第4回 消費者の心を掴むマーケティング
第4回の今日は消費者の心を掴むマーケティングについて進めていきます。
目次 1.顧客の期待を満たす
2.「期待」を上回る
3.顧客生涯価値
4.情報の共有
5.「信者」をつくりだす
6.個人のライフスタイル
7.購買意思決定の4つのプロセス
8.「感情」を動かす
9.様々なマーケティング手法
1.顧客の期待を満たす
顧客満足・・・購入した製品やサービスが顧客の期待を満たしていることであり、その期待をどのくらい満たしているかで顧客満足度の高さが決まる
顧客価値=顧客を創造できる価値・・・顧客が得るものと失うモノの相関関係から生まれる
セオドア・レビット
「企業は顧客満足と顧客の創造のための有機体であるべき」
「ドリルを買いに来た人が欲しいのは、ドリルでなく穴である」
2.「期待」を上回る
期待不確認モデル
顧客満足=顧客が感じた価値(P)-事前期待値(E)
「P>E」なら満足 「P<E」であれば不満を意味する
「本質機能と表層機能の双方が顧客と一致した時顧客は満足する」
本質機能・・・顧客がその製品やサービスに最初に求める機能
表層機能・・・価値を付加する機能
3.顧客生涯価値(ライフタイムバリュー、LTV)
LTV・・・一人の顧客がどのくらい購入してくれるかの指標で、極めて重要
=年間取引量 × 収益率 × 取引継続年数
→長期的な信頼関係を気付いていくことが大切
・新規顧客の獲得コストは、既存顧客を維持するコストの5~10倍
・製品やサービスの顧客がいかに自社のファンになってもらうか
4.情報共有をして得意客を得る
CRM(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)
・・・顧客情報をデータベース化して、顧客と接する全部門と情報を共有することで、個々の顧客にきめ細かい対応を行うという取り組み
①顧客の年齢や性別、居住地などの基本データ
②趣味、嗜好などの個人情報
③過去の購入情報・利用状況、購入した動機や好み
④問い合わせや苦情 など
5.熱狂的な「信者」を作りだす
ロイヤル・マーケティング
・・・金銭的還元(ハードベネフィット)や特権の提供(ソフトベネフィット)
→顧客ロイヤルティを高める
・金銭的な還元やイベントへの招待など特権の提供
・ブランディング:ブランドイメージの向上
6.個人のライフスタイルに注目
ライフスタイル・マーケティング
・・・経済環境や人間の心理を基に消費者を分類したもの。「自己実現者」「成功者」「成功願望派」「社会 良識派」「知性派」「若手知性派」「集団帰属者」「生活維持者」「生活困窮者」の9つ。
AIO:ライフスタイルの分類の基準のようなもの
→ 対象者のライフスタイルを導き出す
活動(Action) 関心(Interest) 意見(Opinion)
7.購買意思決定の4つのプロセス
ハワード=シェス・モデル
・・・消費者がどのようなプロセスで製品やサービスの購買を決定するかを示したもの
⇓購入決定までのプロセスとパターン
4つのプロセス(S-O-R)モデル
1情報のインプット:刺激
2知覚構成概念:生活体情報の処理
3学習構成概念:生活体購入の意思 決定
4アウトプット:反応
3つのパターン
・拡大問題解決
今まで使ったことも買ったこともない商品を購入する場合
・限定的問題解決
自分が本当に欲しいものか確認する意味での情報検索・収集
・日常的反応行動
いつも買っている商品を買う場合のすみやかな購入意思決定
8.「ニーズ」ではなく「感情」を動かす
経験価値マーケティング・・・自分たちの感覚をときめかせて、感情を揺り動かし、心を刺激するような経験価値が消費活動を左右するという考え
結果価値・・・商品デザインや高級感の演出などニーズを満たすもの
経験価値・・・商品やサービスを利用することで得られる感動や喜び、満足感といった心理的・感覚的価値
◯5つの経験価値
①SENSE(感覚的経験価値)
視覚・聴覚・嗅覚・ 味覚・触角の五感 に訴えかける
②FEEL(情緒的経験価値)
ブランドに愛着を抱いたり、感情移入したりできるよ
うな訴え
③THINK(創造的・知的経験価値)
顧客の知性や好奇 心に訴えかける
④ACT(肉体的経験価値)
新たなライフスタイルを提案し、行動を誘発する
⑤RELATE(準拠集団 や文化との関連付け) 顧客が属したいと考えるグループ・文化などと結びつけて製品やサービスを訴求する
9.さまざまなマーケティング手法
◯コンテクスト・マーケティング・・・顧客の置かれている状況からニーズをとらえるマーケティング
Googleのアドワーズ広告:閲覧している人が興味を持ちそうな広告を表示するもの オフィス・グリコ、駅に置かれアイスの自販機等
◯ゲリラ・マーケティング ・・・中小企業向けの手法で少額の予算で効果的に製品やサービスを宣伝することが出来る
「フラッシュ・モブ」、街頭での商品のプレゼントなど
◯スポンサーシップ・マーケティング ・・・オリンピックなどの大きなイベントのスポンサーになることで自社や自社製品を多くの人に伝えるもの。
競技場の看板広告や、ポスター、ユニフォームなどに自社のロゴや製品を載せることでたくさんの人に宣伝する
◯プロダクト・プレイスメント
・・・映画やTV番組の中で企業の商品やロゴなどをさりげなく登場させて視聴者にアピールする手法
→テレビCMとは違って早送りされないメリット
次回第5回は最新マーケティング理論についてです。
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