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第6回 日銀って結局のところ何をしているの?

よく経済ニュースの重要な局面に出てくる日本銀行ですが何をしているのでしょうか。知っているようであまり知らない日銀の役割。

中学校の社会で習った内容や、日本経済との関りについてみていきましょう。


1.「銀行の銀行」

銀行そのものがお金を預金したり、借りたりするところが日本銀行です。日本銀行は銀行などの金融機関だけを相手にして日本国内のお金の流れをコントロールしているため、「銀行の銀行」と呼ばれています。

一般の銀行は、日本銀行に口座を持っていて、この口座に資金を預けておきます。これを「日銀当座預金」と言います。預ける金額の最低額は日銀が決めており、一般の銀行は日銀当座預金を利用することでさまざまな決済を実行しています。

ただし、利子はほとんどありません。しかし、銀行の資金が足りないときは、この口座を使って日本銀行からお金を借りることが出来ます。また、銀行が別の銀行にお金を送る時も、日本銀行の口座を使います。


2.日本銀行は特別な法人

日本銀行は日本銀行法という法律で設立された法人(許可法人)で、全国に約4600人の法人の職員がいます。職員は公務員ではありませんが日銀法により、公務員と同じ扱いを受けています。

また、日銀は紙幣を発行しており「発券銀行」と呼ばれています。また日本政府が国民から集めた税金は、日銀の口座に預けられ、政府の金庫の役割も果たしており、「政府の銀行」としての役割もあります。


3.日本のお金をコントロールする

日本銀行は、日本国内で金融機関が資金を貸し借りする金利の水準をコントロールする仕事もしています。この水準となる金利のことを「政策金利」といいます。かつては「公定歩合」を上下させて金利を調節していましたが、いまは銀行の金利が自由化されたので政策金利によってコントロールしています。

一般の銀子は国が発行した国債を大量に保有しており、日本銀行がこの国債を買い上げると、銀行には日銀からお金が入ります。

銀行の手元に大量の現金があれば、銀行同士の短期間のお金の貸し借りの金利が下がります。この金利をどの程度にするか、日銀が決める目標を政策金利と言います。

金利が下がれば、銀行はお金を借りやすくなり、お金を借りたいと思っている人や会社に低金利でお金を貸すことが出来るようになります。すると、銀行からお金を借りる会社が増え、新しく工場を建てたり、従業員を雇って仕事を拡大したりするので景気がよくなるだろうと考えられています。

逆に景気が過熱してくると、日本銀行は持っている国債を一般の銀行に売ります。そうすると銀行間の貸し借りの金利が上昇し、企業や個人は銀行からお金を借りると、これまでよりたくさんの利子を払わないといけなくなります。こうして景気の過熱を防ぎます。日銀は、政策金利の目標を定めて景気をコントロールしています。

以上、大まかな日銀の役割について説明させていただきました。


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