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創作エッセイ:嘘+色=青春?

嘘はなんで「赤」なのか

「"赤" は "明らか" と同源で "全く" "すっかり" などの意味があるため」
「赤の他人」もそういうことらしい

いや、ピンと来ねえ
これ納得いく奴いんの?

嘘と色とイメージ

小学6年生の修学旅行で、担任の先生が自作の怖い話をしてくれた
でもなんか内容は入ってこなかった
理由は簡単
先生が「真っ赤な嘘」と言った瞬間に
「なんで嘘って赤色なんだ?」という疑問で頭がいっぱいになったから

中1になった今でも、未だにこの疑問に縛られている
クラスの友達に聞いてみたら「…お前ってバカだよな。」と、求めてない俺への感想が返ってきた

最近クラスの女子の中で「心理テスト」が流行ってるらしい
その中に、"色に関係する" 心理テストがある

せっかくだしその心理テストと俺の思う「色のイメージ」「嘘の種類」を合体して考えてみようと思う

診断結果は最後に見よう
その方がドキドキして楽しい

家に帰ってすぐ、今まで真面目に使ったことのない勉強机へ向かい、そこにあった用紙の裏に適当に書き出した

●赤(熱血?アツい感じ)
嘘:
部活の顧問が言う「これ取れなかったら校庭100周だぞ!」
熱狂的なファンの「死ぬほど好き!」(これはちょっと黒っぽさもある?)
人:
小6の時の担任(サッカー部の顧問で声でかい)
涼太(同クラ、俺のこと「バカ」っていう奴)
あゆ(同クラ、持ち物が赤色ばっか)
●青(冷静、かっこいい)
嘘:
イケメンが予定断る時の「また今度行こ」
人:
翔太(クラス1のイケメン)
祐樹(よく翔太と一緒にいる)
●緑(優しい、ゆったり)
嘘:
いらない物貰った時の「ありがとう」
誰か失敗した時の「大丈夫大丈夫!」
人:
智也(めっちゃ良い奴、俺の親友)
吉田さん(同クラ、静か、園芸委員)
●黄(明るい、眩しい、バカ)
嘘:
山田が言う「俺これ食ったことある!」
マラソンの時の「一緒にゴールしようね」
人:
山田(同クラ、俺よりバカ)
あき(俺の彼女、よく喋る)
●ピンク(なんかチャラい)
嘘:
チャラ男の「みんな大好き」
恋人同士が言い合う「ずっと一緒だよ」
人:
新田(同クラ、名前が「さくら」、可愛い)
もも(同クラ、名前が「もも」、持ち物ピンク多い)
●黒(悪い、強い、怖い)
嘘:
喧嘩した時に言う悪い言葉
詐欺師とかの「良い話」「儲かる話」
人:
じゅん君(部活の先輩、怒ると怖い)
荒川信也(同じ学校の1番のヤンキー)
●白(ピュア、清潔)
嘘:
思い付かない
人:
中根さん(同クラ、めっちゃ美人)

「ざっとこんな感じか。」
やっぱり「色」と「嘘」だけで見ると、内容によって合う色が違うと思う
それに、この中なら「嘘」のイメージで一番しっくりくるのは "赤" じゃなくて "黒" だろ

やっぱ「嘘は赤色」ということに納得いかない
けど、いったんそれは置いといてそれぞれの「色」についての診断結果を見るか

赤:エネルギッシュ、リーダー的存在、情熱的
青:真面目、落ち着いてる
緑:真面目、信頼できる、協調性がある
黄:楽しい人、フッ軽、自分に自信がある
ピンク:女性らしい、母性が溢れている
黒:クール、威厳、神秘
白:純粋、理想の人

「あ~分かる。運動会とかの時、涼太がクラスまとめてくれるかも。あみも、なんだかんだ女子の中心にいるし。…ふんふん。え!ピンクのイメージ全然ちげえ!!!」
診断結果と自分で書きだしたリストを見比べて、割と合ってる気がして結構面白かった

しかし、とんでもない結果も見てしまった…

赤色で浮かんだ異性
→今、一番好きな人です。
黄色で浮かんだ異性
→子どもにしたいタイプの人です。
白色で浮かんだ異性
→あなたが一番結婚したいタイプの人です。

赤…あゆ…「一番好きな人」!?ちっげーよ!!!!!
待て待て。あきは?…「子どもにしたいタイプの人」!?は????
いやまあ、あきとは何となく「付き合う?」で付き合ってるけど…

おいおい
白は…

俺はこの紙を復元不可能なレベルまでビリビリに破いてゴミ箱に捨てた

診断結果が図星だったわけじゃない
シンプルに「色のイメージなんて人それぞれじゃん!くだらない!」って思っただけ

「別に見られて恥ずいとかじゃねえし…」

そう呟いた後、この言葉は「白」だなと思った

「ただいま~」
「おかえり」
「あ、ひろきの机に保護者会のアンケート置いといたから」
「え?そんな紙あった?」
「ある!もう…ちゃんと明日提出しといてね?」
「はーい」

嘘と色とイメージ:後日譚

「保護者会のアンケート集めるから、後ろの人集めて持ってきて~」

(やべっ…見つからねえな~って思ったまま忘れてた…)
「先生…新しい紙貰えますか?たぶん親が捨てちゃって…」
「うーん…明日持ってこれるか?」
「はい」
「じゃあ新しいのあげるから取りに来い」
「すんません…」
ガタッ
「ありがとうございます。」
新しい用紙を受け取って振り返ると、隣の席の涼太がニヤニヤして待っていた。
ガタッ
「お前…どうせただ忘れただけだろ」
「いや、まじで無かったんだって」
「お前の母さん真面目だし、絶対無くさねえって」
「知らねえよ。"机に置いた" って言ってたけど、机に無かったし」
「は?じゃあお前が捨てた可能性あるくね?」
「は??そこまでバカじゃ…」
ふと昨日の出来事を思い出した
「いや…紙使った覚えあるわ。しかもビリビリにして捨てた笑」
「お前やっば笑 流石にあの山田もドン引きだって笑」
「俺??俺その紙食ったから持って来てねえよ?」
「「嘘だる笑」」

休み時間になりトイレに行こうと立ち上がったら、俺の教科書が落ちてビリビリにしたリストの破片が落ちた

(全部捨てたはずなのに…!!)

急いで拾い顔を上げると、目の前に不思議そうに俺を見る中根さんがいた。
「あ、ごめん!邪魔だよね!」
「全然!大丈夫だよ」
彼女が微笑んでくれた瞬間、「白色で浮かんだ異性」の診断結果が頭に浮かんだ
「あのさ…めっちゃ変なこと聞いて良い?」
「え?変なこと?…良いけど。何?」
「中根さんから見た俺って、色で例えると何色?」
「色?うーん…」
思いの外彼女が考え込んでしまい、申し訳なく思って質問を取り下げた
「ごめんごめん。意味わかんないよね!何となく聞いてみただけだから!」
「そう?」
「そうそう!じゃっ」
気まずくなる前にトイレへ逃げた俺は、一人反省会をしながら席に着いた

「伊藤くん!さっきの質問の答え出たよ。たぶん…白!!」

これが…青い春…なのか…?



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