『神々が現れるはずの夜』とは
アマゾンKindleにて独占販売されている怪奇小説『神々が現れるはずの夜』。これは私が世に送り出した、現代日本が舞台のクトゥルフ物です。
この『神々が現れるはずの夜』を書くにあたって参考にしたクトゥルフ小説は、創始者であるH.P.ラブクラフトの作品群――創元推理文庫の「ラブクラフト全集1~6」と、ロバート・E・ハワードの「黒の碑」&「英雄コナンシリーズ(旧訳版)」のみです。それ以外の作家が書いたものは、一切参考にしていません。それどころか、読んですらおりません。
ですので、この『神々が現れるはずの夜』は、それら創元推理文庫の作品群で使用されている言葉使いや表現を意識的に踏襲して書かれています。そもそもタイトルである『神々が現れるはずの夜』という言葉も、それらの作品群からの引用です。
「ラブクラフト全集」の6巻に『蕃神』という短編が収録されていて、その中に、
という文章があって、ここから『神々が現れるはずの夜』という言葉を拾いました。あと、ここに出て来る「ハテグ=クラ」という言葉も、『神々が現れるはずの夜』に登場します。
『神々が現れるはずの夜』はクトゥルフ物でありながら、冒頭ではほとんどクトゥルフ信仰に関係するエピソードは登場しません。クトゥルフ物で超有名なある人物の名前のみが登場し、それ以外はクトゥルフと関係ない(と思われる)不条理な出来事がひたすら描かれます。その不条理な出来事は夢の中でも続き、主人公は徐々に得体の知れない不安を感じるようになります。
『神々が現れるはずの夜』は起・承・転・結の四幕構成になっているんですが、起の部分には、その主人公に降りかかる不条理な出来事だけが描かれています。クトゥルフの要素は匂わすだけです。
なぜそういう構成になったのかは、こちらのnoteをどうぞ。
『神々が現れるはずの夜』のあらすじ(序盤)については、こちらのnoteをどうぞ。
起で主人公たちは奇妙な事件に巻き込まれ、その解決の手掛かりを得るために、急死した恩師の一族が住んでいた土地へ調査のために赴きます。ここからが承になります。
その土地で得た情報は、その地に息づいていた奇怪な民間伝承と、恩師の一族が「女しか生まない家系」であったことと、恩師の父親が発狂していたことと、そして、その発狂した年が1925年であったこと――だった。
1925年というのは、ラブクラフトの「クトゥルフの呼び声」の舞台年です。ここから徐々に、ラブクラフト&ハワードの作品群と『神々が現れるはずの夜』の世界がシンクロして行きます。
物語が一気にクトゥルフに染まっていくのは、この承の中盤あたりからです。ここから主人公は、世界の裏側で古代から連綿と続いている暗黒宗教の存在を確信する出来事に遭遇し、その信者たちが行おうとする大それた儀式の全貌を暴き、食い止めるために奔走します。
その大それた儀式とは、星を動かし、神々の封印を解くこと――。これはつまり、クトゥルフ愛好家にとってお馴染みのあの言葉、
を実現する儀式なのです。
この儀式の構成も、ラブクラフトの著作から着想を得ています。それは「蕃神」と同じ「ラブクラフト全集」の6巻に収録されている、「未知なるカダスを夢に求めて」に出て来るナイアルラトホテップの以下のセリフから、です。
このセリフをもとに『神々が現れるはずの夜』作中に登場する星を動かす儀式と、その儀式を阻止する方法を考えました。それがどういったものなのかは、是非『神々が現れるはずの夜』を実際に読んで確かめて下さい!
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ナイアルラトホテップと言えば、「這い寄る混沌」の通り名を持った、クトゥルフ作品群のトリックスターとしてお馴染みのキャラクターです。作品によっては人間に味方したり、ユーモラスなキャラとして描かれていることもありますが、『神々が現れるはずの夜』では、徹底して不気味で邪悪な、決して人間に味方しない存在、暗黒の神の化身として描いています。
『神々が現れるはずの夜』には、ナイアルラトホテップのほかにも、クトゥルフ物でお馴染みのキャラクターが数多く登場します。しかしそれは、序盤ではなく、承の中盤あたりから転にかけてです。「試し読み」では起しか読めません。
地方に伝わる怪奇風味の民間伝承が、いかにしてクトゥルフ信仰に結びついて行くのか・・・。
謎が一つずつ解き明かされ、真相に近づいて行く醍醐味を味わうには、『神々が現れるはずの夜』を買って読むしかないのです!(※ダメ押し)
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