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【実務未経験、就活中の人向け】デザインスキルの可視化をやってみよう!

元WEBデザイナーが、デザインの仕事についてつらつらと書いていきます。今回は、ポートフォリオに掲載するスキルの可視化について語ります。職業訓練、スクールで学んでいる人や就活中の人に読んでいただければ幸いです。


Photoshop、Illustrator使えます!ではまったく刺さらない

実務未経験者のポートフォリオのスキル欄でよく見かける傾向として、使えるツール、知識等をただ列記しているだけ、というものがあります。(時折実務経験者のポートフォリオでも見かけます。)

それは、例えるなら大工さんが「家を建てたことはありません!のこぎり、金づち、のみ、かんなが使えます!」と言っているようなものです。それってプロとして仕事をするのなら全部使えて当たり前だと思いませんか?

採用担当者としては「どんなスキルがあって、具体的にどの程度できるのか?」が知りたいのです。使えて当たり前、できて当たり前の事を列記されても、まったく刺さりません。

どれくらい使えるのかを数値化、可視化をしてみよう

クリエイティブ系の業務委託、派遣のエージェントに登録する際に、スキルシートの記入が必須になりますが、ツールの練度、習熟度を計るために具体的な数値(大抵5段階評価)を入力する必要があります。評価基準はエージェントごとに異なりますが、上限値は「他人に指導できるレベル」であることが多い様です。

これを踏まえて、実務未経験であってもポートフォリオのスキル欄の可視化、数値化を試みてみると良いでしょう。

実務未経験者の場合、上限値を「他者の指導無しで、支障なく独力で課題に取り組める」と設定して、3段階評価ぐらいで可視化、数値化するのが良いのではないでしょうか。

具体例を挙げると

ツール操作の評価
★★★ 操作に支障なく、独力で課題に取り組める
★★ 基本的な操作ができ、簡単な課題であれば独力で取り組める
★ 操作方法を調べたり、課題に取り組むのに他者の指導が必要

デザインスキルの評価
★★★ コンセプト立案から完成まで独力で課題に取り組める
★★ 与えられたコンセプトに基づき独力で課題に取り組める
★ 課題に取り組むのに他者の指導が必要

といった具合に可視化してみましょう。他人に伝わりやすくなるだけでなく、自身のスキルの棚卸、客観的評価ができたりと、色々メリットがあると思います。

言葉だけ、数字だけの説明でなく、視覚的に訴える要素があると好印象

世間一般的に「デザイナー」に求められる能力として、言葉や数字での説明だけでなく、グラフ、チャート、図表、写真、アイコン、イラスト等を作成、使用して「視覚に訴える、わかりやすい説明をする」事が挙げられます。

ビジュアルデザイン領域の目的は「人に訴える、人の心を動かす」ための仕組みを視覚的に作る事です。

制作物の説明や自己紹介も、言葉や数字だけの説明よりも、チャートやグラフ等、視覚的に訴える要素を加えておくと好印象になりますし、デザイナーとしてのスキルをアピールする事にもつながります。

可視化、実体化はデザイナーの必須スキル

このように、概念、思考の可視化、実体化(時に数値化)のスキルはデザイナーとして仕事をする場合は必須となります。

企画立案、コンセプト作成、要件定義、情報設計等の概念部分の策定、いわゆる「コンセプトワーク」は、実のところデザイナー、デザイン職経験者が担当する必要性は無いのです。実際に、企画職、ブランディング担当者はデザイナー出身ではない人達も多くいます。

ではデザイナー、デザイン職経験者の強みは何かというと、コンセプトワークからアートワーク(概念、思考、アイデアの可視化、実体化)、フィニッシュワーク(紙ならDTP、WEBならコーディング)までを一貫して担当できる能力とノウハウではないかと筆者は考えます。

デザイナーを目指す人はツール操作、フィニッシュワークの練習、デザイン理論の学習だけでなく、アートワークのスキル=「視覚的表現力、造形的表現力」の部分 -アイデア出し~実制作まで- の修練にも力を入れましょう。


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