ブロックチェーンの仕組み
ブロックチェーンとは?
コンピューター上に分散型台帳を作る技術のこと。
台帳とは、会社で使用されている「会計帳簿」や、私達市民の「住民基本台帳」等と同様のもの。つまり「大切な~~の情報を記しておくノート」のことである。
分散型について、通常の帳簿等の台帳は責任者が管理する。
しかし、ブロックチェーンは基本、特定の管理者がいなくても使用可能であり、ネットワークに参加している全員で情報を管理する。
例えば、「XからYへの送金」という取引が発生したとする。その時、この取引に関わる全員が同時に取引情報を共有し、管理することが出来る。
ブロックとは?
取引データの集まりの事である
ブロックチェーンでは、取引の上書き更新はせず、一つ一つの取引を全て逐一記録する。例えば、「XからYへ15円送金」し「YからZへ5円送金」したとする。Yの所持金は10円になり、通常のオンラインバンクでは残高「10円」と表示されることが多いが、ブロックチェーンでは、取引のデータだけが淡々と記録されることが特徴である。
チェーンとは?
取引が集まって出来たブロックを、鎖のように繋ぐこと。
ではどのようにブロックを繋げているのか?
ブロックが繋がる為に必要なのが、一つ前のブロックの情報を集約したデータである。A→B→Cと繋がっているブロックがあるとすると、BにはAのデータ、CにはBのデータが引き継がれている。データが連鎖していることが、チェーンと呼ばれる理由である。
このチェーンが、データ改ざんを不可能にしている。
仮に誰かが改ざんを試みたとしても、「全てのブロックに一つ前の情報が入っている」為、改ざんしたいブロック以降の全てのブロックを改ざんする必要がある。一つのブロックの改ざんにはかなりの労力がかかり、かつ新しいブロックは次々誕生するので、事実上改ざんすることは不可能である。
ブロックチェーンの仕組み
なぜ注目されているか?
ブロックチェーンは、国家の形をも変えうるインパクトから、しばしば革命と称される。
インパクトを持つ理由は、ブロックチェーンの「分散型」という点である。
これまでの国家や会社は、自らの信用や価値を確立する為に、関係者が連携可能な建物を必要としていた。また、重要な情報の取り扱いには一握りの機関や人物も不可欠であった。
わかりやすいのが会社の例で、企画の立ち上げや予算決定は、社内の上役が承認を行ってきた。つまり、現代において、信用の維持・確立には、「物理的な組織の構築」と「中央集権ヒエラルキー構造」が欠かせなかった。
しかし、ブロックチェーンはこれを根底から覆す。
ブロックチェーンの中では誰もが管理者であり意思決定者となる。
そうであるにも関わらず、信用が失われることがない。
(改ざん不可能な点、全ての取引データが残る点等が信頼性を高めている)
コンピューター上でグローバルに関係者を集めて、分散型組織を作れば、従来の国家や会社の代替になるとまで言われている。
ブロックチェーン導入のメリット
①コスト削減
金融機関の海外送金の例がわかりやすい。
海の向こうにお金を送る為には、送金元である送金元銀行、中継銀行。受け取り元となる取引先銀行の存在が必要。たった一回の送金の為に2つもの銀行を経由する必要がある。このように、従来の国際送金は、中間コストや間接費用、時間等多くのコストがかかっていた。
これがブロックチェーンになると、「中継銀行が不要」になり、「関係した銀行は即座に送金情報の共有や、送金着金」が可能になる。銀行としては大幅なコスト削減であり、依頼者としても安い手数料と短時間の送金が可能になる。
➁セキュリティ担保
特定の部署や機関がデータ管理する中央集権体制とは異なり、分散管理するブロックチェーンでは、データが分散している為、サーバー攻撃をする側も、攻撃対象がわからない。