Xテック「海外現地法人×IT」


今日は、Xテックの中でも、「日系海外現地法人×IT」というテーマについて書いてみようと思う。

前回Xテックについて書いていくことを宣言し、まずは各業界×ITについて書いていこうと思っていたが、たまたま見た本が、海外現地法人のDXについて興味深い考察をしていたので、ここでアウトプットしたい。

Noteを続けるためにもこれくらい自由なスタイルで書いていこうと思う。

ここで言う日系現地法人とは、日系のメーカーや商社が、日本人駐在をCEO,CFO等の経営層として派遣し、現地採用の社員を雇い運営している、海外の子会社のことを指している。

少子高齢化の影響で、日本国内市場は飽和状態なので、今後ますます日系企業の海外売上は増えていくだろう。

ところが、海外現地法人のマネジメントに関して、いくつかの問題が提起されている。


多くの日系企業が、日系企業独自の企業文化をそのまま海外に持ち込んでおり、文化の異なる現地採用の社員のポテンシャルを引き出すことが出来ず、海外ビジネスが中々成長しないという事態が発生している。

よく言われる理由としては、「現地採用の社員=安い労働力」という意識が、現地採用の社員のポテンシャルを引き出す環境整備の妨げになっているというのが挙げられる。

本記事では、海外現地法人のマネジメントに生じている問題と、解決策について書いていきたいと思う。


何が課題なのか?

①業務の俗人化・ブラックボックス化

日系企業では、職務を明確に定義せず、OJTを中心に暗黙知を引き継ぎ、社員が個別に工夫改善をしている。また、会社としてもそれを是とする企業文化が存在する。

しかし、日系企業は、駐在員を派遣する海外現地法人においても、同様の仕組みを導入しており、このことが問題を引き起こしている。

日本では終身雇用が前提の企業も多いため、暗黙知の引継ぎでも業務の質はそれほど低下しないかもしれないが、転職が盛んで人材の流動性が高い海外では、暗黙知の引継ぎが行われず、品質の低下位に繋がってしまう。

更に、品質低下の原因が「現地採用社員の能力不足」と判断されてしまい、現地採用社員の業務がオペレーションばかりになって意欲が低下⇒転職する⇒品質低下、という負のスパイラルに陥ってしまう。

➁中途半端なシステム化

業務に必要な情報システムは、全社共通のものを除き、現地法人にゆだねられることが多いが、現地法人ではシステム化に割けるリソースノウハウが限られている為、大規模なシステム化が進めにくい。

そうなると、「人件費は安いからわざわざシステム化せずとも現地採用社員の手作業に任せよう」との判断が下され、①同様、現地採用社員の業務がオペレーションばかりになって意欲が低下⇒転職する⇒品質低下、という負のスパイラルに陥ってしまう。

➂経営陣に現地採用の社員がいない為、市場ニーズをつかめないこと。

昨今の、VUCAと呼ばれる不確実な時代においては、市場ニーズ等の変化が速く、各企業対応を迫られているが、経営陣に、現地市場や文化に精通した現地採用の社員がいないと、絶えず変化する市場ニーズをキャッチアップしていくことが出来ない。


どう解決するのか?

解決策としては、RPAの導入が現実的だと考える。

業務が俗人化していて、社員の転職によって品質が下がるのならば、そもそもの業務を自動化すればいい。また、そのためには現状の業務を可視化する必要がある為、無駄な業務の削減にもつながるだろう。

また、一般的なシステム導入と比べると、RPAは手軽で、現場の力で導入が可能である為、最後までやり抜くことが出来る。

RPAによって従来現地採用の社員が担当していたオペレーション業務が自動化されることで、現地採用の社員により高度な業務が任せられ、意欲の低下を防ぐことが出来るだろう。

そして、RPA導入による業務の自動化・現地採用社員の意欲向上を実現させた暁には、社員一人一人に「自分たちで変えていける」という意識の変化と、自信が芽生え、今後の変化や競争の激しい市場を生き残るための活力を与えてくれるだろうと考えている。

以上。




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