報道って、どんなカメラを使っているの?【教えてTBSニュース】
TBSテレビ報道局の取材では、パナソニックの「AJ-PX5000」という放送用カメラを使用しています。レンズはcanonの「HJ24e×7.5B」です。
(写真参照)
このタイプのカメラはテレビ局内では「ENGカメラ」と呼ばれます。
カメラマンが肩に担いでいる姿を見たことがある方も多いかもしれません。ENGとは「Electronic News Gathering」の略で、直訳すると「電子的ニュース取材」。その昔、フィルムカメラに取って代わり、現在のような電気信号として記録するカメラが登場した際に「ENGカメラ」という呼び名が生まれたようです。
ENGカメラは残念ながら家電量販店では購入できません。ですので、一般の方にはなかなか馴染みがないかもしれませんが、もう少し細かくご説明します。
ENGカメラはレンズやバッテリーを含めると合計8キロほどの重量があります。家電量販店で購入できる家庭用カメラは軽いもので500グラムほどですので、雲泥の差です。
技術の進歩とともに家庭用カメラはどんどん軽くなっていますが、ENGカメラは民生機に比べて軽量化の余地が小さく、それほど重量に変化がありません。ただ、実際に使用してみると、ある程度の重量があった方が肩に担いだ時のバランスが非常に良いのです。
カメラは安定感も大切
ENGカメラにはプロ向けの様々な機能があり、多彩な映像表現が高画質で実現できます。ですが、オペレーションはマニュアル操作ですので、そう簡単に使いこなすことはできません。私自身も一生懸命練習し、今は自由自在に使いこなせるようになりました!
私たちは通常の取材活動でENGカメラを主に使用していますが、ほかにも様々な種類のカメラを駆使しています。
運動会でよくみかけるハンディカメラはもちろん、GoProなどのウェアラブルカメラ、Canon「EOS C300」などのデジタルシネマカメラもしばしば使用します。さらには、ドローンや360度カメラも。TBS報道局には「ドローン班」があり、定期的に緑山スタジオの広大な土地を使って訓練しています。
TBSニュースの内容に加え、映像表現にも注目して頂ければカメラマンとしては嬉しい限りです。
(映像取材部 田原昇平)