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今、「メンターサービス」を始めた理由

はじめまして、Techmate(テックメイト)を運営しているマインドテック株式会社代表取締役の久場と申します。
テクノロジースキルに特化したメンターサービス「Techmate」は構想から約2年を経て、2022年5月にようやくβ版をプレリリースすることができました。
このタイミングで、Techmateを構想してからここまでの自分自身の想いをまとめておきたいと思います。

経済を循環させるコミュニティを作りたい

私は2016年に独立してからずっと、主に大企業からお仕事をいただいて、DX/AIのコンサルや教育研修事業を行ってまいりました。もちろん企業のDX/AI推進をお手伝いさせていただくことは、IT後進国と言われる日本において、とても意義のあることですし、やりがいもあります。

しかし同時に、DX/AIに仕事を奪われていく人たち、そして、そもそも、仕事を通じてこのようなテクノロジーに触れることのできない人たちは、今後どうなっていくんだろうと感じるようにもなっていきました。

実際、お手伝いしている会社のAIプロジェクトで、決して少なくない数の方々の仕事がテクノロジーに置き換わっていく現場もありました。これは、時代の流れで仕方のないことではあります。しかし、テクノロジーに関わるものとして、そしていち人間として、ただただ企業のDX/AIを加速させることだけに違和感を覚え始めるようになっていったのも事実です。

ちょうどその頃、菅政権が政策理念として「自助・共助・公助」を掲げていました。しかし、高度経済成長期ならまだしも、経済が回っていない中では個々人が「自助」だけで頑張ることは難しく、情報格差、経済格差がどんどん広がっていくのではないかと感じました。

また、これまでの資本主義の中では会社という枠組みが「共助」として成立していましたが、終身雇用を撤廃したり早期退職を募る会社が増え、経済活動とライフワークが成り立たなくなってきています

会社という経済活動を伴う「共助」の仕組みが機能を失っていく中で、何の為に「会社」があるのか、何の為に「事業」をやっているのか?自分自身の事業に対して、自問自答するようになっていきました。

そのような流れの中で、少しずつ、公助やNPO的な活動だけでは実現できないことを事業を通じてやろうと思うようになって行ったのです。辿り着いた答えが、経済を循環させる「コミュニティ」を作りたいという想いでした。そして必然的に自分達の事業でも「コミュニティーソリューション」をやるべきだという気持ちが出てきたのです。

「2025年の崖」問題が迫っており、DX/AIという流れの中でスキルチェンジが起こっている今、会社をまたいでITに対して知見がある人とない人を繋げ、スキルと経済が循環するコミュニティを作ろう、それが私たちが「会社」という社会のインフラとしての役割を通じて、「事業」としてできることだと思いました。

私は幸いサイバーエージェントという会社や様々なITベンチャーで最先端のスキルに触れる機会が多く、教えてくれる先輩たちも身近に大勢いたので、躓いた時に頼ることができたのです。しかし、そういった環境にいる人は少数で、ただでさえ複雑なITの世界に飛び込んでも、躓いてしまう人が大勢いるのが現実です。

であれば、私がかつて先輩たちに助けてもらったように、すでにスキルを持った方と、これからスキルを身につけたいという方をつなげてあげたいと思うようになりました。

こうして「スキルのアップデートをコミュニティーソリューションで解決する」というTechmateの構想ができあがりました。

どうしてメンターサービスなのか

ではなぜスクール等ではなく、メンターサービスを選んだのか。それは、自分の経験から、人の経験に勝る学びはないと思うからです。

この教育業界に関わるようになってから、学びの世界にある「カリキュラム」には違和感を持っていました。勉強の入口としてはいいのですが、実際に何かを作ろうと思ったときに、どうしても足りないのです。「守・破・離」の「守」までしか行くことができないのです。

今はもうモノの時代ではなく、体験性に経済価値がある時代です。だったら教育も「カリキュラム」的なモノ売りではなく、「人の知見そのもの」が価値になっていくのではないかと、感じたのです。作りたいものや案件があるから勉強して、それが身につき、結果、誰かに教えられるようになっていく。そんな人の価値をベースにした循環をTechmateを通じて生み出して行きたいと思っています。

「守」まで連れて行ってくれるサービスは、eラーニングやスクールを始め、世の中にたくさんあります。ですのでTechmateは「破・離」に拘りたいと思っています。先輩やメンターが必要になってくるのは、この段階だからですし、世の中にそのような機会やサービスがまだまだ少ないと思うからです。Techmateのメンターは、現場の最前線で活躍する現役の方々で、その人の経験や知見にものすごい価値があります。

では、「破・離」まで辿り着くためにはどうしたら良いでしょうか?
それは、スキルの出口を作ることです。自分は何を作りアウトプットしたいのか?をまず決めて動き出すことです。これが実は勉強の一番の近道なのではないかと思います。

実際に、私も今はDXやAIについて教える立場ですが、一人で勉強だけしてそうなったのではありません。作らなければならないもの、作りたいもの、実現したいことができて、そのためには手段としてITスキルが必要だったので、勉強し、勉強しても分からないことが出てくるので、知見者である先輩にアドバイスをもらい、何かをアウトプットしながら、同時進行でスキルを身につけて行ったのです。

これからITスキルを身につけたい、IT業界に転職したいと思っている方はまず、社内でプロジェクトや作りたいものを起案してみてください。プライベートで作るものを決めても良いと思います。最初は人からの要請でも構いませんし、逆にそれはスキルを身につけるチャンスとも言えます。スキルは手段でしかありません。

やりたいことや案件が決まったら、(既にプロジェクトをお持ちで、今スキル不足で困っている方も)ぜひ経験者の人を見つけて聞いてみてください

それをやり遂げたとき、既にスキルが身についているはずです。

チームで仕事ができるコミュニティに

Techmateの名前の由来

星などの評価で成り立つ、勝ち組負け組が生まれてしまうマッチングやコミュニティが増えていますが、Techmateには競争評価の仕組みを取り入れる予定はありません

他人との競争ではなく、クラスメイトのようにお互いの成長を願う場であり、Techmateでメンターに教わった人たちが、今度はメンティーに教える側として戻って来るような、教わり教えてのギブアンドテイクが循環する場がTechmateです。

そして、Techmateがひとつのジャンルに絞らず、DX/AIプロデューサー、AIエンジニア、データサイエンティスト、フロントエンジニア、バックエンドエンジニア、WEBデザイナー、デジタルマーケターと多ジャンルに対応しているのは、チームで仕事ができる出口を作っていくためです。

スキルアップだけではなく、Techmateでつながった人たちが会社をまたいで新しいプロジェクトを生み、チームで仕事ができるコミュニティを作り、そして経済を循環させていけたらいいなと思っています。

人間らしく生きて人間らしく仕事して。
人とつながる仕事を、Techmateの皆さんと一緒に楽しんでいけたらうれしいです。

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徐々にではございますが実績も増えてきております。
まだまだ最初の一歩を踏み出した段階ではありますが、皆さまからフィードバックをいただきながらこれからも丁寧にサービスを作ってまいります。

Techmate
https://techmate.jp/ 


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