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キセキの ロックバンドの キセキ ①

人の自分史にフォーカスして生きていると、思いもよらなかったような展開に出くわすことがある。
 
若いころ、下手なりに真剣にミュージシャンを目ざしていた自分史を持っている私だからこそ、自分が心から認めるバンド以外のライブには行かなかったし、そのあたりにいる有象無象の「ロック風味」や「おかパンク」には全く興味がない。

ロックというのは私にとって、サウンドはもちろんだが、上っ面の見せかけに限らない「一生続くマインドであり生き方」だと思っているからだ。

しかし2013年、そんな私に「これぞロックだ」というステージを見せてくれたバンド「ソーセージ」に初めて出会ってから、定期的にライブハウスへ足を運ぶようになった。

ソーセージLIVEアー写

左から平野壮(ソウ)音之森晴志(セイジ、山田直人(ナオト)

日本全国を這いずり回るように年間250本のライブをこなしながら、2011年の東日本大震災で家族や家を失った東北3県の仮設住宅や施設、学校への慰問LIVEを3ヶ月に一回実施。
全国各地でお店やお客さんに呼びかけ、使わなくなった楽器や壊れた楽器を集め、募金でメンテナンスをし(復興という意味もある)被災した子どもたちに届け続けるその生き様。
 
これこそが正真正銘のロックな生き方だし、その魂(ソウル)が、圧巻のステージから感じ取れたからこそ、私は彼らのライブに通うことになったのだ。

このバンドは今から13年前に出会った平野壮(ヒラノソウ  48歳 )音之森晴志( オトノモリ セイジ 50歳)の名前をとって生まれた。そして2020年、新たに3人めのメンバーとして山田直人( ヤマダ ナオト 19歳)が加入していまに至る。
 
ベースやドラムがサポートメンバーに加わることもあるが、基本的な編成はこの3人のトリオで、スタイルはアコースティック・パンクとでも言えばいいんだろうか。

それぞれが赤、黃、緑というキャラクターカラーをもち、一見コミックバンドかと思いきや、これまで彼らはその予想を裏切る圧巻のパフォーマンスで、各地のライブハウスを笑いと歓声、時には涙で埋めてきた。

アラフィフの2人と19歳のトリオというところからしても、すでにドラマ性がある。彼ら一人ひとりの自分史も、バンドとしての物語も、聞けば聞くほどドラマチックだ。

そんな彼らソーセージが結成9年目にして「B-side Story」という新しいチャレンジをはじめると聞いた。
この3人の運命の出会いと、それぞれがこれまで歩んできた自分史をもとに、ステージではこれまで見せなかった彼らの「B-side」つまり「B面」を見せていくという。

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昭和生まれの人なら「B面」を分かる人も多いはず。

まだ音楽がアナログレコードとラジオ、テレビしかなかった時代、各アーティストたちはヒット曲を狙うメジャー曲をA面にレコーディングし、それに対してB面はどちらかいうと地味め、または実験的な曲などが多く、アーティストの個性が色濃く出ているというイメージだ。
 
これまで私が追ってきたソーセージのステージはいうなれば「A面」。
そんな彼らがさまざまな思いのもと、結成9年目にして「B面」を見せるチャレンジをするというのを聞いてしまった以上、それを追いかけてみたいという衝動を抑えきれなくなった。

このプロジェクトで、彼らはそれぞれソロアーティストとして作ったオリジナル曲をリリースしたり、今秋からの全国ツアーを計画中だそうだ。

そこでこのnoteで、奇跡のめぐり合わせでできあがったロックバンド ソーセージの軌跡、いや「輝跡」「祈跡」を、連載形式で追っていきたいと思う。
ぜひお付き合いください。




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