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▼飲食店経営者がスタートアップをはじめた理由


ティールテクノロジーズ の斉田 教継です。
noteでは、ティールテクノロジーを開発するに至った経緯。
飲食業界従事者490万人の働き方を根本的に変える仕組み作りをしている理由。飲食業界初の多店舗分析BIツールである「TEAL BI」について書いていければと思っております。


自己紹介

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1993年 英国エディンバラ大学IALS(応用言語学研究所)サマースクール修了
1996年 天理大学卒業(国際文化学部英米学科)
1996年 重包装の業界で世界で第2位のシェアを持つ機械メーカーのニューロングにて東南アジア諸国への製袋機の営業担当。
1998年インド市場の開拓担当(1名)に任命され、のべ2ヶ月半インド国内全域とスリランカをまわり市場開拓、リサーチ、営業活動を行う。

1999年 ドイツのハンブルクの商社リッカーマンにて営業担当。プラスチックや紙関係の加工機械にパッケージング業界に販売。
パッケージング業界の最高峰の機械メーカー、ドイツWINDMÖLLER & HÖLSCHER社(W&H)の営業を担当。
フレキソ印刷のスペシャリストとして、世界最高峰のW&H社フレキソ印刷機の営業担当として、日本のマーケットでのフレキソ印刷の普及と営業活動を行う。印刷機などの展示会やセミナーなどで講師を務め、最新の印刷技術や将来への業界の展望などを講演。
加工技術研究会出版の月刊誌『コンバーテック』にて特集記事定期的に執筆。加工技術研究会から2000年に出版された専門書『フレキソ印刷総覧』の中で1章の執筆を担当。
イギリスの印刷校正機器メーカーAMECO-RASTER社をドイツの展示会にて発掘し、共に日本市場でのビジネスの開拓を行う。
ドイツBHS社との共に日本市場での同社のフレキソ印刷機やその他加工機の市場開拓を行う。

2003年 プルデンシャル生命保険株式会社の生命保険の営業(ライフプランナー)個人向け、法人向けの生命保険、中小企業向けの退職金のコンサルティングセールスを行う。

2007年 現在の飲食企業LUCKBAG Groupを現共同経営者と共に起業。

プライベートでは、柔道初段、過去にはトランぺッターとしてLoss Leaders Big Bandに参加し、William Silkとともにショーバンドとして活動していた。
ウェディングカメラマンとしても通算100本近くのウェディング撮影。第10回ゼクシィウェディングフォトコンテスト入選、年間12作品に選ばれる。

現在は筋トレとジョギングで鍛えることと、サプリメントの研究が趣味。

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外食業界に対する違和感。

自己紹介を読むと、外食とのかかわりはあまりありませんでした。外食企業とは縁も無かった私が、外食企業に関わるまでをここでは書きたいと思います。

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2007年に飲食店を仲間と一緒に立ち上げました。当時通っていたカフェの店長とです。彼の卓越した能力にほれ込み、お互いに持っていない能力を補い合える形で経営すれば、必ず成功できると確信できました。

出店を重ね、店舗も増え、社員も増えていきました。その中で、飲食業界出身ではない人間として、飲食業界の定説や常識に違和感を感じることが多くなりました。長時間労働、休日の少なさ、低賃金。周りの多くの飲食企業でも似たような状態にあることは、データを見ても明らかでした。このあたりの根本的な問題の解決をしない限り、この業界が発展することは難しいと感じるようになりました。

日本の飲食業界、特に東京は世界一、人口当たりの飲食店舗が多いというデータがあります。さらに、日本の産業別にみても、飲食業が最も多産多死の業種でもあります。さらに、他の産業と比較しても飲食業が最も生産性が低いというデータもあります。さらに世界の主要国の飲食業と比べても日本の飲食業の生産性は低いというデータもあります。この生産性の低さは解決しなければならない日本の飲食業界特有の問題点と言えます。

さらに感じた問題点としては、日本の飲食業界の所得水準の低さ。全産業の平均と比べても非常の低く、20代後半で年収290万程度のピークに達し、それ以降全く上がらないというデータもあります。さらに就労者の割合は20代が最も多く、30代を前にやめていく人が多くいるという現状です。

実際に現場を見ていて感じるのは、飲食業に入ってくる若者は、他の産業と比べても明らかに、この仕事が好き、お客様の笑顔が好き、接客がしたい、料理が作りたいといった「純粋なモチベーション」で入ってくる人が多いということです。他の産業ではあまりこういったモチベーションで入ってくる若者は少ない気がします。しかし、多くは30代を前に、会社に対する不安というよりも、この業界に対する将来への不安を感じ、単に会社を辞めるのではなく、飲食業界を去っていく人を多く見かけます。非常にもったいない現状です。要するに「若者使い捨てサイクル」で成り立っている業界であると言わざるを得ません。

ラックバッググループは店舗数としては、これまで20店舗以上出店してきました。デートや女子会、ウェディングなどのハレの使われ方が多いダイニング業態や、都心商業施設のカジュアルダイニング、郊外ショッピングモールでの日常使いのダイニングまで様々な業態を出店してきました。いろいろな失敗、新型コロナの影響もあり、2021年8月には8店舗まで減りました。

飲食店はなぜ出店し続けなければならないのか?を自問自答してきました。その答えとしては、会社の成功=社員の人生の成功と位置づけ、出店して会社を大きくし、出世できるステップを増やしていく戦略です。そのいっぽうで規模の拡大による副作用や失敗も多く経験しました。最も学んだことは、飲食業にとって、人を育てること、一流のプロを育てることが最も大切であり、最も重要であるということでした。飲食業はすなわち教育業であるということです。

飲食業の成功モデルは、以前は、ヒット業態を1店舗作ってその業態の出店をたくさんすることでしたが、簡単に模倣されることが多くなり、先行業態モデル=飲食チェーンとしての成功という形はなくなりました。飲食業態づくりがコモディティ化したと言えると思います。一方で勝ち残った強いブランドを見ていると、共通の戦略や強みを持っていました。これらは実体験とたくさんの本を通じて学ぶことができました。

学びながら見えてきた課題

長時間労働と低賃金が当たり前。この業界に入ってくる若者の多くは、この仕事が好きだから入ってくる。これはすごいこと。他の業界では少ない。
なのに、若者がこの業界に見切りをつけて辞めてしまっている。会社を辞めて同業種で転職するより、業界から出ていく人が多い。
若者が成功できない業界は発展しない。

日本の飲食業は参入ハードルが低すぎて多産多死。競争が激しすぎる。
生産性が低すぎる。売上の数値管理がアナログ。様々な管理業務が複雑すぎる。取引業者が多く請求書をまとめる作業も多い。アルバイトが多く入退社を繰り返す。シフト制なので給与計算も煩雑

このことは、多くの飲食企業が悩んでいる事実。
これについては次回書きたいと思います。

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