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もうすぐ入社20年「テロップ」の語源をはじめて知る。【教えてTBSニュース】

【教えてTBSニュースに寄せられた質問】

Q:ニュースの「テロップ」や「スーパー」って何のソフトで作っていますか?

TBSに入社してもうすぐ20年・・・記者生活の中で毎日のようにお世話になってきた「テロップ」や「スーパー」ですが、(どちらかというと水のような存在で)言葉の由来や使用ソフトについて考えたことはありませんでした・・・担当者に聞きました!


(赤坂グラフィックスアート 望月一彦さんが回答)

まず、「テロップ」「スーパー」は、大まかには同じ意味ですが、言葉の由来は異なります。

「テロップ」「テレビジョン・オペーク・プロジェクター」という、画面上に出す文字を撮影するための機材名が縮まってできた略語のようなもので、「スーパー」「スーパーインポーズ(画面に文字を重ねる)」という言葉を略したものです。

他にも「字幕」「字幕スーパー」などという言い方をする場合もありますが、テレビの画面上で文字などを表示するものとしては、こちらもほぼ同じ意味と言えます。

さて本題ですが、テロップは作成専用のシステムとソフトを使って作っています。

(テロップ作成に使う機材自体は、少しスペックの高いパソコンですが、その中に専用ソフトがインストールされています)

テロップの作成と、実際に放送に乗せるための機材やソフトをまとめて「テロップシステム」と呼んでいますが、いくつかのメーカーから販売されている中で、TBSでは朋栄(ほうえい)というメーカーのVWSというテロップシステムを使用しています。ソフト自体は、このシステムに組み込まれている「TelopStation(テロップステーション)」というものです。これはVWSの一部になっているため、単体では販売されていません。

使っているソフトは他に、イラストや写真などを合成するために「Adobe Photoshop」を使ったり、アニメーションの動きを付けるために「Adobe After Effects」で動画を作り、そのデータを「TelopStation」上で合成して、動きのあるテロップに仕上げたりもしています。

また、テロップとして画面に表示される「文字や記号」も、実はそれぞれがひとつの「ソフト」という言い方もできるかと思います。

コンピューターで作業をするためには何らかの「ソフト」が必要になりますが、「文字や記号」もそれぞれのデザインで漢字やひらがな、カタカナ、数字や欧文、記号などのかたまり(細かな意味は違いますが、「書体」「フォント」と呼ばれています)として、画面に表示させるための「ソフト」として、作業する機材一台一台にインストールしています。

機材(パソコン)にもともとインストールされている「フォント」は、実は放送で使える許可が出ていないものが多く、放送で使えるよう、契約し購入しているものをインストールして、そちらを使用しています。「フォント」のメーカーは複数あって、TBSではフォントワークスモリサワという2つのメーカーのものを中心に、ダイナコムウェア白舟書体(はくしゅう・しょたい)視覚デザイン研究所のものも一部使用しています。

余談になりますが…現在、テロップはそのほぼすべてをコンピューターで作っています。

1990年代半ばまでは、紙焼きテロップ(写植機で一文字ずつ撮影して、写真のL判とほぼ同じサイズの「紙に焼き込んで」作っていたことからそう呼ばれていた)と現在のように電子的に作るテロップ(これを「電子テロップ」「デジタルテロップ」などと呼んで区別していた)が混在していましたが、TBSでは1989年あたりから報道・情報番組の一部で電子テロップを使い始め、1994年の放送センター(現在の社屋)移転でほぼ電子テロップに移行しました。

「電子テロップ」に移行して以来、機材も少しずつ変化していて、専用の高価なソフトやシステムがすべてだったところから、現在はソフト単体では安価になり、個人でも購入可能なものも増えてきまして、それらも放送で使用されるようになっています。

とはいえ、多くの方の目に触れる「放送」で扱うものなので、さまざまなソフトを駆使して見やすく正確なテロップやCGをこれからも作っていきます。

(赤坂グラフィックスアート 望月一彦)

ちなみに・・・望月さんは
過去にこんな取材を受けたこともあるそうです!(顔写真あり)


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