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実況! ビジネス力養成講義 ファイナンス

書名:実況! ビジネス力養成講義 ファイナンス
著者: 石野 雄一
出版社:日本経済新聞出版
発行日:2021年2月16日
読了日:2021年2月21日
ページ数:286ページ
2月 :6冊目
年累計:10冊目

付箋数【18】
ファイナンスの本は何冊も読んできたけど
これは非常にわかりやすい。
帯に”最強の入門書”とあるが、その通りである。

著者自身が銀行員時代に簿記3級を2回落ちていて
簿記3級合格は諦めている事。
でも、銀行退職後にMBA取得されています。

学びが多すぎて全部記載できませんが
超ざっくりにこんな感じです。

・会計は「利益」を扱う
・ファイナンスは「現金」を扱う
・会計は「過去」
・ファイナンスは「未来」
・戦略とは”優先順位”を付ける事
・決断とは”断つ事を決める事”
経常利益は”日本の会計基準にしかない”
・営業CFはマイナスになる事もありえる
・企業は株主のもの"Your company”
・投資はアウトプットだけでなく、インプットも大事
・利回り=アウトプット/インプット
・リスクフリーレートとリスクプレミアムの関係
・同じ会社への投資でも株式と社債の違い
CAPMは株主資本コストを導く方法
WACCは加重平均資本コスト
・デットには節税効果がある
ROIC>WACCを目指す必要がある。
無借金経営が必ずしも良いとは限らない
(負債コストより高い株主資本コストで資金調達しているため)
IRRは預金の運用利率と考えて良い
ハードルレートは投資を実行するのに最低限必要な収益率
・IRR法は投資の優先順位付けには使えない

この本のポイントは「BS」が重要と説いている事。

私は決算書を読む際に「PL」に注目してる事が多かったです。
どれくらいの売上があり、営業利益が出ていて
最終損益はどの程度あるのか?
非常にわかりやすいですよね。

でもBSは資産・負債・純資産の中で
どこに着目して良いかがわからなかったです。

結局、会社が利益をあげたとしても
実際、それはどれくらいの資産を元手に
利益をあげているのか?
ここが肝ですね。

それがわかる!のがこの本の良いところです。

IRは投資家向け広報ではなくて、WACCを下げる事

私はこの認識が全くなかったです。
企業側にとってはリスク認識を下げる事で
投資家の要求収益率(WACC)を下げる事ができる。
つまり、企業からするとキチッとわかりやすく
説明して投資家の不安を払拭する事で
資金調達が容易になるという事ですね!

この視点すごく勉強になりました!

格付けは企業の総合力を表している訳ではない

格付けは株主ではなくて債権者の立場でされている。
「債権者の立場から企業の債務償還能力を分析評価している」
社債(デット)に格付けする。
影響を及ぼす指標の1つが自己資本比率。
つまり、この比率が高いほど良い格付けになる。
デットが少ない、WACCが高いことになる。

企業価値の観点からは必ずしも良いわけではないですね。

でも、格付けが低過ぎてもリスクプレミアムが上昇して
負債コストが上がり、WACCも上がってしまう。

やっぱりバランスが大事ですね。

AAAよりもAくらいが良いのかなって思いました。

IRR法は、フリーCFをIRRで再投資できる前提

こうした事はIRR法に限らず
ある条件下での場合なので理論値ですよね。
プロジェクト期間中に同じIRRで再投資を続けられる
そんな投資機会が続くか?という視点が大事ですね。

その他にもFCFやCCCなども
たくさんのサンプル、事例を元に
わかりやすく説明されていて理解が深まりました!



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