ぼくの眠り方

 子どもの頃、小学生とか中学生の時、寝つきが悪かった。睡眠時間が短かった訳ではなく、しっかりと寝ていた。休みの日は昼過ぎまで寝ていて、母親に叩き起こされた(比喩ではなく)記憶がある。高校生の時だったか?
 寝過ぎていたので、夜に寝つきが悪くなったわけではない。あの頃はいくらでも眠れていたのだ。12時間くらいは軽いものだ。
 どんなに疲れていても、眠れないときはある。もうそれが幾つの時だったかは定かではない。記憶が曖昧だ。しかし寝つきは悪かった。布団に入って、1時間くらいはゴロゴロとしていた。いろんなことを考えて。今日あったこと。ああすればよかったとかの反省。次はこうしようという希望。あしたの予定。期待。願望。そして妄想。
 考える時間はたっぷりあった。

 しかしそれらが苦痛になるときもある。
 早く寝たいと思うのに、眠れない。身体が疲れているのに、休めない。眠たいと思っているのに、目が冴えている。
 本当にこれはなんなんだろうと思っていた。

 そう、過去形である。
 今ではすぐに眠れるのである。
 布団に入って、5分で。3分かもしれない。1分でと言われたこともある。
 それくらい早く眠れるようになった。
 そのために、いろいろなことを試した。

 例えば、羊の数を数えるとか。でもこれは逆効果だった。目が冴えてくる。
 眠たくなるまで寝ないとか。いや寝たいんだ。本末転倒。眠たくなって布団に入ると目が冴えたり。
 まあ、いろいろやった。

 直ぐに出来るわけじゃなかった。
 それで、癖をつけるようにした。「布団に入れば寝る」という癖。
 布団に入ってから、テレビを観ない。ラジオを聴かない。本を読まない。話をしない。何もしない。眠ることに集中するということ。
 これが大事。

 布団に入ってからの、意識の持ち方も考えた。
 あまりいろいろと考えていても眠れなくなってくる。
 頭に浮かんでくるものを、どんどん流していく。頭の後ろに押し出すように。流れの速い川に浮かべるように。黒板を消すように。机の上にあるものを手で払い落とすように。
 何も考えないのが一番いい。

 でも、そういうのはなかなか難しい。何かしら頭に浮かび、漂い、残ってしまう。
 だったら次は自分の眠りをイメージしようと思った。
 特に身体が疲れている時は、身体全体が布団に沈んでいく感覚を想像する。ゆっくりと砂の中に、あるいは水の中に自分の身体の重さで沈んでいく。そして身体の疲れが染み出し落ちていく。
 身体中がとても柔らかいもので包まれていく感触。
 ふわふわと宙に浮かぶ感触。など。
 自分のとても心地よい感触を探っていく。リラックスするということかもしれない。

 あと、呼吸。
 布団の中で頭と身体をリラックスさせる。そして深い呼吸。ゆっくりと長く吸って、ゆっくりと長く吐く。数回それを繰り返す。
 あまりそれを続けても苦しくなってくる。心地よさが大切。

 そういうことをしていると、次第に早く眠れるようになって来た。

 これはぼくの例である。みんながこれで早く眠れるようになるとは思ってはいない。ただ、参考になるかもしれないので、記しておく。


追記
 手足を温める。これも重要なポイント。
 手足が冷たいと眠りにくい。例え眠れたとしても次の日の調子が悪かったりする。
 布団に入る前にお湯で手足を温めたり、布団に入ってからだと身体の暖かい部分に手足をくっつけ温める。
 温かくなると眠りやすい。と思っている。
 眠たくなると手足が温かくなってくるというのを、逆で行なっていく感じ。かな? 赤ちゃんみたい。


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