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英文法解説 テーマ3「受動態」 第2回 潜んでいる受動態を見つけよ!

 こんにちは。前回に引き続き、今回も「受動態」の解説です。前回は、「態(Voice)」という概念を「動作の方向性」だと考えたうえで、能動態と受動態についての基本的な考え方を解説していきました。今回は、様々な文法形式の中に受動形(be動詞+過去分詞形(Vp.p.))が潜んでいるケースについて解説していきたいと思います。

時制と態

 まず、「態(=動作の方向性)」という概念は、「時制」とは別の次元の概念だということを確認しましょう。たとえ、過去時制や未来時制でも「した・された」「するだろう・されるだろう」というように、「態」はどちらの方向でも表すことができます。また、現在完了形や過去完了や未来完了形など、完了形とともに用いることができます。ということは、「時制」の回で学んださまざまな時制の語形と「態」を組み合わせることができます。次の表でそれぞれの組み合わせを確認しましょう。

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 もちろん、冷静に考えれば分かると思うのですが、英文中で見かけたときにすぐに「受動態」だと気付けるかどうか、英作文を書くときに正確に使い分けられるかどうかがポイントです。特に注意が必要な「完了形と受動態の組み合わせ」を例文で確認しましょう。

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 完了形とともに用いられると、受動態を形成している「be動詞+過去分詞形」のbe動詞が、beenになるので、結果的に過去分詞形(Vp.p.)が連続している(been+Vp.p.)というのがポイントです。

進行形と態

 他にも、受動態は「進行形」と組み合わせることができます。

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 進行形も受動態もどちらもbe動詞を用いることでできる語形なのですこし混乱しそうですが、一つ目のbe動詞(is/am/are/was/were)は「進行形」を作るためのもので、二つ目のbe動詞(being)は「受動態」を作るためのものなので、そのあたりを意識しながら例文で確認しましょう。

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 実際には、(6)の例のような未来進行形と受動態の組み合わせはそれほど見かけることは多くないと思いますが、現在進行形および過去進行形と受動態の組み合わせはよく見かけるので慣れておく必要があります。

 さて、ここまでくると、「完了形」と「進行形」と「受動態」が組み合わさったような、超複雑な語形まで考えられそうですが、そういう組み合わせは現実的には用いられないので安心してください。さすがに、will have been being Vp.p.とか書かれてもなんだか分かりませんから。

 ここまでは、V(述語)の位置に「受動態」が組み込まれているケースについて解説をしていきましたが、「動詞あるところに受動態もありうる」と言ってもいいくらい、to不定詞や動名詞に受動態が組み込まれることもあれば、そもそも過去分詞形はV(述語)以外の位置で用いられると、基本的には「受動」の意味を持つ語形です。このあたりの話は、「不定詞」「動名詞」「分詞」の回で詳しく解説する予定なので、今の段階では、「各時制を表す動詞の語形」と「受動態」が組み合わさったパターンをしっかりマスターしてください。

 次回は、英語では受動態なのに、訳してみると「する」という能動態のような日本語になってしまうパターンについて解説したいと思います。なぜこんな不思議なことが起きるのか、基本からきっちり解説していきます。ご期待ください!


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