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『君なら勝者になれる』を読んで

私がこの本をぱらぱらとめくったとき、
次の3つの理由から非常に興味が湧いた。

1つ目は、作者であるシブ・ケーラはインド人の成功者であること。
2つ目は、成功に結びつくのは知識や能力ではなく態度であると断言していること(実際にはハーバード大学の研究結果に基づいたものである)。
そして、3つ目は、メモを取るために設けられた余白である。

私は、早速片手に鉛筆を持って本書を読み進めることにした。

「勝者になるための心構えや手順」

本書は、7章にわたって「勝者」になるための心構えや手順が書かれてある。
第1章は、態度の形成に影響するポジティブな環境、経験、教育について、第2では、ポジティブな態度でいるために実践できることについて述べられていた。

そこまでは、テンポよく読み進めていったが、第3章敗者の法則に差し掛かったとき、いくつか私の行動に当てはまることがあったためメモを取りながらじっくり読むことにした。

特に、

「敗者は近道を探している(88頁)」
「敗者は負けを正当化する(95頁)」
「敗者はチャンスに気づくことができない(97頁)」

といった法則である。

何気なく手を抜いて楽な方法を選んでしまうとき、できなかった原因を正当化してしまうとき、困難や障壁にぶつからないように自ら避けてしまうようなとき、私が敗者の道に進んでいることがわかった。

物事がうまく進まないとき、モチベーションが下がったときに楽な方へ流れてしまう自分を止め、重要なことや元に立てた目標のために意識や行動を向けていけるかが勝者と敗者を分けるのだとわかった。

「議論をしない」

第4章から7章では、勝者の自尊心、思考、人格、行動が節ごとに述べられていたが、特に気になったのは、第6章の12番目「議論をしない(182頁)」という項目である。

私は、人と活発に意見を交わすこと、相手と反対の意見を述べることはよいことであると考えていたので少し驚いた。

しかし筆者によれば、議論に勝つ最適な方法は、議論を避けることであるそうだ。

相手の間違えをすぐ直したり言い返したりするのではなく、まずは相手の言うことをよく聞くこと、噛み砕いて質問してみることが大切であり、「議論」ではなく「話し合い」をすることによって勝者になれるのだ。

この「議論をしない」という考えをコンサルに置き換えることができるのではないかと私は考えた。クライアントから何か反対意見や質問、相談がきたとき、彼らの言うことをよく聞かず、それに対してどうやったら論破できるかよい返答ができるか必死で考えがちである。

まずは、相手の話を聞いて、「個々の部分を説明してくださいますか。」と納得がいかない部分を解明していくことによって、お客様にとっても自分にとってもよい到達地点を見つけ出せる。

全体を通して心温まるエピソードが盛り込まれ、印象に残る箇所が多くあった。現地で仕事をしていくうえでネガティブな気持ちになったり、成功がイメージできなくなったりしたときもう一度読み返したい。

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