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英文法レクチャーシリーズ

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英文法解説記事をまとめました。各記事は基本的に無料で公開されています。是非、ご覧ください。*分野ごとにまとめた有料記事もあります。
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#受験勉強

英文法解説 テーマ3「受動態」 第3回 日本語では「する」「している」なのに英語では受動態!?

 こんにちは。受動態を解説するのも今回で3回目です。前回は、時制の形式「○○形」と受動態が組み合わさったパターンについて確認していきました。今回は、語形というよりもむしろ「訳し方」について解説したいと思います。「え?受動態の訳し方って「される」でOKでしょ?」とほとんどの人が思いがちなテーマなのですが、実はそうとも限らないので、しっかり基本から解説していきたいと思います。  まずは、次の例文から考えていきましょう。  (1)のbe marriedはここでは現在完了形で用い

英文法解説 テーマ3「受動態」 第2回 潜んでいる受動態を見つけよ!

 こんにちは。前回に引き続き、今回も「受動態」の解説です。前回は、「態(Voice)」という概念を「動作の方向性」だと考えたうえで、能動態と受動態についての基本的な考え方を解説していきました。今回は、様々な文法形式の中に受動形(be動詞+過去分詞形(Vp.p.))が潜んでいるケースについて解説していきたいと思います。 時制と態 まず、「態(=動作の方向性)」という概念は、「時制」とは別の次元の概念だということを確認しましょう。たとえ、過去時制や未来時制でも「した・された」「

英文法解説 テーマ1「品詞と文型」 第10回 形式主語構文と形式目的語構文について

 どうも、こんにちは。「品詞と文型」もついに最終回になりました(次回からは別のテーマになります)。初回からここまで、「品詞とは?」という話から始まって、「基本5文型」のそれぞれの文型の解説までかなり時間をかけて詳しく解説してきましたが、今回は、形式主語構文と形式目的語構文について解説していきたいと思います。前者は仮主語構文と、後者は仮目的語構文とも呼ばれていますが、どちらの呼び名で覚えても構いません。 形式主語構文について基本から解説  早速、形式主語構文から説明していきま

英文法解説 テーマ1「品詞と文型」 第9回 使役動詞が分かれば世界が広がる!

 こんにちは。プロ予備校講師のタナカケンスケです。今回も丁寧かつ分かりやすく英文法を解説していきたいと思います。よろしくお願いします。 さて、第5文型の解説もここまで3回分続けてきました。前回までで、「S+V+O+C(名詞または形容詞)」、「S+V+O+C(to V)」、「S+知覚動詞+O+C(V原形/Ving/Vp.p.)」の3つのパターンについて解説してきましたが、いかがだったでしょうか?今回は、第5文型の真打ち(!?)こと、「使役動詞」の解説をしていきます。ここが分か

英文法解説 テーマ1「品詞と文型」 第8回 知覚動詞って何だっけ?という人へ

 今回は、第5文型の第三弾ということで、「知覚動詞」について取り上げます。「知覚動詞」というのは文字通り「五感」を表す動詞で、「見る・聞く・嗅ぐ・感じる」などの意味を持ちますが、まずは次の3つの動詞を使って説明していきましょう。 知覚動詞とは?から始めよう  上記のように、seeは、正確には「見る」ではなくて「見える」という意味で、hearは、「聞く」ではなく「聞こえる」という意味なので注意してください。対象物が視界に入ってくることが「見える」でsee、音が耳に入ってくる

英文法解説 テーマ1 品詞と文型 第7回 第5文型の頻出パターン「V+O+to V」について

 こんにちは。前回に引き続き第5文型を扱っていきます。前回は、「S+V+O(名詞)+C(名詞または形容詞)」というパターンの第5文型について説明していきましたが、今回はC(補語)の語形がto不定詞になっているパターンについて解説します。 SVO+to Vパターンの基本 そもそも、C(補語)というのは、名詞、または形容詞が用いられる位置(第1回「品詞の理解」を参照してください)なので、なぜto不定詞が用いられるのだろうか?と疑問に思う人もいるかと思います。実のところ、to

英文法解説 テーマ1「品詞と文型」 第3回 動詞って意味さえ覚えればいいの?

前回までのおさらい  前々回と前回で、はたらきとしての品詞を覚えれば、英文のパターンが理解しやすくなる、ということを解説しました。少しだけ、おさらいしておきましょう。  ここまでで、あることに気づいた人もいるかもしれません。「例えば、動名詞って「名詞」としてはたらくことができるってことは、第2文型や第3文型に使っていいんじゃないかな?」そうです!品詞のはたらきを理解することのメリットはまさにこういうところにあるのです。例えば、第3文型を「動名詞+名詞+動名詞」という語順で書

英文法解説 テーマ1「品詞と文型」 第2回 文型って要するにどういうこと?

 前回は、「品詞」を「辞書的な意味」ではなく、「文法的なはたらき」として考えてみよう、という話でした。そして、たくさんの「○○詞」を丸暗記するのではなく、「文法的なはたらき」という点から、①名詞、②動詞、③形容詞、④副詞の4つをおさえよう、というのがポイントでした。 品詞の考え方を文型に応用するってどういうことか?  今回は、これらの基本的な品詞を使って、「品詞と文型の関係」について少し説明してみようと思います。いきなり基本5文型の全てを解説するのはさすがに重たいので、ここ

英文法解説 テーマ1「品詞と文型」  第1回 品詞を理解するのはコスパが良い!という話

品詞とは何か? まず、「品詞」とは何でしょう?  そう訊かれたら、おそらく、各単語を意味的に分類したもの、というイメージを持つ人が多いと思います。いくつか挙げていきましょう。例えば、「book(本)」「cat(ネコ)」「apple(りんご)」は名詞で、「read(読む)」「run(走る)」「eat(食べる)」は動詞ですね。さらに、「interesting(面白い)」「soft(やわらかい)」「delicious(美味しい)」は形容詞です。他にも、slowly(ゆっくり)は副