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とある野球監督さんのお話。

尊敬している人は誰ですか、と聞かれたら誰と答えますか。

私は、今まで何度かこの質問を受けて考えたことがあります。
今まで、いろんな人を知って
芸能人から学校の先輩、同級生まで
私の尊敬する人を挙げるとたくさんいるのですが、
私は今日、学校の式典でとある方の講演を聞いて
心から感銘を受けたので、そのことについて考えたことと共に
ここに書き留めておこうと思います。


「今日の話の内容は他の人に話してもいいけど誰が言ったかは言わないでおいて」
とおっしゃっていたので、名前は伏せますが
おそらく日本一、いや最近世界をも制したと言えるから世界一ともいえるであろう超絶ウルトラスーパー有名なプロ野球の監督の方の講演でした。

しかし私は、もともとテレビをほとんど見ずに育ってきたこともあって
友人が出ている試合以外興味がなくて
WBCやサッカーワールドカップをはじめ、テレビで日本代表の試合を見たことがありません。
そんな私なので、
今日お話に出てきた人の名前も何となく聞いたことあるくらいだし、
監督さんのことは名前も知らなかったし、
監督さんが話していた試合をもちろん見ていなかったので
どんな試合だったのかもどんな仕組みなのかもわかっていなくて
固有名詞もほとんど出てこないと思います。
それから、本当に濃すぎる講演だったので全てをここで完璧に話す記憶力はありませんし、監督さんの言葉をそのまま引用できていないこともあります。
また、私の解釈が多く含まれているため、
そのまま監督さんの言葉だと思い込まないようにお願いします。
予めご了承の上、読み進めていただけると幸いです。



1. 挨拶は目上からするもの

上下関係が厳しい部活の人は特に、先輩から
「挨拶しろよ」と怒鳴られたことがあるのではないだろうか。
私自身、中学一年生で部活に入りたての本当に最初の頃、
自分なりにはしていたつもりだったし、
怒られるのが極度に苦手なため嫌われたくなかったのに
初めての”上下関係”でよくわからなかった部分もあったのだろう、
怖い先輩に目を付けられ呼び出しを食らったことがある。
「ちゃんと挨拶してよ 舐めてんの?」
5年以上たった今でもたまに思い出すほどトラウマな出来事だったのだが
私はその時決めた。
私に後輩ができたら
自分から笑顔で挨拶をしよう、
自分から積極的に話しかけよう、
小さな努力も見つけてたくさん褒めてあげよう、
まずは自分から後輩のことを好きになろう、と。

監督さんはおっしゃった。
「目上の人が笑顔で挨拶をしたら、目下の人は必ず笑顔で返してくれる」
先輩におびえている後輩に、笑顔で挨拶してくれる先輩がいたら
その先輩にはびくびくしなくていい、と思えるし
何よりうれしくて
笑顔で挨拶するようになるだろう。

私は中学一年生の時に決意したことをちゃんと実践して、
後輩とだれよりも向き合って関わって愛したと自信もって言えるくらいに
後輩と笑顔で関わることをして、
話すのが上手いわけでも、飛びぬけて部活で活躍したわけでもなかったが
慕ってもらえる先輩になれたように思うし、
距離の近い先輩になれたと思っている。

日本で多くの人のあこがれの的である有名プロ野球選手を統率する、
慕われていて信頼されていて愛されている監督さんの「挨拶論」は、
人として、心に留めておくべきことだと思った。



2.人の心をつかむ説明の仕方

テンポよく、わかりやすく、丁寧に説明すること。
理解してもらいたいものがあるとき、
普通はそれを意識して原稿を考えると思う。
でも、今日の監督さんの講演はまず、
5時間話せるくらいの文字も写真も
たくさん詰まったPowerPointを作ってきてくださったのに
観客席に降りてきて、何の話聞きたい?と
お聞きになったところから始まった。

そして、膨大なスライドを作ってくれてるのに
テーマごとに1枚の写真を出すだけに使って、
生徒が聴きたいと言った話を、
野球界をほとんど全く知らない私にとっても興味深いエピソードや
分かりやすい例え話で為になりすぎる話と一緒に
お話してくださった。

堅苦しくない、1時間があっという間で
誰もが釘付けになる監督の話しは、
内容の良さだけでなく、その話し方にその秘密があったのだと思う。

そんな監督さんの語る、話し手を引き込む話し方のコツは
「わかりやすく説明するのではなくて、同じ言葉を何度も繰り返すこと。」
だれにでもわかりやすい話は、すっと心に入ってきやすい。
頭を使って理解しようと努力しなくても理解できる。
一方、詳細の入ってない一言だけを言われたとき、
聞き手はその言葉の意味を解釈しようと、一生懸命頭を働かせる。
自分なりの理解へたどり着く。
そのほうが、自分の言葉で理解できるから
必ず心に響くし、忘れられなくなるのではないか。

本のPOPや帯のキャッチコピー、本のタイトル、新聞の見出し
それらが人を惹きつける秘密も同じことなのではと気づいた。


3.偶然勝つ、負ける

「偶然勝つことはあるけれど、原因なしに負けることはない。」
チームを世界一にまで連れて行った監督。
部活動をしていて痛感したことだが、本当に統率者の力量次第で
どんなに優れた選手がいても
大会で成績残せるかどうかは変わるし、
才能を発揮できるかも左右される。
監督さんの話では、ダルビッシュ選手が
初対面の若手選手と大谷さんなどのプロ選手との壁を打ち解けさせる役目を
上手に果たしてくれたと話していたから、
もちろんチームで優れた選手がいることはチームに大きな影響を与えるが
やはり監督さんの存在は大きいと思う。

そんな監督さんが、
偶然勝つことはあり、負けることはないとおっしゃった。

自分とのでも、スポーツの試合でも、コンクールでもなんでもそうだが、
たたかいに負けたとき、
「今回はあまり練習できなくて、…」とか
「運がついてなくて…」とか
言ってしまうことがあると思う。
でもそれは、れっきとした”負けた原因”である。
一方、勝負というのは相手が負けたら自分が勝つ。

鶏が先か、卵が先かみたいなことに見えるが
勝つのが先か、負けるのが先か…
私の知る限りでは、
負けにつながる自分の行動が、相手の勝利への決め手を作り出すように思う
例え、2人がそれぞれ一回ずつゴールにシュートを打って、
入ったほうが勝ちだというサッカーゲームをしたとして、
Aが蹴って入らなくて
Bが蹴って入った時、
結果論的な考えとはこういうことなのかもしれないが、
AはAの番で入れていたら
Bが入れて勝つことを食い止めることができたはずだ。

これはAが、負けへの第一歩を作ってしまったから負けた、
と考えられるのではないか。

…となると
負けたのは自分の責任だって真っ向から
言われていることになってしまうのか、。

でもここでは、負けるのが悪いとも言っていない。
監督さんは、テレビ番組でこのようなことをおっしゃったそうだ。

三振がその選手の成長につながるものであれば、それはチームの財産になります。」

負けたとき、原因から目をそらさずに
その原因と向き合って真剣に考えて次につなげること。

悔しさが、次の戦いへの強い情熱となるなら、
それは意味のあることになる、とも監督さんはおっしゃっていた。


4.ストン、と落ちる決断

決断には、二つあるのだと監督さんはおっしゃった。
”しなければいけないから選ぶ決断と、すとんと落ちて選ぶ決断”
※しなければいけない決断、という言い回しじゃなかったけど
わすれちゃいましたごめんなさい…

監督さんは、自分の決断が日本という国を敗北に導く可能性があるから
重要な決断ほど、「ストン、」の瞬間を待つという。

監督さんとはもう、
人生経験の量も生きてきた長さも天と地の差だから
分かった気になるのはおこがましいことだとわかっているけれど、
ストン、と降りてくる決断に似た経験を私は大切にしてきたと思っている。

MBTIがINFP-Tということが体現しているが
私は直観、というか感覚?優位の性格で、
文章書くことが好きでよく書くのだが、
ストン、と納得のいく表現になるまで
何日も何週間もかけて表現を模索し、推敲を繰りかえす性格だ。
(文集など、時間をかけて考えてから出せるものに限るが)

どこか納得がいかなくて決断しきれないものは
たぶん他の案を出すべきで、
納得できる案が出るまで考えるべきだけれど
それをいつもやるのは、多分理想主義的で
そんな風に悠長にまってられない、
もしくは立場上、どうしてもその決断を
選ばなければいけないときもあるから、
監督さんは上記のように「二つの決断」について語ったのだと思う。


5.リーダーの掟

中学生の頃、首まであるタイプのハーフジップの学校ジャージだった。
そして、学校あるある非公式の「謎ルール」があった。
3年生はチャックを全部開けていていいけど、
2年生は中間まで開ける、
1年生はチャックを一番上まで全部閉める
というものだった。
正直寒いから全部閉めたいとか
全部開けるのなんかダサいから中間にしようとか
別に誰も得しない非公式なルールなのに守っちゃう。

監督さんはおっしゃった。
「自分だけがやれることはやらない。
権力を持って偉くなったりすると、できることが増えるし勝手にやることも許される。
でも、それでし放題をしてしまったら目下の者から確実に反感を買うから」

監督さんの例えをそのままお借りすると、
社長はお金もあって、ある程度部下よりも自分勝手なことが許されている。
だから、お金使って女遊びするとかもできる。
でもそれは、確実に部下に悪口を言われるし、信頼されなくなるし、
ついてきてくれなくなることにつながる。
だから、社長だけに許されていることはやらない。

心から、なるほどと思った。
ストン、と落ちた。

社長の不祥事、今日めちゃくちゃニュースに出てくる。
本当に出てきすぎなくらい出てくる。
なのに、気づかなかった。
”位が高い人だけに許されていることをやらな”ければいいと
今日言われて初めて気づいた。
考えてみればわかる簡単な話だろうに

だから他の人と関わって話を伺うことって
本当に大切なんだろうな、とも思った。
いっぱい考えても気づかないことがあって、
それが本当に大切なことだったりするのかな、と。

だから監督さんは、信頼のおける相手の話をしていたのかもしれない。
監督さんには、10年間ともにしてきた信頼のおける方がいるそうで、
その方は、
自分の意見を正直に伝えてくれる
その時監督さんにとっていらない情報は話さず、本当に必要な情報だけを与えてくれる
という方だそうだ。
その方によく意見を聞くと何度も話していたのは、
その方が、見えなくなっていた部分を代わりに見てくれて、
教えてくれる存在だからなのだろう。


6.こつこつと。

チャンネル登録者数70人なんですけど、どうしたらもっと増えますか
ざっくり言うとこんな感じのことを友達が監督さんに質問していた。

監督さんの答えは、こうだった。
「チャンネル登録者数70人なら700万人とか高望みをしないで、
まずは71人になるように頑張れ。」
夢は大きく、って言うと思った私は、少し拍子抜けした。
夢は大きく持って、細かい目標を叶えて行けば叶う
とかいうありきたりのことは言わなかった。
そして、続けてこうおっしゃった。
「いいものなら、必ず見つけてもらえる
 神様は見ているから。」
そして、前述2.で話した内容をおっしゃったのだ。

なるほど、
まずは新たな一人の胸をつかむように
誠実に考えて向き合うこと。
そうやってまっすぐにこつこつと努力を重ねることが、
信頼されながら愛されていく秘訣なのだ。



7.最後に

監督さんは、めちゃくちゃ有名人で
ものすごいお方なのに
気さくに生徒のもとに自ら駆け寄り話を聞いてくださったり、
握手をしてくれたり、
肩を組んだり肩をたたいて鼓舞してくれたり

野球界での仲間だけでなく
元同級生だという先生が、「確実に有意義な話になる」と言うだけの
本当についていきたいと思う方でした。

また、一高校生の訴えに対し、
そこは改善しなければいけない場所だから
指摘をしたことがあるが
改善していく努力をしていくと、
正直に、そして真摯に答えて下さいました。

メディアの圧力や権力などで、
ごまかしたりはぐらかしたりする大人も多くいるから
そういう人ばかりネットで取り上げられるのを目にするからこそ
すごく感銘を受けました。


また、監督は、こんな話もしてくださいました。

12/24の午前1時。
クリスマスイブは一番したいことをするものだけれど、
大谷さんはバッティングの練習をしていた。
女の人と遊んだりしないのかと聞かれた大谷さんはこう答えたそうです。
それの何が楽しいのですか、
自分の理想のフォームで打てるようになって、次の大会で活躍して5万人がめちゃくちゃ喜ぶならそのほうがずっと良くないですか、と。

私は本当に、
あぁ素晴らしいお方だなぁと
”野球の神様が創らせた”といわれる理由が、
今のように日本の誇りとして称えられるべき方だなぁと思いましたし、
こうやって、
”目先の喜びではなくて、
少し先の未来のより大きな幸せのために努力すること”
は、
受験生の私がなにより大切にするべきで、見習うべきことだと感じます。



これから何十年も生きていく私が、
忘れてはいけない、忘れたくない、
大切にしたいと思ったから
忘れっぽすぎる私のことだから
忘れちゃうと思うけど、
何度でも戻ってきて思い出せるように
まっすぐ進んでいけるように、
ここに書き留めました。
ほぼ四時間かかりました、
明日も模試なのにどうしても書きたくて書いちゃいました。


こつこつと、
少し先の未来の幸せのために、
誠実に、自分に正直に進んでいけますように。


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