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農業・漁業の技術

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#物質

ムール貝からヒントを得た接着剤

ムール貝からヒントを得た接着剤

物質・材料研究機構(NIMS)の高分子・バイオ材料研究センターの研究チームは、ムラサキイガイ(ムール貝)の接着機能にヒントを得た新しい接着材料を開発した。

ムラサキイガイは海中で岩に固着する際に、カフェ酸という物質を分泌している。カフェ酸は、波長の異なる紫外線を照射することで相互につながったり離れたりする。

家電製品や自動車など、しっかりくっつき、パッと離れる性質は応用範囲が広い

『参考資料

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植物の成長を抑制する

植物の成長を抑制する

九州大学などの研究チームは、植物の成長を抑える新しい物質を開発した。この物質を植物が吸収すると、根が浅く張るようになり、水や栄養分の摂取量が減り、生育状態が悪くなるという。

多くの植物の根は本来、重力方向に沿って伸びていく。今回開発した物質を与えると、根が伸びる方向がかく乱され、浅く張るようになる。重力を感知するのに関わる植物ホルモン「オーキシン」の流れが根の中で変わり、伸びる方向が混乱するとみ

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花咲かじいさん

花咲かじいさん

民話「花咲かじいさん」には、灰をまいて枯れ木に花を咲かすおじいさんが登場する。この灰のように開花の時期を操る物質の研究が進んでいる。

植物は季節の訪れを知る体内時計をもつ。フロリゲンがその役割を果たしている。花芽を作るスイッチとしてはたらく植物ホルモンだ。

名古屋大学の辻寛之教授ら研究チームは、フロリゲンの働きに作用する物質の研究を行っている。植物の成長の針を早く進めたり遅くしたりする。課題は

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