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小学校の教員になってよかったこと

 私は現在うつ病で病休をとっています。動悸もするし、食事もまともにとれていません。しかしながら現場に復帰するのか、転職するのか、いずれ決断しなければなりません。病気の今、仕事の嫌いなことばかり考えてしまいます。ですが、今まで続けられてこられたのは悪いことばかりではなかったからだと思うのです。そこで、今回は教員になってよかったことを冷静に振り返りたいと思います。


子どもが成長する喜びと確かな信頼関係

 私が日々仕事から感じていた一番の喜びは子供から得られるものだったのかもしれません。

  • 子どもの成長する場面に出会える

  • 一緒に過ごす時間と信頼関係

子どもの成長する場面に出会える

 子どもたちはいつも驚くくらい前向きで素直な気持ちで授業に臨んでくれます。授業をする中で子どもたちは「筆算ができるようになった。」「嫌いなものが食べられた。」「英語で話せるようになった。」など、本当に自分の目の前で成長し、その喜びを全力で表します。教員はありがたいことに、子どもの成長するまでの努力や苦労、喜びなどの過程を身近に見て、感じることができました。そのときには、私も心が明るい気持ちになり、やる気の源になっていたと思います。

一緒に過ごす時間と信頼関係

 担任をすると1年間子どもたちと同じ空間で、共に学び、共に過ごすこととなります。遊び盛りの子供たちに一日5~6時間勉強させるのは容易なことではありませんので、時には叱ったり、過ちを指摘したりと嫌な役割もしなければなりません。年度始まりの4月や5月は子どもたちと担任での許容範囲の探り合いが起こります。「授業中に友達と相談しても叱らないけど、関係ないことを話したら叱られた。」「この先生は、掃除をさぼっても許してくれる。」「この先生は、時間を破ったら叱る。」など、この時期の子どもたちは敏感に教員の反応を感じ取っています。しかしながら、3学期の年度終わりが近づくと、お互いの立場をわきまえた上で、とても良好な関係を築けるようになります。それがとても心地いいのです。なぜなら、お互いが真剣に1年間、真摯にぶつかってきた結果であり、自分の頑張りが形となった瞬間なのです。この頃には子供と授業を一緒に作り上げる楽しさを味わえます。この信頼関係の心地よさは教員独特の良さであると感じます。 

奥が深い授業づくり

 教員の醍醐味の中にあってはずせないもの。それは授業づくりです。

  • 新たな発見の連続、教材研究

  • 児童の実態と摺り寄せるワクワク感

  • 失敗の連続の中、得られるもの

新たな発見の連続、教材研究

 学校の先生には授業をする上で好きな教科や得意な教科があります。私の場合は英語と国語の授業づくりをするのがとても好きです。教材を研究したり、学習指導要領解説や本を読んだり、ネットで教材観を調べたりして多様な考えに触れることができます。そうした中で自分の教材に対する見方が変容していくのがとても楽しいです。

児童の実態と摺り寄せるワクワク感

 2学期ぐらいになると、個々の児童の得意、不得意が分かってきます。教材を見て、「どんな発問をしたら理解できるかな。」と理解できる児童の姿を想像します。自分の持てる知識と技術とアイデアを児童の実態から引き出すワクワク感がありました。ゲームで例えるなら、持っているアイテムや使える技などを考慮して、敵をどうやって倒すのか考えるようで楽しかったです。

失敗の連続の中、得られるもの

 土日も使って、必死に授業の準備をしますが、うまくいく授業はあまりありません。年に3回あればいい方です。99.9%が改善の余地があるな~と感じる授業ばかりです。次の日の授業を考えるときに、「今日の授業はどうしたらよかったのかな。」と少し考えるようにしてきました。そうすることで少しずつ時間の使い方や発問の出し方、準備の仕方に変容が現れました。少しずつ自分でも授業が楽しくなってきていると実感もありました。失敗ばかりの授業でしたが楽しめるところもありました。

充実した福利厚生や給与

  • 充実した福利厚生

  • 安定した給与

充実した福利厚生

 今回の病休で福利厚生のありがたさが身に沁みました。病休がとれるということ、すぐに離職しなくてすんだこと、本当にありがたいです。多くの教員の方が産休、育休、介護休暇などの制度も利用されていらっしゃるのを見て安心します。

安定した給与

 教員は地方公務員の一員です。そのため、リストラや倒産がありません。犯罪を犯さない限り、仕事を続けることができるのです。安定して給与をいただけることもありがたいことです。

おわりに

 今は職場で辛かったことや苦しかったことが胸でいっぱいですが、私にとって前向きなこともたくさんあったのだと気づけました。職場に戻る勇気はまだないですが、悪いことばかりではないことも事実です。どうしたいのか、これからも考えていきます。最後まで読んでいただきありがとうございました。

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