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酒好きになり店を出したら人に騙され人に救われた話⑤

大学生活で友達も増えてきた4月頃のことだった。

皆の大学の進学先が耳に入ってきた
東京や大阪の有名国立大学、私立大学に多くの友達が進学していた。

福岡大学で友達は多くでき、新たな生活を
模索しようとしていた矢先のこの情報で
またさらに、虚無感に襲われた。

屋台に行った時に決意した
「何かバイトで皆に勝ちたい」
この気持ちが再燃していた。

皆が大学生活に慣れ始めた5月の上旬
コンビニで初めてタウンワークを手にしていた

長崎でも、もちろん見たことがある冊子だったが
本の分厚さの違いに都会と田舎の違いを感じながら
パラパラとめくっていく。

それは本当にいろんなアルバイトが掲載されていて
見ているだけでとても面白かった。

普通なら給与面を見て
応募するのが一般的なのかもしれない。

しかし、私の選択肢には
「何か面白い仕事がしたい」
これ一択だった。

そんな中、ものすごく興味を惹かれる
仕事が目に飛び込んできた。

「マリンメッセ(福岡のコンサート会場)でのコンサートスタッフ募集」

この言葉に心が躍った。
今まで大きなコンサートなんて見たこともなかったのだ。
アーティストといえばテレビで見るくらいの遠い存在だった。

”ここで仕事ができたら芸能人に会えるんだ!”

そんな単純な動機だった。
早速携帯を取り出し、その「西日本シミズ」という会社に問い合わせた。

初めての会社への電話
とても緊張したのを覚えている

「タウンワークを見て電話致しました、、嘉松と申します。。。」

緊張した様子で話すと、思いの外軽い返事が返ってきた。

「おっ!そっか!いつ面接これる?」

予想以上の明るい声に意表を突かれた。

当時の何もわからない私は

”さすが芸能関係、明るい人が多い職場なのかな?”
そんなことすら思った。

そして面接当日
西日本シミズの事務所がある大濠公園に向かう。

その事務所はビルの5階に入っていた
エレベーターを登る頃には
緊張はピークに達していただろう。

ノックして事務所に入る

「こんにちは、嘉松さんかな?そこ座って待ってて。」

相変わらず明るい雰囲気に安堵した。

そして雑談や仕事内容の話を10分くらいしたところで
いきなりこんなことを言われた。

「いつ仕事入れる?」

私は焦った
”えっ!?もう合格なんですか?”

そんな気持ちも落ち着きもしない間に
スケジュール表を見せられた。

そこに書いてある文字に
心が躍った。

5月12日
KAT-TUNライブ

速攻で返事をしただろう!
この日いけます!

特段、好きではないが
普段、テレビで見ている
ジャニーズのコンサートを
見れるなんて夢にも思っていなかった。

そしてその先を見てみると
プロ野球
「日本ハム戦」と書かれていた。

そう、私が入った会社は
イベントの仕事では全国規模の会社
シミズオクトの西日本支社だった。

派遣のアルバイトを探していたため
人数を入れるのが人事の仕事だったため
後から聞くと、よほど変人じゃない限り
アルバイトに入れたらしい。

しかし、このアルバイトが人生を変える程の
転機になろうとは、この時思ってもいなかった。



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