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英文法解説 テーマ5 動名詞 第3回 動名詞の意味上の主語について

 こんにちは。前回は「不定詞と動名詞の使い分け」、前々回は「現在分詞と動名詞の使い分け」について解説をしていきましたが、今回は「動名詞の意味上の主語」について説明をしたいと思います。ところで、今回の説明に入る前に、「テーマ4不定詞 第4回「不定詞の意味上の主語」」の時の説明を覚えているでしょうか?

名・形・副のはたらきを持つとは言っても、不定詞は元々「動詞」だったので、「動詞」らしい側面も持っている。例えば、to play the pianoという不定詞だって、完全に名詞や形容詞や副詞としてはたらいているのではなく、「動詞」らしく「play+the piano」というようにVO関係を持っている。そして、この時に、「『誰が』ピアノを弾くのか」にあたるのが「不定詞の意味上の主語」と呼ぶ。(例 It is a lot of fun for me to play the piano.の意味上の主語は「私」。)

 同様に、動名詞にも意味上の主語という概念があります。

動名詞の意味上の主語 基本パターン

 まずは、動名詞を用いた簡単な例文から確認していきましょう。

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 この例においては、being able to play the pianoの意味上の主語は「私の兄[弟]」です。実際に日本語に訳してみても分かると思いますが、この場合、この文のS(主語)に対応しています。基本的には、このように「その文のS(主語)」が動名詞の意味上の主語であることが多いです。

しかし、動名詞自体がその文のS(主語)である場合は、動名詞の意味上の主語が「発話者」や「一般の人」になったり、その文のS(主語)とは違う名詞が意味上の主語として置かれたりする場合もあるので、次の規則性に従って考えると良いでしょう。

動名詞の意味上の主語 ルール

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 ①の例は最もオーソドックスなパターンで、先ほども説明した「その文のS(主語)」に対応しているものです。②も、そこまで意識しなくても、日本語に訳した段階で直感的に分かるようなパターンだと思います。ただ、こういうのを分類したうえで改めて規則性を意識することが英文法では重要です。

 ③に関してですが、動名詞opening the windowの直前にある代名詞「my」が動名詞の意味上の主語になっているので、「(私が)窓を開けても、(あなたは)構いませんか?」という意味になっています。もし、この「my」が書いてなくて、Do you mind opening the window?であれば、意味上の主語は、この文のS(主語)であるyouになるので、「窓を開けてくれませんか?」となります

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 ここでは、動名詞の意味上の主語として、代名詞の所有格を用いましたが、他動詞の後ろの場合は、目的格(この場合だったらme)でも可能です。また、代名詞以外では、名詞をそのまま置いたり、「名詞’s」のようにアポストロフィ+sでも可能です。

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 例えば、上記の(2)をDo you mind me opening the window?とすることが可能です。また、He is proud of his father[his father’s] being a celebrity.「彼は自分の父親が有名人であることを自慢している」のように、代名詞以外でも、普通の名詞を動名詞の意味上の主語にすることができます。

動名詞の意味上の主語 練習問題

 「意味上の主語」にもかかわらず、所有格や目的格の代名詞を用いることから、「○○の」とか「○○を」のように誤訳しがちですが、意味上の主語なので「○○が」と訳すことが重要です。少し例文で練習しましょう。それぞれの下線部の意味上の主語を指摘し、英文を和訳してみてください。

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 1.の意味上の主語はyourで、「あなたが自分の宿題をするよう彼は言い張った」という意味です。2.の意味上の主語はmyで、「私が駅に着くとすぐに電車は出発した」という意味です。ちなみに、On+Vingは「するとすぐに」という意味になります。3.の意味上の主語はhis new bookで、「私は彼の新しい本が出版されるのを楽しみにしています」という意味です。4.の意味上の主語はHisで、「彼がそのことに文句を言ったことが彼女を怒らせた」という意味です。無生物主語構文になっています。

 ところで、今回は「動名詞の意味上の主語」について解説してきましたが、「時制」や「態」に関してはどうでしょう?例えば、1.He insisted on your dong your homework.におけるdoing your homeworkの時制はいつでしょうか?また、3.I’m looking forward to his new book being published.という文は、being publishedの個所が受動態になっています。このあたりの話を次回、詳しく解説していきたいと思います。ご期待ください。


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