クロステック

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最近の記事

ブロックチェーンを活用したビジネスモデル

ブロックチェーン導入のメリットは、主に「コスト削減」「セキュリティの高さ」の2つである。 ①コスト削減 ⇒情報の正確性が担保され、かつ可視化されるが故に、あらゆる業務が高率化される。(例)与信の自動化 ➁セキュリティの高さ ⇒従来の情報管理体制とは異なり、特定の管理者が不在で、ネットワーク上 全員で分散管理する。それ故、ハッカーが攻撃の的を絞れずにセキュリティの高さが担保される。 この2つに代表されるメリットを享受すべく、ブロックチェーンは様々なビジネスに応用されている

    • ブロックチェーンの仕組み

      ブロックチェーンとは?コンピューター上に分散型台帳を作る技術のこと。 台帳とは、会社で使用されている「会計帳簿」や、私達市民の「住民基本台帳」等と同様のもの。つまり「大切な~~の情報を記しておくノート」のことである。 分散型について、通常の帳簿等の台帳は責任者が管理する。 しかし、ブロックチェーンは基本、特定の管理者がいなくても使用可能であり、ネットワークに参加している全員で情報を管理する。 例えば、「XからYへの送金」という取引が発生したとする。その時、この取引に関わる

      • 「ゲノム編集×医療」~立ちはだかる技術的・倫理的課題~

        ゲノム編集の医療への応用は既に進んでいる。 しかし背景には、ゲノム編集の失敗によって人の生命を脅かす可能性がある等「技術的課題」と、人間の設計図である遺伝子を操作することに対する「倫理的問題」が存在する これら2つの問題について考察していきたい。 技術的課題①病気の遺伝子情報の解析が必要そもそもゲノムとは、英語の「gene=遺伝子」と「ome=集まり」を一緒にした造語で、あらゆる生物が持つ遺伝子情報全体を意味する。 そして、ゲノム編集治療は、遺伝子の集まりであるDNAを

        • 「ゲノム編集×医療」~DNAを手術する時代の到来~

          ゲノム編集に期待される医療への革命 2020年10月、「DNAのメス」とも呼ばれるゲノム編集は、ノーベル化学賞を受賞した。 ゲノム編集は、生物の設計図とも呼ばれるDNAを、まるでワープロのように一文字一文字書き換える画期的な技術である。農作物への応用は有名だが、既に医療分野への応用も進んでおり、医療に革命をもたらすと期待されている。 今までの医療では対処療法がメインだったが、ゲノム編集を使えば、人間の設計図にアプローチすることが出来、病気の根本原因を除去することも将来的

          エネルギーテック~電力におけるイノベーション~

          脱炭素化でサステイナブルな社会の実現を 温室効果ガス排出による地球温暖化が原因で、様々な環境問題が起きており、パリ協定で「産業革命から2050までの気温上昇を2℃以内に抑える」という共通目標が設定されるなど、世界共通の課題となっている。 中でも、太陽光・風力・中小水力・バイオマス等といった温室効果ガスを排出せず、エネルギー源として永久使用することができる再生エネルギーは効果的な施策の一つとして、近年世界のトレンドとなっており、多くの企業で導入が急速に進んでいる。 また、

          エネルギーテック~電力におけるイノベーション~

          「スポーツ×テクノロジー」でアスリートにお金が集まる仕組みづくりを

          日本のスポーツはキャッシュ創出力が相対的に低い 米プロバスケットボール選手のNBAドラフトで日本人初のドラフト1位指名を受けた八村塁選手の年俸は、初年度から4億円を超えると言われている。NBAの平均年俸は7億と、あらゆるスポーツリーグの中でもトップクラスである。一方、日本のBリーグでは、最高でも1億円前後の年俸に留まっている。 この差はどこから生まれているのだろうか? 日本のバスケットの質の高さは、世界ランキングや世界大会での活躍が証明している。 しかし、海外スポーツと

          「スポーツ×テクノロジー」でアスリートにお金が集まる仕組みづくりを

          日本農業の課題と、アグリテックによる解決

          本記事では、日本の農業の現場が抱える課題と、その課題解決の為にアグリテックをどう活用すればいいか考察する。上の図はこの記事の概略である。 農業は、栽培計画から始まり、土地や労働力の確保、肥料などの資材調達がされ、栽培へと続く。農業全体で見ると、その後に流通や販売というプロセスを経て消費者に届けられるが、本記事では、農業の現場の課題に絞って考察する。 加えて、現在農業の課題を解決する為に、様々なテクノロジーが導入されている。どのような「アグリテック」が、日本の農業の現場

          日本農業の課題と、アグリテックによる解決

          遺伝子組み換え食品が消費者に嫌われた理由と、ゲノム編集で同じ失敗を繰り返さない方法。

          本記事では、ゲノム編集によって開発された食品が、消費者に受け入れられるにはどうすればよいか、「遺伝子組み換え」との比較を通じて考察する。 遺伝子組み換えは、DNAを酵素を使って人為的に操作するという技術の類似性から、ゲノム編集の比較対象に挙がることも多い。しかし、遺伝子組み換えによって開発された作物は、消費者には受け入れられなかった。 「遺伝子組み換えがなぜ消費者に受け入れられなかったのか?」紐解くことで、ゲノム編集普及のヒントを探る。 結論、以下の3つである。 ①遺伝

          遺伝子組み換え食品が消費者に嫌われた理由と、ゲノム編集で同じ失敗を繰り返さない方法。

          「ゲノム編集は消費者に受け入れられるのか?」育種の歴史から考察

          本記事では、「ゲノム編集によって作られた作物が今後、世界中の人々から受け入れられ、普及する為にはどうすればよいのか?」という問いを、「育種の歴史」という二つの観点から考察していきたいと思う。 ゲノム編集は、別名「DNAのメス」とも呼ばれ、私達生物の設計図とも言えるDNAを、まるでワープロのように一文字一文字書き換えることの出来るという、神の領域とも言える画期的な技術である。 ゲノム編集の食への応用は既に進められており、血糖値を下げ、人々の健康を促進するGABAを多く含んだ

          「ゲノム編集は消費者に受け入れられるのか?」育種の歴史から考察

          ゲノム編集で作られた作物と、それを可能にした圧倒的な技術

          本記事では、ゲノム編集が私達の「食」にどのような影響を与えるか考察する為に、「ゲノム編集の食への実用例」「食への実用化を可能にした技術的特徴」について考察していきたい。 初めにゲノム編集は今後、「食」「健康」「医療」等、私達の暮らしや生活に計り知れないインパクトをもたらすことが確実視されている。 中でも現時点でゲノム編集が盛んに行われているのは、農作物や家畜、養殖魚等、「食品の品種改良」である。 どれくらい実用化されているのか?結論、ゲノム編集による品種改良は、科学者の

          ゲノム編集で作られた作物と、それを可能にした圧倒的な技術

          ”DNAのメス”ゲノム編集とは?~文系大学生による解説~

          本記事では、ノーベル化学賞にも選ばれる等、今大注目のゲノム編集技術について、文系大学生でも理解できるレベルで考察していく。 ゲノム編集は、ゲノム編集技術「CRISPR-Cas9」という、フランス出身とアメリカ出身の二人の女性科学者によって開発された新しいゲノム編集の手法が、つい先日の2020年10月にノーベル化学賞を受賞するなど、まさに今注目されている技術である。 別名「DNAのメス」とも呼ばれ、私達生物の設計図とも言えるDNAを、まるでワープロのように一文字一文字書き換

          ”DNAのメス”ゲノム編集とは?~文系大学生による解説~

          5Gについて➁~5Gのビジネスでの活用性~

          本記事では、5Gがビジネスで活用されている例をいくつか紹介する。 ビジネスへの活用例を、5Gの「高速大容量」「低遅延」「多数同時接続」という3つの特徴それぞれどれを活用しているかという観点で分類されている。 複数の特徴が活用されているものも多く存在する。 ①高速大容量・XR XRとは「VR」「AR」「MR」の総称。 ARとは、カメラで映し出した現実世界の風景に情報を付与する技術で、ポケモンGO等が代表例。MRは、ARとVRを組み合わせて、現実にないものを現実に映し出す技術

          5Gについて➁~5Gのビジネスでの活用性~

          5Gについて①~社会に与える影響、新デバイス新サービスへの期待~

          本記事では、5Gの特徴と登場背景を踏まえて、5Gが日本や国際社会に与える影響や、日常に欠かせないスマホに与える影響について考察していく。 そもそも5Gとは?5th generations の略で、第五世代のモバイル通信規格の事。 携帯通信規格はこれまで約10年ごとにアップデートされていた。 特徴 ①高速大容量通信 ⇒4Gの約100倍。4Gだとダウンロードに数分かかる2時間の映画が、3秒でダウンロード可能に ➁低遅延 ⇒リアルタイムでのロボット等の遠隔操作が可能になる。

          5Gについて①~社会に与える影響、新デバイス新サービスへの期待~

          Xテック「物流×IT➁」~生産性を高める3つのキーワード~

          前の記事では、物流業界の課題を解決する為には生産性を高める必要があることを学んだ。 本記事では、物流業界の生産性を高めうる「オペレーションのデジタル化」「クラウドを活用したマッチング/シェアリング」「ロボティクス」について見ていきたい。 ①オペレーションのデジタル化国内には約6万もの物流事業者が存在するが、そのほとんどを中小企業が占める。中小企業はカネを初めリソース不足の企業も多く、個社ごとにIT投資を行うことは非現実的である。 しかし、IT投資がなされなかった結果とし

          Xテック「物流×IT➁」~生産性を高める3つのキーワード~

          Xテック「物流×IT①」~過剰サービスが生み出したリソース不足~

          本記事では、物流業界におけるテクノロジーの活用について理解を深めるための前段階として、物流業界が抱える課題について考察していく。 圧倒的なリソース不足 物流業界は、現在拡大期にある。 しかし、日本は高齢化・人口減少に伴う労働力不足が顕著であり、物流業界においても同じことが言える。ドライバーの有効求人倍率が全職業の倍の約3.0、運輸・郵便事務は約4.1と、特にリソース不足が顕著に表れている。 このリソース不足は、小売に対して過剰なサービスを提供してきたことにも起因してい

          Xテック「物流×IT①」~過剰サービスが生み出したリソース不足~

          Xテック「農業×IT➂」~持続可能な農業を支えうるバイオ製剤~

          前回アグリテックについて考察した記事においては、AIやドローンを活用して生産性を高める「精密農業」や、耕地面積を増やす「屋内農場」等、テクノロジーによって農作物の生産量を高める方法について考察してきた。 本記事では、持続可能な農業を実現する技術の一つとして注目されているバイオ製剤について考察していきたい。 バイオ製剤とは?バイオ製剤とは、生物や生物由来の成分から作られた製剤で、作物の成長促進や病害虫の駆除に用いられている。いわば”環境に優しい農薬”のようなものである。

          Xテック「農業×IT➂」~持続可能な農業を支えうるバイオ製剤~