5Gについて①~社会に与える影響、新デバイス新サービスへの期待~

本記事では、5Gの特徴と登場背景を踏まえて、5Gが日本や国際社会に与える影響や、日常に欠かせないスマホに与える影響について考察していく。

そもそも5Gとは?

5th generations の略で、第五世代のモバイル通信規格の事。
携帯通信規格はこれまで約10年ごとにアップデートされていた。

特徴
①高速大容量通信
4Gの約100倍。4Gだとダウンロードに数分かかる2時間の映画が、3秒でダウンロード可能に
➁低遅延
⇒リアルタイムでのロボット等の遠隔操作が可能になる。
➂多数同時接続
⇒これからはスマホやPCだけでなく、IoT活用によってあらゆるものがネットワークを必要とする。従来よりもはるかに多いデバイスをインターネットに接続する為には、多数同時接続が必要。

注目される理由


IoTの存在が大きい。

元々は、通信トラフィックが増えるのを見越して高速大容量を実現する為に策定されたものだが、オリンピックを予定していた韓国と日本くらいしか積極的ではなかった。(2018以前)

しかし、IoTの概念が急速に広がり、低遅延や多数同時接続といった特徴を持つ5Gが、IoTを支えるネットワークとして本命視されたことから、中国や欧米が急激に普及を進めた。

※IoTとは、センサーを搭載したあらゆるモノがインターネットに繋がり、人を介せずとも情報の送受信やサービス提供が可能となる概念。


5Gによって社会はどう変わる?


①米中対立

5Gは国家間の摩擦を生み出している。その最たる例は米中である。
アメリカ商務省は、中国通信機器メーカに対して制裁を加えるだけでなく、日本を含む同盟国に対しても、同様の対応を求めている。

なぜか?
5G時代に中国の通信機器メーカーが、アメリカ及び同盟国に入り込むことで、安全保障上大きな影響が出ることを懸念しているからである。


➁日本社会の変化

日本政府が5G活用を推進するのは「地方創生を中心とした社会課題解決」においてである。

携帯キャリアに対する5Gの電波免許割り当ての方針からも、日本政府の姿勢が見て取れる。
従来電波免許割り当ての審査基準には、人が住んでいる場所をどれだけカバーできるかという「人口カバー率」が用いられてきた。
しかし5Gにおいては、人の居住地域だけでなく、都市部地方を問わず事業可能性のあるエリアに整備しようと試みており、この方針を重視しているNTTとKDDIはより多くの周波地帯を獲得している。


➂スマホ以外のデバイスや、5Gをフル活用した新サービスの登場

5Gはスマホ用のネットワークとしては性能が高すぎる。

「動画以外に高速通信を生かす手段がない」「低遅延が生きるのはゲームくらい」「高精度の8K映像を楽しむには画面が小さい」等、従来のスマホだとせっかくの5Gの恩恵を受けられない。

そこで、大画面で映像を楽しめる折り畳みスマホが登場したりもしているが、5G全盛の時代においては、新たなデバイスが登場すると考えられる。

同様に、スマホを中心とした従来のサービスでは、5Gの利点を生かし切れていない。自動運転、スマートファクトリー、VRゲーミング等、様々な分野でサービス開拓に向けた実証実験が行われている。

5G活用の代名詞と呼べるサービスを作り出した企業こそ、次の10年を制するのではないだろうか。


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