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凸凹家族の楽しみ方

【うちの子はトランスジェンダー】

次男はトランスジェンダーFtM。
つまり女性として生まれたけれど、心は男だと言うこと。

ここまでくる道のりは長かったような短かったような。

思えば小さい頃から兆候は見えていた。
七五三の服は全てハカマだ。
(一回無理やり女の子の着せたっけ)

女の子の衣装を着せるととても嫌がったので
もうなんでもいいや!好きなもの着たらどうかなと言うと、喜んではかまと刀を手に取った。

その笑顔見てると、正直衣装なんてどうでもいいかなと思った。
服装で何かしら変わるわけでもないと私は思った。

着たい衣装を着て、ご機嫌になり、思い出になるのであればそれでいいやと思った。

どんな衣装を着ようと本人には変わりない。
長男も長女もいる。
3番目がどっちであろうとどっちでもいいと思った。

本人が楽しく過ごせるなら正直どっちだって関係ない。
男、女である前にうちの3番目であることは変わりない。

【心配だったこと】

でも大きくなると色々不自由な事があるかもしれない。そう思い、小さい頃から色々考え、心の準備をしていた。

そして3番目は中学生になった。
3番目が彼になった

それまで男でも女でもない。
自分は自分だと言っていた3番目が、
自分は男だといったのだ。

彼には色々障害がある。
一つがディスレクシアというもの。
もう一つはADHDだ。

文字がちゃんと認識出来ない。
そしてじっとしていられない。
正直に、思うままに生きている。

そんな彼は学校では浮く。先生には嫌われる。
輪を乱すからだ。

その時は色々な所に謝った。
謝るのがワタシの役割だと思った。

文字が読めずに成績が悪いこと、
特別支援学級に行った方がいいと医者から打診された事はワタシにとってはとても辛かった。

その事を思うと男だろうが女だろうがどっちでもいい。
その事はワタシにとってとても小さなことに思えたのだ。

【でも私は誇らしい】

私はそんな彼を見て頼もしかったし羨ましかったし、誇らしかった。

理由は私は小さい頃自己主張できなかったから。
そして強くはなかったから。

だから自分の意思を自分で伝え、
納得するまで突き進んでいく彼が頼もしくて誇らしくて仕方ない。

私がなりたかった姿を彼がやってくれている。
そんな気がしている。

3番目は今、彼として生きている。
そしてイキイキとして生きている。
自分のことを葛藤しながら発信している。

【完璧じゃなくていい】

そんな事がマスコミに取り上げられつつある。
正直勉強はできない。

でも人間完璧じゃない。

うちの三兄妹
まず、アスペルガーグレーゾーンの長男は歩く百科事典のようである。

理数系が得意で成績は県で1桁の順位だった。

だが、英語はからっきしダメで県でほぼ最下位レベル。体育も嫌いだし苦手。

でも落ち着き、冷静に判断し、標準語敬語で穏やかに話をする所は幼少期から安定感があった。

しっかり者の長女は英語が得意。
偏差値は70を超える。

成績はほとんどが10段階上位。

デザインセンスがあり、絵を描いたり、写真を撮ったり、モノを作ると、とても素敵な作品を作る。

作品は代表として選ばれる事もあるし、ファション業界から作品が欲しいと言われ、作品がTシャツ化されたことがある。

でも、話す事と頭の整理、自己表現の言語化は苦手。

次男は勉強はからっきしだめ。

しかし運動神経は抜群であり、テニスでは県の代表選手。
また自己表現と瞬時の言語化、発想は天才レベルだと思う。
大勢の大人の前で小学生時代からプレゼンし、ラジオや新聞、TVにも取り上げられている。

今では高校生であるが株式会社の代表取締役でもある。

ほんとに三者三様。
3人を足して3で割ったらいいのに。

そんな話を長男にした。
すると、

「そうすると普通になるじゃないですか。
別に3に割る必要はないんじゃないですか?」

と言われた。
そうだな。三者三様なんだ。
皆完璧じゃない。
それぞれ優れたところがあり、苦手なところがある。

それが個性なんだと思う。

そんな子供たちを私は誇らしく思う。

【人生色々、人も色々】

次男はトランスジェンダー。
本人曰く、うちに生まれなかったら人生変わっていたと思うということ。

たしかに。
脳天気なワタシよりところではなく違うところに生まれたら親御さんはさぞかし悩んだかもしれない。

人間色々いると私は思う。

普通であるという事は私にとってあまり魅力的でない。
個性が際立っている方がいいと思っている。

埋もれるより何か他と違ったところが才能になるのではないかと思っている。

【三番目の想い】

次男は性転換についてずっと考えている。
知人に専門の病院を紹介してもらった。

そこなら紹介ということもあり、待ち時間も他よりなく診察から手術まで一通り行えるようだ。

何が正しいかはワタシにもわからない。
でも言えることは本人納得して楽しく暮らせるなら私もそれは嬉しいし、全力て協力したいと言うこと。

本日ようやく病院の第一回の診察を予約をした。
喜んでいるようだ。

【理解は出来ないが寄り添いたい】

何が正しいかはわからないが、自分で決めたことなら納得できるんじゃないかとワタシは思っている。

ワタシはトランスジェンダーではない。
だから彼のことは理解出来ない。
しかし、できるだけ寄り添いたいとは思っている。
わかりたいとは思っている。

うちの子たち3人はワタシの常識をことごとく破ってくれた。もちろんいい意味でだ。

視野の狭かったワタシ。
べき思考が今以上に強かったワタシ。

そんなワタシの価値観を大きく変えてくれたのは3人のおかげだと思う。

【パートナーへの感謝】

そして何よりワタシを見守ってくれているワタシのパートナーのおかげだと思う。

こんなファンキーなワタシと長年付き合ってくれていることを心から感謝しているし、心から愛していると思う。

"愛している"

という言葉が私は嫌いだった。
なぜなら何だか上部だけの言葉のように思うから。

しかしレイプ事件で家族の絆が強まり、夫婦の絆が強まり、愛情が深まったと思う。

"愛している"

この言葉がスッとワタシの心に入ってきた。

ワタシを受け入れてくれた私のパートナーの心の広さと器の大きさに私は感動し、さらに尊敬した。

そんな親の様子を見ていることが、ワタシは何よりの子育てだと思う。

【子育てとは何か】

子育てとは、子供の世話をすることではないということがワタシの価値観だ。

子供が自立すること。
自分で考え、判断し、行動に移す勇気を持つこと。
これが繰り返されると自立と自信につながるとワタシは思っている。

そしてうちの子たちがそれなりに自信を持ち、自立しているのは、何よりワタシが出来るだけ手助けしないことだと思っている。

ワタシは本当は手が出したくてたまらない。
でも口と手を出すとろくなことをしないことを自覚している。

【パートナーシップを楽しむ】

今、ワタシはワタシの人生を楽しむこと、パートナーシップを楽しむことにフォーカスしている。

そして何よりそんな自由奔放なワタシを受け入れてくれているワタシの素敵なパートナーに感謝している。

次男がイキイキして生きている。
そんな様子を見るのがワタシの最近の楽しみである。

また長女が未来に向けて真剣に考え取り組んでいる。
ほんとにすごいと思う。
尊敬レベルに没頭し勉強に取り組んでいる。

そんな様子を見るのも今の楽しみのひとつである。

心が病んでいた数週間前にはこんな事が見えなかった。
今、こうやって素敵な日々の出来事に感謝できているのは私の心が落ち着いてきている証拠だと思っている。

何かしらのトリガーさえなければワタシは確実に戻ると思う。
そしてトリガーに負けない、柔軟性のある心を鍛えていきたい。

【感謝の気持ち】

色々な事を協力し、過ごせるのがワタシの家族である。
ほんとにこの家族に出会えてよかった。

なによりうちの主人であり、人生のパートナーであり、心の拠り所だと思っている私のパートナーに感謝しかない。

いつもありがとう。
仕事がんばるよ。
仕事が出来ることもワタシには嬉しいことであり、感謝しかない。

ほんとにみんなありがとう。


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