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クオリティ以外も見られてる! 就活でデザイン実務未経験者の制作物に説得力がない理由

元WEBデザイナーが、デザインの仕事についてつらつらと書いていきます。今回は、実務未経験者の制作物が評価されづらい理由を、品質以外の面から語ります。職業訓練、スクールで学んでいる人や就活中の人に読んでいただければ幸いです。


面接担当がディレクター、経営者だと制作物の「成果」を見ている

デザイン職での企業への就職を目指して就活してみるも、実務未経験者応募可の「まっとうな企業」は意外と少ないことに気付く志望者は多いと思います。

そこで、万が一に期待をかけて、実務未経験者は募集していなさそうな求人にも応募してみる流れになるのではないでしょうか。

面接までこぎつける事ができたとして、面接担当者がデザイナーであった場合、ポートフォリオで見られる箇所は制作物、もしくはポートフォリオそのもののクオリティであることが多いです。

面接担当者がディレクター、経営者であった場合、ポートフォリオの制作物のクオリティだけでなく、それらがどのような「成果」を出したのかまでを見ています。

デザイン、広告等、クリエイティブの成果の有無は意外と判断するのが難しいため、デザイナー、デザイン部門を「コスト」と捉える経営者も多く、デザイナーの採用に対してことさら慎重になる経営者も多い様です。

特に面接担当者が経営者の場合、制作物のクオリティよりも「成果」の方を重要視している可能性は極めて高いです。面接以外でもそうですが、プレゼンで経営者がデザインを言語化して欲しい部分は「何故このデザインなのか」よりも「どのような効果が見込めるか」だったりします。

面接担当者によっては応募者が実務未経験者で、その制作物が実際に運用していない仮想のものしかない場合であっても「成果」の説明、「どのような効果が見込めるか?」「そのデザインにした結果どうなるか?」の説明を要求してくる事もあります。

仮想の課題では「成果」がないから説得力に欠ける

仮想の課題では制作後、実際に運用してどのような効果があったのか、成果を得る事ができません。故に「成果」を求める人達には仮想課題の制作物のみを見せても説得力に欠けるという事態が起こります。

実務未経験者の受け入れも考慮してもらえているのであれば、そのあたり不問にしてくれるでしょうが、即戦力を欲している場合、制作物の品質以上に「成果を出せるものが作れる」ことを期待しているので、実務未経験者が不利になるのは当然と言えるでしょう。

30代後半を過ぎると「成果なし」「成功経験なし」は厳しくなってくる

30代前半ぐらいまでの年齢であれば、実務未経験でもギリギリでポテンシャルのみを考慮してもらえると思いますが、それ以上となると、やはり「実務経験」「成果」「成功経験」が必要になってきます。

また、実務経験者、実績多数の人であっても、「制作、納品して終了」で、その後の運用フェーズでの効果計測のデータの中身や、どのような結果をもたらしたか?までを知らない人は、いくら制作実績を積もうとも、経歴が長くなればなるほど評価されにくくなっていきます。

異業種からの転職は業界の知見、成功経験と再現性の有無がカギ

異業種からデザイン職への転職の場合、制作物以外は評価されない、異業種での実務経験がまったく考慮されないかというと、そういうことはありません。

前職の業界が応募した企業の顧客、エンドユーザーのターゲットに含まれる場合、その業界の事情に明るい事が強みになります。

また、異業種・業界であっても「成功経験」があると、それが評価される場合があります。

どのような業界、業種であれ、成功経験があり、それをロジカルに再現可能な、いわゆる「勝利の方程式の組み立て方」がわかる人は異業種への転職であっても重宝される傾向があります。デザイン、クリエイティブ職でもそれは同じです。

自らの成功経験がデザイン、クリエイティブ職でどのように再現・活用できるのかを考え、武器の一つに加えましょう。(デザイナー志望の場合、制作物のクオリティが高い事が前提になるので、そこもお忘れなく。)


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