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自分史コラム 来年から「心 =マインド」が肝になる世界がはじまる

私が自分史で勝負したかった「教育」

私が肩書きにしている「自分史活用アドバイザー」という資格は、2011年に出版社社長や元記者や、ライターの方を中心に発足した一般社団法人 自分史活用推進協議会という団体の認定資格です。
「自分史をつくるだけではなく、どう人生に活かすのか」が重要だというコンセプトに基づいてあえて「活用」という言葉が含まれています。
 
協議会は全国各地でこの資格認定講座を行っており、約400名ほどの自分史活用アドバイザーが活躍しています。
その多くは自分史出版のお手伝いが仕事なのですが、シンプルだが奥深いその価値を世代に関係なく広めたいと思っていた私は、2016年に資格を取った直後から教育研修というモデルを模索していました。

そんななか、相模原 藤野の移住者であるAKIさん、塚本サイコさんと出会いました。

AKIさんは日・米の大企業で人事などの仕事をしたのち、組織開発コンサルタントとしての実績を積んで独立、藤野の自然あふれる生活にシフトしつつ、今も多数のプロジェクトに関わる組織開発のプロ。
サイコさんは、オーガニック食材をつかった料理で大人気を博し、惜しまれながら2019年に閉店した渋谷のカフェ デイライトキッチンの経営者で、同じく人財開発の重要性を感じ、アキさんとプログラムを開発していたのです。

それだけではありません。
実際にこのプログラムが効果があるかどうかを検証するために、心理学的なエビデンスが欲しいと思っていたところ、私の古くからの友人で、臨床心理士で八洲学園大学の竹田葉留美准教授が興味を持ってくれ、その効果測定に協力してくれることになったのです。

その二人のエッセンスを凝縮した人財開発プログラムに、私のライフワークである自分史、臨床心理学の裏付けが足りなかったピースのようにはまり、ついに誕生したのが「マインドフルカフェ®」というメソッドなのです。
まるで導かれたようにメンバーが集結し生まれたこの経緯に「本当にミラクルってあるんだ!」と本当に感動しました。

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奇跡のようなめぐり合わせで集結したマインドフルカフェのメンバー。

「在り方」がマインドフルカフェのコア・コンピタンス

このメソッドのコンセプトは「私らしい『在り方』と『仕事』の間に橋を懸ける」
人間が幸せを感じるには自らの「在り方」の確立が必要とされていること、また「仕事」とは経済活動に限らず、自分がライフワークとして取り組みたいこと、という意味あいをもっています。

そのためには「本当の自分とは?」という自分史を通じた振り返りが必要であり、それを関わる他者とシェアすることでこそ、チームとして素晴らしい「仕事」ができるのだという論拠に基づいているのです。

こうして立ち上がったマインドフルカフェは、2019年にSONY株式会社の社内プロジェクトでパイロット版を実施、「これまでにこういうプログラムを受けたことがなかった」とか「研修後にこんなにメンバーが闊達に話し合うのは見たことがない」と参加メンバーから絶賛されました。
下記にそのときのレポートを記載します。

順風満帆のスタート!ではなかった…

ここまでがあまりにもミラクルな展開で「順風満帆だ!」と思いましたが、さすがにそこまで運命は甘くありませんでした。

パイロット版を実施後、大手広告代理店の部長や、研修と書籍販売事業をおこなうかんき出版さんでの無料デモセミナーを通じて某企業の人事担当者が興味をもってくれ、順調に社内研修の計画が進んでいたのですが、その最中に新型コロナウィルスが発生。企業研修もリアルなものはほぼ全滅し、オンラインへの移行を余儀なくされる展開に。

マインドフルカフェデモセミナー_20200205

マインドフルカフェデモセミナー_20200205のコピー

かんき出版さんでの無料デモセミナーは「マネジメント力&チームモチベーションアップ」をテーマにアレンジ。好評をいただいたが…

その時点でまだ導入検討段階だったマインドフルカフェは一度仕切り直しとなり、この春から今までプロジェクトは一時期中断というかたちを取っていました。

しかしAKIさんはその間に、他のプロジェクトでオンライン会議システム zoomを活用した研修の実施ノウハウを取得。
年末ギリギリの12月17日、来年への布石とするためにマインドフルカフェをオンラインで実施することになりました。
Facebookで友人を中心に声をかけたところ、全国20代〜60代まで、職業も会社員からフリーランスまで、さまざまな属性の方9名が参加表明をしてくれました。
初回でもありますし、いろいろなことを検証しながらなので、あえて定数を少なくして開催することにしたのです。

マインドフルカフェは私をはじめとするメンバー全員が強い思い入れのあるプログラムであり、その価値とポテンシャルを十分感じています。
だから今年前半に起きた予期せぬ頓挫にも、悔しいとは思いましたが、動揺や落胆はありませんでした。

なぜなら人間の本質的な「在り方」を問うこのプロジェクトは、遅かれ早かれ、必ずこれからの企業の人財開発や、よりよい生き方を求める個人のニーズに応えうるものだと確信しているからです。
そのような経緯を経て、ついに先日マインドフルカフェ@オンライン版は開催されたのです。

マインドフルカフェ1

それぞれの「在り方」が明確に

簡単な自己紹介のあと、講義が開始しました。
マインドフルカフェは1.わたしのストーリー 2.あなたのストーリー 3.わたしたちのストーリー という3部構成。
1.わたしのストーリーで「自分はどういう人間か」、2.あなたのストーリー では「相手の立場を考えつつどうサポートできるか」、3.わたしたちのストーリー で「それぞれの在り方と相手にできるサポート」を、客観視する第三者を入れたチームで話し合います。

自分を見つめた結果をもとに、他者とどう関わり合っていきたいかを共有しあうワークで、ついさっき会ったばかりの参加者の闊達なコミュニケーションが生まれ、二時間はあっという間に経過。
短時間のなかでワークも含めかなり濃い内容でしたが、終了後のアンケートからは、
「自身の価値に自分で気づきことば化することで自身の尊厳に内からの気づきを得て自信をもって生きていくことができる」
「自分の強みを自覚できたことは次のステップに大きく影響すると思う」
「講座の内容の充実さに驚きました」
「シェアして語ること、聞いてもらうことの大切さを改めて感じました」

などの感想に加え、全員が「とても満足」「満足」という答えをくれ、世代を超え本質的な部分にアプローチするこのプログラムの可能性を改めて感じることができました。

今年2020年は、当初からいろいろな分野でパラダイムシフトが本格化する時代と言われていました。
もちろん最も象徴的な事象は新型コロナウィルスによる「新しい生活様式」だと思いますし、来年以降はこれに加え、さらにいろいろな変化が社会で具現化されるという実感があります。

そのような流れのなか、それぞれの人が幸せに生きることを実現するために必要とされるものこそが「自分自身のあり方と他者理解、その関係構築」だと思います。
それを可能にするプロセスに自発的に気づけるところこそが、マインドフルカフェのワンアンドオンリーな強みです。

私にとってはもちろん、マインドフルカフェのメンバー、さらにまだ見ぬ多くのみなさんにとって、マインドフルカフェを通じて新しい出会いとシナジーが生まれることに大きな期待をもって来年を迎えたいと思います。
このコラムでその進捗をみなさんにお伝えしていきますので、引き続き応援をよろしくお願いいたします。

最後に、今年このコラムを読んでくださったすべてのみなさま、マガジン鏡のなかのことばでの連載寄稿という素晴らしいチャンスをいただいた映画監督 松井久子さんに御礼申し上げます。
どうぞよいお年をお迎えください。来年からもよろしくお願いいたします。

自分史活用アドバイザー 柳澤史樹

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1.映画監督松井久子と読者との双方向コミュニティに参加できる。2.ワークショップ(書くこと、映画をつくることなどの表現活動や、Yogaをはじめ健康維持のためのワークショップに参加できる)3.映画、音楽、アート、食と暮らしなどをテーマに一流執筆人によるコラム。4.松井久子が勧めるオンライン・セレクトショップ。

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