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細胞が覚えている

もうすぐシンガポールに旅立つ友人が

「10年後、今見ているものをどう感じるのだろう」

とセンチメンタルなことを言うので、
瞬時に思い出したもの。

数日前、
さとゆみさんの「今日もコレカラ」にあった、

「思い出は全部記憶しているけどね、記憶は全部は思い出せないんだ」

(すべてがFになる/森博嗣より)

さとゆみさんも書かれていたが、
私も全てに恐ろしいほど記憶がない。
幼児期の記憶は断片的だし、
小学生の頃の記憶も曖昧だ。

それでも幼い頃に経験したことは、
私の血となり肉となっている実感がある。
それは、ことばにできない感覚で、
雨の匂いや
季節の変わり目に吹く生暖かい風だったり、
それがすなわち私が大切にしたい
アイデンティティだったりする。

私は普段、海外で育つ子どもたち(サードカルチャーキッズ=TCK)のことを考えている。

人は、口にするもので体を作るというが、
TCKは、目にするもの、吸う空気、触ったもの
食べたもの、聞いたもの、全身を撫でる風、
匂ったもの、そんな体験する全てを吸収して成長する。

それら全ては思い出せないかもしれない、
でも、必ずそれらが彼らの心や身体を創る。

幼い頃の思い出を侮ってはいけないな。
大事に大事に体の細胞に
染み込ませて記憶させておきたい。

毎日楽しみにしている、
さとゆみさんの24時間で消えるコラム
「今日もコレカラ」

いつか、さとゆみさんの講座を受けてみたい。

写真は、タイの桜と呼ばれる、
チョンプー・パンティップ
これが咲くと、春の訪れを感じるのだ。

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