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英文法解説 テーマ4 不定詞 第5回 不定詞を含むイディオムを攻略しよう!

 こんにちは。テーマ4「不定詞」もとうとう今回が(とりあえず)最終回です。文字カウントを確認すると、前回までの4回分ですでに12,000文字オーバーです。冗長にならないように気を付けていますが、どうしても詳しく書こうとすると文量が増えてしまいますね。というわけで、今回も詳しく解説していきたいと思います。

 今回のテーマは「不定詞のイディオム」です。要するに、「ここは覚えましょう」という範囲になります。そもそも、慣用表現(まあ、ここでは「イディオム」とほぼ同じ意味だと思ってください)というのは、理屈うんぬんよりも、一般的にはよくこう使われているよ(=習としていられている表現)、という「お馴染みフレーズ」なので、覚えてしまった方がラクと言えばラクなんですね。

 例えば、前々回に登場した、in order to V「~するために」も、orderの辞書的な意味は?とか前置詞inが用いられている文法上の理由は?とか考えるよりも、「~するために」と覚えた方が早いですよね。なので、機械的に覚えた方が効率的なものは覚えてしまうと割り切った方が得策だと思います。もしくは、大量の英文を読んで、経験を通して身に付けるかです。ネイティブスピーカーはもちろん後者ですが、少なくとも日本人の英語学習者の多く(語学マニア以外)にとっては、前者の方が良いのではないかと思います。

不定詞を含むイディオムその1(暗記もの)

 というわけで、まずは、機械的に覚えた方が良いものを次に列挙します。

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 細かい注意点を言うと、so as to Vは文頭では使えない、とかso to speakは挿入句で使う、とかありますが、全般的には文頭で用いられるものが多いかもしれませんね。こういうものは、何回か音読して(できれば、例文単位で)覚えてしまうのが良いでしょう。

不定詞を含むイディオムその2(理解もの)

 次に、不定詞が含まれている「程度」や「基準」を表す慣用表現の説明に移ります。要するに、一般的にはenough to V構文too to V構文と呼ばれるものです。まずは、使い方と例文を確認しましょう。

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 enough to Vに関しては、enoughの辞書的な意味「十分な」をもとに、「するのに十分なほど」という和訳で覚えている人も多いのですが、「するくらい」でOKです。

 また、too…to Vに関しても、「あまりに…すぎてVできない」というように、不定詞の箇所を否定的なニュアンスで覚えている人が多いのですが、これだと、文全体が否定文の場合に和訳が不自然になってしまう(I was not too tired to chat with my friends.「私はあまりに疲れていなかったので友人とおしゃべりできなかった(??)」)ので、「Vするには…すぎる」の方がおすすめです。

 これらは、「テーマ4不定詞「第3回「副詞用法の不定詞」」で、「形容詞修飾の副詞用法」として紹介したパターンに分類されるものです。形容詞や副詞というのは、もちろんそれ単独でも意味を成すのですが、近くにsoやenoughがあると、「じゃあ、どれくらい『形・副』なのか?」という情報が加わる合図になります。そこで、副詞用法の不定詞を用いられることで、「するほど」「するには」という意味が加わります。ポイントは、形容詞修飾の不定詞が後続するかもと予測をすることです。

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 ちなみに、enoughは、同じ意味を持つ副詞sufficientlyでも代用ができるのですが、その場合は語順が多少変わり、「sufficiently+形・副+to V」となります。また、「so+形・副+as to V」という構造になることもありますが、これはso that構文の変形(that SVの個所がas to Vになった)と考えて差し支えないと思います。

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 というわけで、不定詞を含むイディオムは以上になります。マニアックなものにこだわるのではなく、基本的なものを確実にマスターしていくことが重要だと思うので、全部で10個の表現に絞りました(うち8個は暗記ものですが…)。まあ、これから先の「動名詞」や「分詞」でも同様にイディオムを紹介するので、不定詞という一分野でこれくらいなら十分ではないでしょうか?

 準動詞の第1弾として「不定詞」を全5回に渡って解説してきましたが、いかがだったでしょうか?準動詞というコンセプトはしっかりと把握したまま、それをベースに次の「動名詞」「分詞」を学習してもらえたらと思います。ではまた!Have a good study!


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