るお金の量を増やそうと考えると、一般の銀行がもっている国債を買い上げます。このときも、かわりに紙幣を渡しこれによって紙幣が発行されたことになるのです。

実は、第二次世界大戦前までは、国が借金をしようとして国債を発行すると、それを日本銀行が買い取る仕組みがありました。政府はそのお金で戦費をまかなっていたのです。つまり、国債を発行すればするほどお金の価値が下がりインフレが起きます。

1930年代日本は大変なインフレを経験し、戦後は政府が発行した国債を日本銀行が直接引き受けることは原則なくなりました。

2.日本銀行は最後の貸し手


日銀は一般の銀行に担保をとらずに資金を貸し出すことがあります(日銀特融)。これは、銀行や証券会社などが経営危機に陥った時、パニックを引き起こさないようにするために発動されます。

「日銀がいくらでもお金を貸してくれる」と知れば、問題の銀行にあわてて押しかけて預金を引き出すという取り付け騒ぎを回避することができるのです。この場合日銀は、紙幣をせっせと印刷し、問題の銀行に運び込みます。(最後の貸し手)

3.どこでも通用する日本銀行券


法律で「日本銀行が発行する日本銀行券は、日本国内ならどこでも誰でもお金として認めなければならない」と決まっています。

明治時代には、各地の銀行が独自に紙幣を発行していたことがありました。いつでも金と交換すると書いてある兌換紙幣です。各銀行は持っている金の量だけ紙幣を発行することが出来ました。

しかし、倒産する銀行が出て金融不安が広がるようになったので、明治政府は紙幣を発行できるのは日銀だけでであると定めたのです。

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