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技術史

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物作りの歴史・様々な身の回りの製品の歴史を簡潔に紹介します。
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2022年11月の記事一覧

【技術史】電気のプラスとマイナスの発見

【技術史】電気のプラスとマイナスの発見

■電気と磁気は長らく混同されていた
 電気と磁気は光と影のように切っても切れない関係にあります。
紀元前4世紀のプラトンの「ティマイオス」には、装飾品として利用される琥珀を摩擦すると、軽いチリなどが吸い寄せられることが記されています。琥珀を意味するギリシャ語のエレクトロンにちなみ、摩擦電気の作用因に電気(エレクトルム)という言葉を与えたのは、プラトンから約2000年後のギルバートです。それまでは物

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【技術史】炊飯器

【技術史】炊飯器

毎日のご飯を炊くことが重労働だなんて思った人は、この21世紀においてまずないでしょう。それは、お米を洗って炊飯器にセットし、ボタンを押せば30分後においしいご飯が炊ける電気炊飯器があるからです。しかし、今から65年前は違いました。
1950年代前半の朝の台所。家族の中でだれよりも早く起きてご飯の準備をするお母さん。お釜でお米を研いだら、かまどにお釜をセット。薪に火をつけてご飯を炊きます。

「はじ

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【材料学】伝説の磁石島

【材料学】伝説の磁石島

磁石(磁鉄鋼)は、昔から不思議な力があることから、人々を魅了してきた。

1200年代ローマの博物学者アル・カズウィーニーは、自身の研究をまとめた「万有学(天文学・宇宙論・地理・動植物・鉱物など、イスラム世界の叡智を集大成した百科事典)」の中で、「インド洋に磁石でできた島があり、船がその付近に近づくと、その船に鉄でできた部分があれば、その船は鳥のように飛んで、磁石の島に付着してしまう。」と記して

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【2分でわかる技術史】照明のあゆみ青色LED

【2分でわかる技術史】照明のあゆみ青色LED

照明の第一世代はガス灯、第二世代は白熱灯、第三世代は蛍光灯、そして第四世代がLED照明です。ガス灯から約60年で白熱灯(エジソンが1979年に発明)、さらに約60年で蛍光灯(1930年代後半に実用化)の時代になりました。そして、1996年に白色LEDが開発され今に至っています。

まず1960年代に赤色と黄緑色のLEDが開発されました。当初は、光源としての能力は小さいものでしたが、その後明るい高

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