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英文法解説 テーマ7 助動詞 第2回 意外と難しいwillの攻略法

 こんにちは。今回は、助動詞willについて解説していきたいと思います。助動詞willというと、「未来時制」というイメージが強いと思いますが、それだけではありません。実は、「現在時制」を表すこともできます。また、「テーマ2 第2回「「未来形」と言ったらベテラン講師から皮肉られる!?」」でも解説したように、willとbe going toは必ずしもイコール関係ではないので、そのあたりもおさらいしたいと思います。

助動詞willの基本的な意味

 助動詞willと言えば、「するつもりだ」「するだろう」など、未来時制を表すという印象があると思いますが、それら以外の意味もおさえていきましょう。もちろん、辞書に掲載されているwillの意味を全て列挙するわけにはいかないので、主要なものを中心に解説します。

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 細かいことを言うときりがないのですが、いわゆる受験英語として押さえておきたい基本的なwillの意味はこの5つです。まずは、未来時制を表すwillから解説していきましょう。

未来時制のwill

 未来時制を表すwillには3つのパターンがあります。まずは、それらを例文で確認しましょう。

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 どれも日常会話レベルでよく見かける表現です。(3)の「依頼」に関しては、Can you ~?Won’t you ~?でもOKです。また、Would you ~?Could you ~?になると、より丁寧さが増すと言われています。

 また、willと言えば、be going toに書き換えられるという印象があるかもしれませんが、「テーマ2 第2回「「未来形」と言ったらベテラン講師から皮肉られる!?」」での解説をおさらいしてみます。

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 助動詞willは「意志(するつもりだ)」を表します。一方で、be going toは、現在進行形と同じ構造をしていることからも分かるように「今、未来に向かって進んでいる最中の動作」というイメージです。ざっくりとした使い分けとしては、willだと「その場で決めた意志」「願望」など主観的なニュアンスが強く、be going toだと「あらかじめ決められていた予定」「自然に起きるであろう状態」など客観的なニュアンスが強いように感じます。

 このように、willとbe going toは、前者は主観性が強く、後者は客観性が強いというイメージで考えてもらえると分かりやすいと思います。

現在時制のwill

 助動詞willは「未来時制」というイメージが強いと思いますが、「現在時制」を表すことができます。それが、「習性」と「現在の習慣」です。「現在の習慣」の場合は、副詞oftenを伴い、will often Vとなっていることが多いです。例文で確認しましょう。

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 どちらも、「現在時制」を表しています。ひとつ注意点があります。「習性」や「現在の習慣」というのは、別にwillを用いなくても、「現在形」を用いるだけでも表すことができるというのを覚えているでしょうか(「テーマ1 時制 第1回「現在形と過去形について」」を参照)?

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 実は、「現在時制」には「不変の真理」「習慣的にしている行動」というのも含まれているので、現在形を用いても「習性」や「現在の習慣」を表すことは可能です。ということは、上記の例文(4)(5)は、現在形を用いると次のような文になるはずです。

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 willを用いた場合と比べると、「するものだ」や「よく~する」という日本語訳が抜けただけです。このように、現在時制を表すwillと現在形には密接な関係があるので、そのあたりを知っておくと、英作文などに応用することもできるでしょう。

 今回は、助動詞willのみを扱いましたがいかがでしたでしょうか?「助動詞will=未来=be going to」というイメージだったものが、幅広くそして豊かに拡張していくという感覚がつかめれば良いと思います。もちろん、助動詞willが用いられる場面は、これら以外にもたくさんありますが、基本的な文法理解という側面からはこのくらいで十分です。

 ところで、ここまで、willの説明時にわざわざ「助動詞will」と書いていたのに気づいたでしょうか?willは、名詞として用いられると「意志・遺言」という意味があるのです。助動詞willに「するつもり」という意味があるのもここでつながりましたね。

 さて、次回は助動詞shouldについて解説したいと思います。このshould、実は日本語に訳さなくてもいいケースがあるのですが、それはまた次回お話します。ご期待ください。

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