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イギリスのEU離脱って、日本に影響あるの?(教えてTBSニュースより)

Q:小学6年生です。最近イギリスのEU離脱のニュースをよく見ますが、イギリスがEUを離脱したら日本にどういう影響がありますか?


【JNNロンドン支局長が回答します】

『イギリスがEUから離脱するということは、ちょっと極端に言えば、九州が日本から離脱するみたいなものです(←注:かなり極端です)。

これまで自由に行き来していたところに国境ができます。九州で作った明太子を東京に運ぶのが「輸送」ではなくて「輸出入」になります。

いろんな手続きが必要になって、お金も時間もかかってしまいますよね。

このように影響が大きいので、離脱はなるべくスムーズに進めたい。ということで、メイ首相はEUとの間で「こういうふうに離脱します」という色々な取り決め(585ページもあります)をしたんですが、イギリスの議会が「納得できない」と言っていて、ずっとモメているのです。

もし議会がOKを出して離脱しても、今度は「離脱の後、イギリスとEUとの間はどんな関係になるのか」について細かい話し合いが始まります。

これまた少なくとも2年くらいはかかるようで、話し合いの間は今の関係をあまり変えずに続けることになるでしょう。

ということで「日本にどういう影響が出るか?」という問いには「まだわかりません」というのが現時点でのお答えになってしまいます。

確実なことをお答えできるようになる頃には、あなたはもう中学生になっています。たぶんですけど・・・

このゴタゴタで日本を含む世界の「ものごとの決め方」にも、もしかしたら影響があるかもしれません。学校に例えてみましょう。

運動会のポスターを作ることになって、生徒会は「赤」がいいか「青」がいいか、みんなの意見を聞いてみようと全校生徒の投票で決めることにしました。

結果「赤」の勝ち。

生徒会は、先生たちとも相談して赤い背景に徒競走が描かれているデザインのポスターを作りました。

ところが「赤」に投票した生徒たちの中から「もっと明るい赤だと思ったのに」とか「大玉送りを描いた方がよかったのに」という声が色々出てきました。

「青」に投票した生徒たちからは「赤に投票した人たちもこんなデザインになるなんて思っていなかったんだから、もう一回投票をやり直したほうがいい」という声。生徒会は困ってしまいました。

こうなってくると、生徒会の中には「全校のみんなに聞いたのが間違いだった。自分たちは選挙で選ばれたんだから、全部自分たちだけで決めちゃえばよかった」と考える人たちも出てきます。

日本や他の国の政治家の人たちも「国民投票や住民投票はもうやめたほうがいいかな・・・」と思うかも知れません。

それが良いことなのか、良くないことなのか、考えてみるのもいいかもしれませんね。


日本も手本にしてきたイギリスの政治システムの混迷は、はっきりとは目に見えないかも知れませんが、私たちにも影響を及ぼす可能性がある・・・そう思いながらこのニュースを見ていきたいと思います。


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