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①-(4)「先生」という仕事について、担任以外で大変だったこと②

こんにちは、高校の先生です。

以前の記事で、担任で大変だったこと3選と、

担任以外で大変だったこと①を、

それぞれ紹介してきました。

今回は、担任以外で大変だったことの第二弾です。

今回紹介するのは、ずばり【部活動】です。


◯部活動で大変だったこと

(1)勤務時間の長さ

私は小学校5年生から高校3年生までの8年間、野球部に所属していました。

私の生い立ちについては、自己紹介のページで書かせてもらっていますので、よければ読んでみてください。

初めて採用された当時は、特に何も考えず「指導可能な部活動」の欄に「野球部」と記載しました。

私の地元では「野球部の監督=体育の先生」のケースが圧倒的に多かったので、「英語の先生だから大丈夫だろう」と軽い気持ちで記入してしまったところ、採用1年目の夏からいきなり監督を務めることに…。

当時部活に充てていた時間は概ね次の通りです。

1.朝練:月・水・金の7:30〜8:15
2.平日:月・火・水・金の16:00〜18:30
3.土日祝日:12:00~18:00

もちろん時期によって時間のずれ(夏は長く、冬は短くなりがち)等はありましたが、概ね1年間このスケジュールです。

平日は基本的に7:30〜19:30、土日祝日は8:30〜18:00くらいまで職場にいることが多かったです。(土日の午前中は大体職員室で授業の準備をしていました。笑)

私が勤務していた学校はグラウンドがあったので、土日の午前中に授業準備をすることができましたが、グラウンドがない学校の顧問の先生だと毎週土日に部活で遠征をしており、「いつ授業の準備をしているんだろう?」と思ったくらいです。

また、野球部はオフの少なさでも有名です。(今もそうなんでしょうか?)

基本的に、練習試合が解禁になる3月から11月末まで、土日はほとんど試合を組んでしまいます。しかも1年前から。

夏の大会が近づく4〜7月は特に休みが少ないです。

前任校では、5月のGW最終日のオフから7月末の成績処理が終わるまで、1日休みが全くない生活が5年続きました。(約90連勤…!?

年末年始は比較的休みが取れるものの、秋の大会がお盆明けすぐにあるためお盆休みもろくに取れず、当時の年間での休日数は30日程度だったと思います。

よく5年間やってこれたなと思うのと、愛想を尽かさず付き合ってくれた今の妻に感謝です。

(2)手当の少なさ

それだけ長時間働いているんだから、それなりに手当が出るのでは…?と思われている方もいるかもしれませんが、そうじゃないのが学校の先生の厳しさですよね。

正確な数字をお伝えすると自治体が明らかになってしまうので少しぼかしますが、部活動に係る手当は概ね次の通りです。

平日1時間以上:約500円
休日3時間以上:約3,000円
休日公式戦1日:約5,000円

教特法なるものがあり、教員の給与水準はある程度上げられているからしょうがないのかもしれませんが、せめて最低賃金くらいは保証してほしいですね。

平日、土日にフルで部活動があっても、手当は多くて月30,000円程度だった気がします。

勤務時間の割に手当が少ない点が部活動の大変さの2つ目です。

◯考え得る対応策

現在2校目で勤務し、比較的部活から距離を置いている今だからこそ思う、当時の自分に伝えたい対応策としては次のようなものが挙げられるでしょうか。

(1)輪番制

どこの学校も必ず各部活動に複数の顧問を置いているはずです。

今思えば、もっと他の顧問の先生に仕事をお願いすれば良かったと反省しています。

技術指導や、監督としての仕事(練習試合・公式戦)はやむを得ない部分もありますが、それ以外の会計、顧問会議への出席、平日の練習や土日の練習(特にオフシーズン)はもっと積極的に輪番制にしてもよかったと思っています。

「部活がしたいから先生になった!」という人にとっては、もちろん部活動から得られる幸せを存分に味わってほしいですが、必ずしもそんな先生ばかりではないと思います。

少しでも休みを増やし、心身ともにリフレッシュした状態で生徒に対応した方が成果も出たかもしれません。(生徒にももう少し休みを与えるべきでした。)

(2)外部コーチに依頼

公立高校ではまだまだ積極的に活用できていないことも多いですが、部活動インストラクターや嘱託のコーチを雇う環境も少しずつ整ってきたように思います。

今は外部コーチが単独で部活動の指導をできるケースも増えてきているようなので、外部人材を積極的に活用することも、先生の部活動の負担を減らすことにつながると思います。

生徒にとっても複数の視点からアドバイスをもらえたり、先生とは別の大人から指導される経験も有意義なものになり得るのではないでしょうか。

◯まとめ

今回は、先生の仕事の大変な点として【部活動】を挙げさせていただきました。

勤務時間の長さと手当の少なさから、先生の仕事を「ブラック」にしてしまっている一つの要因ではありますが、昨今では様々な対応策もあるように感じています。

また今回は、先生にとっての部活動の負の面にだけ目を向けましたが、もちろん素晴らしい点も多々あります。

そちらについてはまた後日、別の記事をあげたいと考えています。

これから先生になろうと思っている人や、今部活動の大変さに苦しんでいる先生の少しでもお役に立てれば幸いです。



ここまで読んでいただきありがとうございました。

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